『私らしさ』で道を切り開く働き方~PowerWomenFes!2019トークセッション
ママの働き方

目の前の喜びに素直に。『私らしさ』で道を切り開く働き方~PowerWomenFes!2019トークセッション

子育てしながら私らしく働く(活動する)ママの学びイベントPowerWomenFes!2019。

1月29日(火)渋谷キャストで開催されたトークセッションの模様をレポートします!

ビジネスセンスを活かし起業女性支援を行う市倉さんと8人のお子さんを育てながらネイリストやラジオパーソナリティなど多彩な活動を行うつるやまさん。お二人に共通する『輝き』の秘訣とは?

<トークセッション出演者>
(左)特定非営利活動法人マミング埼玉 代表 市倉育江さん
https://maming.jp/
(右)Nail&Care space Mahalo 代表 つるやまりかさん https://ameblo.jp/nailspacemahalo/

プチ起業から長く続けられるビジネスへ導きたい

(市倉さん)
マミング埼玉は5年前に任意団体として活動を始め、昨年末にNPO法人化しました。
名の通り、埼玉県内を中心に活動をしています。

私自身は小学生と幼稚園児の2児の母で、子供が小さくなかなか県外に出られなかったので、地元に根付いて活動するのがモットーです。

活動は①子育て中のママへの支援②スキルや資格を生かしたママに向けた創業支援③地域活性化―の三本柱で、スキルや資格を活かしたいわゆる『ママ先生』600名に登録いただいており、企業や行政からいただいたお仕事、地域の様々なミッションを解決するという活動をしています。

『私らしさ』で道を切り開く働き方~PowerWomenFes!2019トークセッション

左端が市倉さん。ベビーマッサージや手形足形アートの先生、自宅でアイシングクッキー教室を開く先生など、登録する講師の活躍は多彩。

『私らしさ』で道を切り開く働き方~PowerWomenFes!2019トークセッション

埼玉県熊谷市で開催したフェスタ。地域のママを繋げるイベントを開催。

(市倉さん)
育休中に会社が合併し外資系の企業となり、戻る予定だった職場自体がなくなってしまったことが、この活動を始めるきっかけでした。

復帰はできると言われたのですが、通勤に片道1時間30分から2時間はかかる遠い職場で…先輩ママは朝5時半に起きて朝ごはんを食べ子供を保育園に送り電車に乗り、1日4時間を通勤に充てる生活を送っているとのこと。

自分にはその生活はちょっと難しいな、それなら会社を辞めて自分で何かやってみたいなと思って退職し、自宅サロンを始めました。

実は起業する気なんて全くなくて、母や友人を癒せたらいいなという気持ちだったんです。

技術向上のために材料費だけもらうようなかたちで練習を続けていたところ、3か月くらいすると次第にお客さんが増えてきて忙しくなり、このまま続けていくと税金の申告が必要になるほどの収入になり、慌てて開業届を出したくらいです。

―――そんなことあるんですね!何かコツや心がけたことはありますか?
(市倉さん)
OL時代は与えられた仕事をしていましたが、自宅サロンでお客様から『ありがとう』『キレイにしてくれたので気持ちが前向きになったよ』と感謝の言葉をいただくことが嬉しくて、お客様が喜ぶことを考えていたら自然に売り上げがアップしました。

―――自宅サロンの運営から、ママたちを応援する活動にシフトした理由は?
(市倉さん)
子育てしながらのんびり自宅サロンをするはずが、忙しくなってしまったので、子どもを認可外保育に週3日預けることになったんです。

子どもを預けているからこそ、きちんと収入を得ていかないという考えに切り替わりました。

活動を続け起業仲間が増えてくるなかで『資格はとったけどお客様が増えない』『収益があがらない』といった悩みを聞くようになってきたのもの1つのきっかけです。

ならば、私の持っているノウハウを提供しつつ、仲間たちと一緒に『プチ起業』を長く続けられる『ビジネス』にできればいいなと思い立ち、何か活動の枠組みをつくろうと思った時、今のマミング埼玉の活動を開始しました。

―――登録講師が600人という大きな活動ですが、最初はひとりで?
(市倉さん)
エステサロンを開いている友達にマミング埼玉の構想を伝えたところ、賛同してくれて、二人で始めました。

その方はエステで施術のし過ぎで腱鞘炎になってしまい、サロンを続けられないという状況だったんです。

Facebbookでグループを立ち上げ情報発信をしたところ、半月ほどで100名の会員さんができ、このサービスの必要性を感じました。

そこで集客など自宅教室・サロン運営のノウハウを提供しつつ、起業を長く続けられるようにサポートするビジネスを開始したんです。

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―――持って生まれた商才は自宅サロンだけでは留まらなかったんですね。今後取り組んでいきたいことはありますか?
(市倉さん)
現在の活動を始めて5年目に入りました。
登録講師の中には自宅を改装してお菓子工房を作った先生、ご自宅の駐車場に建てた小屋で週末だけ雑貨を販売している作家さん、開業届を出して一念発起し活動に本腰を入れる方、そんなママ先生が増えてきました。

