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暮らし・生活

普段の暮らしで使える経済学!「デフォルト設定」のカラクリとは

私達がお金を使って日々の生活を送っている以上、切っても切り離せないのが経済の世界。

でも、学問の分野としては馴染みがなく、とても遠い存在に感じているママも少なくないはず。
実は、私達が何気なく行っている毎日の消費活動を経済学の世界から覗いてみると、ちょっと面白い生活のヒントに出会うことができるのです。

経済学の世界をもっとママの身近に感じてみませんか。
今回は、「デフォルトの設定」に隠されたヒミツに迫ります!

人間は、自分で思っている以上に「面倒くさがり屋」

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会話の中で時々耳にする「デフォルト」という言葉は、もともとはコンピュータ用語。
「標準の」などと訳されます。

コンピュータの世界では「何も指定しなかった場合に採用される条件」のことを「デフォルトの条件」と呼称し、動作の設定をしたりします。

日常の場面に当てはめるとどうでしょうか。

例えば学校からのお便りで、行事への出欠確認を行うものがあります。
プリントの下半分を切り取って提出する、ママにはお馴染みのあのシステムです。

色んなパターンが考えられますが、もしその内容が「出席できない場合は下の欠席届を切り取り、提出してください」という案内だった場合は、何もしなければ「出席」として扱われるので、「出席」がデフォルトと言えます。

さて、このデフォルトの設定。
実は、デフォルトがどう設定されているかによって、私達の行動が知らず知らずのうちに影響を受けているのをご存じでしたか?

私達は普段、自分の意志で自分の行動を決めているつもりでいますが、人間は自分が思っている以上に「面倒くさがり屋」な生き物なのだそう。

例えば、クリック1つでチェックボックスに印を付けるだけでも、デフォルトの設定に流されてしまうことが知られています。

こんなラーメン屋さんがあったら、あなたはどんな注文をする?

ラーメンのイメージ画像

こんな2軒のラーメン屋さんを想像してみましょう。

A店では、何も具が載っていないスープと麺だけのラーメンが500円です。
注文をするときはタッチパネルを使い、自分の好きな具を選んでトッピングします。
トッピングは1つ50円。全部で10種類あって、全部選ぶと1000円のラーメンが出来上がります。

B店では、A店と全く同じラーメンが提供されるのですが、最初の状態では全てのトッピングが載っており、料金は1000円です。

そこからタッチパネルを使って、いらないトッピングを選び、チェックマークを外していきます。
1つのトッピングを外すと50円安くなります。
全部外すとスープと麺だけの500円のラーメンに戻ります。

どうでしょう、あなたはA店で注文するラーメンとB店で注文するラーメン、同じものが出来上がると思いますか?

きっと多くの方は、A店で作ったラーメンよりも、B店で作ったラーメンの方が、トッピングが数種類多く載っていることと思います。
原因は、たくさん選ぶことが「面倒だから」。

タッチパネルをたたく動作もそうですが、考えること自体も、無意識のうちに面倒に感じているのですね。
また、デフォルトの設定を「お店のオススメ」だと思ってしまうことも影響するようです。

このように改めて意識してみると、いかにデフォルト設定の影響力が大きいか認識することができます。

身近にもあるある!上手く利用されたデフォルトの設定

笑顔でパソコンを見るママ(主婦)のイメージ画像

では、自分の身の周りに上手く利用されたデフォルトの設定はないでしょうか。

私がまず思いついたのは、インターネットショッピング。

購入の申し込みをする際に、メールマガジンを受け取るかという質問項目がありますが、初めから自分の好みに合ったジャンルのチェックボックスに印が付いていたりしますね。
メール配信を希望しない場合は、あえて「チェックマークを外す」という行動を取らなければいけません。

またテレビやチラシの通販では、初回をお試し価格で購入するためには定期購入コースでの申し込みが必要、という場合があります。
これも、何もしなければ定期購入コースでの購入が続き、止めたいときには「退会手続きをする」という行動が必要になります。

新しく買ったスマホやパソコンには、お試し用のアプリやソフトが始めからいくつか入っていて、必要が無ければ消す必要があります。

少し見渡してみても、思いつく状況はたくさんありますね!
こういったやり方をズルい、と言いたいのではなくて、普段何気なく行なっていた私達の消費行動が、実はすごく考えられた仕組みによって促されていることに気付くのは、ママにとってすごく面白い発見だと思うのです。
経済が身近なところにあると実感しますよね。

デフォルトの設定をうまく活かすには?

ポイントを示すママ(主婦)

反対に、デフォルト設定のヒミツを知っていれば、それを意識した行動を取ることもできるかもしれません。

デフォルトの設定を自分の生活に上手く取り入れることはできないのでしょうか。

その良い例は定期積立です。

一度申し込みをすれば、定期積立のデフォルトの設定は「お金が引き落とされること」になります。
あえて手続きをして止めない限りは引き落としが続くので、貯蓄が苦手な方には良い方法になりますね。

デフォルト設定のヒミツ、いかがでしたか?
遠い存在に感じていた経済学が身近なところにもあったと分かると、少しだけワクワクしませんか?

これは経済学ではなく私個人の考えですが、もしかしたらパパにお願い事をしたいときにも、応用できるかもしれません。

学校行事の出欠確認と同じように、何もなければイエスと見なされ、断るためには何かアクションが必要になる。
このような尋ね方を工夫すれば、イエスの返事をもらえる確率がUPするかも。
……なんて、あからさまにやりすぎると「何て強引な人だ!」と思われてしまいますから、気を付けてくださいね!

【参考文献】
『お金と感情と意思決定の白熱教室~楽しい行動経済学~』
ダン・アリエリー(著), NHK白熱教室制作チーム(翻訳), 早川書房
『図解雑学「行動経済学」』
筒井義郎, 山根承子 著, ナツメ社


横山 沙織
横山 沙織

ファイナンシャルプランナー(2級FP技能士・AFP)。おこづかいセミナー講師。子供金銭教育をテーマに活動する団体「FPmama Friends」に所属し、親子で学ぶおこづかい教室を開催しています。双子の娘+男の子の3児子育て中のママです。趣味は温泉巡りとベランダ菜園です。