暮らし・生活

親を自宅で介護するには?在宅介護サービス13種類それぞれの特徴

前回は、介護保険の基本的なことと在宅介護についてご説明しました。

今回は、在宅介護サービスを13種類、それぞれの特徴とあわせてご紹介します。

訪問系

訪問介護(ホームヘルプ)

高齢になり難しくなった日常生活をサポートしてくれるサービス。
ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事や入浴、排せつ、衣服の着脱などの日常生活の介助や料理や洗濯などの生活援助をしてくれます。

利用者本人に行われるサービス以外は適用されず、日常以上の援助は範囲外になります。
(例えば、来客の対応や庭の草むしりやペットのお散歩等は適用範囲外です)

訪問入浴介護(訪問入浴)

自宅で生活ができるように、体を清潔にし、気持ちもリフレッシュできるように、看護師とヘルパーが持参した浴槽で入浴の介護をしてくれます。

自宅で入浴の見守りだけでは不安な時は、相談するのもいいかもしれません。
また、デイサービスなどでの銭湯のような空間が苦手な方にも、プライバシーが守られている感じがありますね。

訪問看護

疾患のある方の自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行ってくれます。

具体的には、血圧を測ったり疾患による病状チェックだったり、技術のいる入浴介助だったり、在宅酸素、カテーテルやドレーンチューブの管理、褥瘡(床ずれ)の処理、リハビリテーションなど。

看護師さんが来てくれるのは、安心しますね。

訪問リハビリ

リハビリテーションとは、本来の機能の回復を意味します。

高齢での介護や疾病後の介護を必要とする状況では、なるべく在宅で暮らせるための機能回復・生活動作の自立に向けて理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが専門的に訓練してくれます。

やはり、自分で歩く、排せつするなど、生活するうえでの必要な動作が維持向上する訓練は魅力的ですね。

居宅療養管理指導

通院が困難な方に対し、医師、歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問し、療養上の管理や指導を受けられるサービス。

医師・歯科医師・薬剤師のほかに、管理栄養士・歯科衛生士・保健師・看護師が訪問者になります。

高齢の方のみならず、家族の方にもありがたい、安心するサービスですね。

夜間対応型訪問介護

訪問介護の24時間対応型。定期巡回と随時対応の2種類あります。

夜中(18時~8時)の定期的な排せつ介助や安否確認など、すぐに駆けつけられない状況では、強い味方ですね。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

24時間365日必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に対応してくれます。

ヘルパーさんだけではなく、看護師さんとも連携しているので、介護・看護の一体的なサービスが受けられます。

これは本当に心強いサービスですが、要支援という認定だと利用できません。
「要支援でも必要~」って叫びたいのは山々ですが……。

通う系

通所介護サービス(デイサービス)

デイサービスの事業所に通い、入浴や食事、その他の日常生活の介護を受けられるサービス。

高齢者さん同士の交流やレクレーション、施設によって色々な特色がある場所もあります。

高齢者の方の引きこもり予防や在宅介護を担う家族の方々の介護を軽減する意味でも、社会に触れ合うことになります。

ここがちょっとした居場所になると、安心できますね。

通所リハビリテーション(デイケア)

デイケアの事業所に通い、入浴や食事、高齢での介護や疾病後の介護を必要とする状況では、なるべく在宅で暮らせるための機能回復・生活動作の自立に向けて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが専門的に訓練してくれます。

自宅に訪問してくれるより、入浴や引きこもり予防、家族の介護を軽減する意味では、いろいろメリットがありますね。

デイサービス、デイケアの費用について

デイサービス・デイケアでは、規模や所要時間によって費用が設定されています。
また、日常生活費(食事やおむつ代など)は、別途費用がかかることもあります。
その費用などは事業所で違いますので確認をお願いします。

その意味では、介護保険サービス以外のサービスにかかる費用も判断基準に入りますね。

お泊り系

短期入所生活介護(ショートステイ)

自立した日常生活を送るうえで、孤立感の解消や心身の機能回復などだけではなく、家族の介護負担の軽減を目的に利用ができます。

家族旅行の時など、一緒に行くのも記念になるけど、「逆に負担にならないかな?」と心配な際には、こういうサービスがあると安心して旅行にも行けますね。

短期入所療養介護(ショートステイ)

医療機関や介護老人保健施設が、日常生活上の世話や医療、看護、機能訓練を提供します。

また、家族の介護負担の軽減も目的に利用ができます。

より高度な介護や医療の管理が必要になったら、こっちのサービスを利用したらいいかもしれません。

組み合わせ系

小規模多機能型居宅介護

在宅介護でなるべく自立した生活を送るべく、施設への「通い」を中心に短期的な「宿泊」の利用や「訪問」を組み合わせ、家庭的な環境と地域住民との交流の下、サービスを受けられます。

慣れ親しんだ施設の職員さんがお泊りでもいてくれたり、訪問に来てくれたりすると、毎回同じ注意事項を繰り返して伝えなくても済みます。

なにより、利用する本人がある程度同じ人で気心知れているので、安心できますね。

複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)

小規模多機能型居宅介護に看護師による「訪問看護」が組み合わせることができるサービス。

疾病による訪問看護もある場合は、こちらのサービスは地域密着で、さらに安心して利用しやすいかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?

家族のみならず地域、社会資源を上手に組み合わせて、介護される側、する側どちらも同じ目標をもって、その中でどう関われるかを、ケアマネさんと上手にケアプランが作成できるといいですね。


大濵 育恵
大濵 育恵
株式会社健幸プラス 代表取締役。 看護大学卒業後大学病院で看護師として周産期医療に携わる。結婚、出産後は、地域の保健師、介護保険施設等で勤務を経験。地域と地域医療をつなぐ仕組みが必要と、2014年に地域と地域医療をつなぐ会社【株式会社健幸プラス】を設立。主に高齢者の方がメインの配食サービスの事業(健幸弁当DELI)で地域・医療・介護・福祉の連携を中心に、菜園の企画運営(健幸菜園)を行っている三児(10歳、4歳、0歳)の母。