プチ起業を始めるのは簡単で、はじめはたくさんの夢を描くのですが、継続することは本当に難しいこと。長く続けていくことができる女性をひとりでも増やしていくことが私のミッションです。

子供がいるから、を理由にしない。できる策を考える。

『私らしさ』で道を切り開く働き方~PowerWomenFes!2019トークセッション

(つるやまさん)
2男6女、8人の子供がいます。
今日は大阪から、早朝の新幹線に乗ってきたので、まだ子供の顔を見ていません(笑)。

起業のスタートは自宅でのネイルサロンで、ほかにもラジオのパーソナリティー、マタニティセラピスト、地域のママたちがつながるイベント活動などもしています。

―――お子さんずらっと並んだ写真、まるで遠足の時のようでインパクトがありますね!
(つるやまさん)
去年の夏に始めて家族全員で旅行したときの写真です。

私だいたいいつも妊娠・出産しているので(笑)なかなか家族旅行に行けず、去年の夏8番目を産んだあとやっと叶いました。

ただ子供たちと私たち夫婦で合計10人が一緒に泊まれる部屋がなかなか無くて、探しに探して18畳の和室があるホテルを見つけ、ウキウキしながら出かけた念願の旅行先での写真です。

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―――家事育児だけでも毎日大忙しですよね。起業のきっかけは?
(つるやまさん)
第一子の出産後から4,5年は専業主婦をしてママライフを楽しんでいたんですが、気がつくと周りのママ友は復職し、ランチをする友達もいなくなってしまって。

話し相手は夫や子供だけ、会話の内容も子供の事ばかりで、社会から孤立している寂しさを感じていて、何かできることを増やしたい!と思い、趣味で楽しんでいたセルフネイルについての勉強を少しずつはじめました。

そんな時、同じマンションのママ友が『男性向けのネイルケアのお店を出すことにした』というのを聞き…私、火が付いたんです!

専業主婦になる前はエステサロンなどの仕事をしていたこともあるし、今はネイルの勉強だってしている。

じゃあ、私もやってやる!という気持ちで、大きなお腹でネイルの検定を受け、スクールに通い、5人目を出産した3か月後に勢いでネイルサロンを始めました。

最初はいわゆる自転車操業。モニター価格でお客様に来ていただき、その売り上げで次の材料を購入する…という感じ。それでも人に施術できること、ありがとうと言われる喜び、お仕事することが楽しくて楽しくて仕方がなかったんです。

―――ネイリストからのラジオパーソナリティ。そのふり幅もすごいですよね。
(つるやまさん)
決して技術や細かい作業が得意でネイリストになったというわけでもなく、その時の自分にできること、好きなことがネイルで、それを仕事にしていました。

ただ一人きりで仕事をするのも寂しいし、飽きてきて…そんなときFacebookをやってみたら?とお友達に勧められました。

そこでママ起業のジャンルの広さに衝撃を受け、そこからのご縁でラジオのゲスト出演をきっかけにラジオパーソナリティになりました。もともとお話しするのが大好きなので、自分にとっては『好きなこと』の延長線上にあること。

ただ、ラジオを始めると宣言して番組が始まった直後に8人目を妊娠してしまいました(笑)
前撮りという方法で出産の2か月前は乗り切り、産後は首も座らない赤ちゃんを抱えて復帰しました。

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8番目のお子さんとラジオのお仕事も

(つるやまさん)
7人目を妊娠中の時にふと、せっかく子供たちにプレゼントしてもらった7通りの妊娠出産、この経験を何かに活かせないかと考え、妊娠中のママたちのケアをしたいと思いたち、マタニティセラピストとしての活動も始めました。

―――子育てしながら起業し、活動もどんどん広げる行動力がすごい!自分で限界を決めてしまう。諦めてしまうことってあると思うんですが…
(つるやまさん)
子供がいてもできないことは無い、と思っています。できる策を考えてやった、その結果かなと。

もちろん、しんどいこともありますし、すっぴんで、ぼさぼさな日もあります(笑)

ただ私ひとりが家事育児仕事を頑張っているわけではなく、子供たちには『家事はおうちのしごと』だと教えていて、子供たちにも助けてもらっています。

初めからうまくいっていたわけではなく、自分ひとりで家事育児を抱えていた時期もありました。

子どもたちに甘えてもいいのでは?と気づき、そこから即戦力に仕上げました(笑)子どもに手伝ってもらうことでゆとりが生まれました。

10年間で8人産んでいるので子供たちの年齢が近く、子供たちなりにチームになって考えてくれています。

年上チームの男の子がご飯を作ったりお風呂を洗ったり、女の子たちは小さいお母さんになって下の子のオムツを変えたりミルクをあげてくれたり、上4人が下4人を面倒見てくれています。

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収益を上げるには?家事育児との両立は?

本音で明るく真っすぐなお二人。トークセッションタイムでは「実際どうなんですか?」という本音の質問が飛び交いました。

―――起業しても収益を出せず辞めてしまう人が多い中で、最初から利益が出ているという市倉さんに質問です。ひとつだけでいいのでコツを教えてください

(市倉さん)
当時は楽しいこと、喜んでもらえることを一生懸命やるという気持ちでしたが、今振り返って冷静にアドバイスするなら…資格さえ取ればお金になると思っている人が多いのではないかなと感じます。

仕事を続けていくには『技術』『経営』『集客』の3つどれも大切ですが、資格に頼りすぎないよう、技術先行型にならないことを心に留めてほしいなと。

絶対やってほしくないのが『時給換算するといくらだよね』ということ。そんなことばかり考えていると、お客さまに対して良いパフォーマンスが発揮できなくなってしまいます。

目の前にいるお客さまがどうしたら喜んでくれるのか、どんなサービスを提供したら良いのかと向き合うことでおのずとファンが増えて、おのずと収益につながるのではないかなと思います。

―――自宅でネイルサロンをしている、つるやまさんに質問です。
お客様を迎える際の掃除などはどのようにしていますか?
また家事育児と仕事のタイムスケジュールを知りたいです。

(つるやまさん)
10人家族、3LDKのマンションで暮らしています。そのなかの一部屋を私の仕事で使わせてもらっているので、実質2LDKで10人が暮らしています。

実はネイルサロンを始めた当初はリビングの一角を使っていたのですが、お仕事前の掃除が一苦労で…仕事場所に一部屋充てたことで、掃除場所も凝縮されました。

玄関や水回りをきれいにするくらい、予約の30分前に掃除や整頓をすれば足りるようになりました。

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朝も決して早起きではなく、6時半に起きて小学生・幼稚園組を起こして7:30に送り出します。

そこから下の子たちのお世話や家事、身支度を整え、10時にはサロンのお客様をお迎えします。

お昼過ぎにお客様をお見送りし、そこからは子供たちのお迎えや習い事の送迎、夕食やお風呂などで22時にはすべて片付けるようにしています。

それから名札をつけたり、サロンの事務作業、翌日立て込んでいる場合は洗濯機を回したりして、寝るのは12時半か1時ころです。

家事は子供たちも手伝ってくれるので、極端に睡眠時間を削ったりなどは無いですね。

―――最後にメッセージを!

(市倉さん)
PowerWomenFes!は前向きに自分らしさをもって活動する女性の祭典。今日ここでお話しする機会をもらって、自分の気持ちを再確認することが出来ました。

この場に来られて私もみなさんもラッキーでしたね!

私も数年前にPowerWomenに登録してさまざまなチャンスをいただいたので、そういった支援者の元に登録するのも縁をいただく、活動を広げるきっかけになると思います。
埼玉で活動している方はぜひマミング埼玉にも登録してくださいね。

(つるやまさん)
これからもネイリストを続けるかどうかはまだ分かりません。ただいつも自分らしく自然体でいたいなというのが私のモットーです。

自然体って何もしないということではなく、自分の中の軸をもってそれに向かって走る、時に見つめ直すことをしながらしっかり自分を持っていられたらと思っています。

何かやりたい、始めてみたいと起業した方も最初は充満していたやる気が減ってくることもあるかもしれません。

そんなときはこれは自分が笑顔でいられることなのか、場所なのかを心に聞いてみるといいのかなと思います。

そんな風にして、私もみなさんと一緒に頑張っていきたいと思っています!

『私らしさ』で道を切り開く働き方~PowerWomenFes!2019トークセッション

大役を終え、PowerWomenプロジェクト代表宮本(左)と記念撮影

<後記>
ビジネスセンスのある市倉さんに、8人のママのつるやまさん、とてもパワフルなお二人でした。
ただ、お二人のお話を聞いていると、気負いがなく、とても自然体です。
自分ができることをコツコツと実行しているという印象でした。
子供が小さくてもたくさんいても、母親が一人で抱え込まずに子供の生活に合わせスケジューリングし、お手伝いなどもうまく組み入れていけばできないことはないと学ばせていただきました。

(写真提供)
さとうみどり/おひるねアートさとうみどり、ポーセラーツサロンピーカブー主宰
https://ameblo.jp/peekaboo-porcelarts/

NOE/NOEカメラ
https://www.instagram.com/camera_noe

(装飾協力)
Kids party &Anniversary Spica主宰 今井志保
https://ameblo.jp/spicaanniversary/entrylist.html
アニヴァーサリー・プランナープロコース卒業スタッフの皆様


川崎 裕子
川崎 裕子
2016年9月イギリスより帰国。茨城県出身。家族はカナダ人の夫と2012年生まれの娘。ライター業のかたわら、新卒以来勤めた会社を退職し起業に向けて準備中。また、娘のインターナショナルスクールのボランティア活動に精を出している。