働き方図鑑

自分らしくいられる場所を見つけた!フォトスタジオ勤務という働き方

東京都目黒区、自由が丘駅から徒歩3分の場所にある自然光の差し込むアットフォームなフォトスタジオ『ミナスタジオ 自由が丘』。

そこで働く山本理恵さんは、フォトグラファーの養成スクールを経てフリーのカメラマンとして活動したのちに、フォトスタジオに『勤務する』という働き方にたどり着きました。

「自分らしく働くことができている」と笑顔で話してくれた山本さんの働き方とは?

※本記事は2019年9月に都内で行われたトークイベントKodomotoCameraFes!を取材し、<働き方図鑑>にアレンジしました。

フォトスタジオ勤務のきっかけ

2016年12月に【こどもとかめら】のフォトグラファー養成講座を卒業しました。

卒業後は同期の仲間と撮影会を開いたりしていましたが、天候により撮影会が中止になったり、集客などが思うようにいかず、撮影したい気持ちはあるのにお客様がいない…と、もどかしい時期を過ごしていました。

そんななか、フォトグラファーの先輩と話しをした際に『フォトスタジオで働くのもいいかもしれない』と思い、求人情報を探したところ、見つけたのが今勤務しているフォトスタジオでした。

経験を積みたい!とにかくたくさん撮らせてください!と面接でお伝えし、その場で採用していただくことになりました。

2017年7月に勤務をスタートし、丸2年が経ったところです。

自分らしくいられる場所を見つけた!フォトスタジオ勤務という働き方

現在の仕事内容/撮影の流れ

撮影後すぐ編集、データを完成させスライドショーをお客様にお見せします。

商品のご案内とお会計、お見送りという一連の流れがあり、休憩をとり、また午後の撮影…というのがだいたいの流れです。

撮影以外にも衣装の管理や小物買い出し、SNSの更新など仕事は多岐に渡ります。

撮影の流れ

9:00 出勤
掃除、衣装準備、お客様情報確認
9:30 1件目のお客様をお出迎え、撮影スタート
10:30 撮影終了/編集スタート
11:30 お写真のお受渡し
13:00 2件目のお客様お出迎え、撮影スタート
14:00 撮影終了、編集スタート
15:00 お写真お受渡し

仕事内容

・撮影/アシスタント
・撮影会やイベントの企画・運営
・商品管理
・電話・メール対応
・商品製作、デザイン
・HPのメンテナンス
・SNS更新
・スタジオのメンテナンス

撮影時に心がけていること

『笑顔』とひとことで言っても様々なバリエーションがあるので、いろいろな表情を引き出せるよう心がけています。

スタジオでは七五三撮影が多いので、着物の乱れには気を配ります。

襦袢が見えていないか、帯締めが真ん中にきているか、ほかにも女の子なら足が閉じているかどうか、男の子だったら内股になっていないかなども気を付けます。

良い笑顔が撮れても着物が乱れていると納品することができないので、撮影前に着付け師さんと一緒にチェックをします。

自分らしくいられる場所を見つけた!フォトスタジオ勤務という働き方

押さえるべきポーズや向き、七五三ならではのアイテムなど撮るべきものをしっかり撮影したうえで、自分が撮りたいもの、この子ならこういったポーズが良いかなと追加していきます。

ただお子さんの集中力も考慮して、時間内にしっかり撮影を終わらせることも気をつけています。

リピーター様が多いスタジオなので、前回の写真は必ずチェックして、出来るだけ新鮮なお写真を提供できるように変化をつけていく工夫を心がけています。

撮影中はお子さんとの会話がメインですが、ご家族とのコミュニケ―ションも大切にしたいと思っています。

スタジオカメラマンの魅力

スライドショーをご覧いただくとき、ご両親が喜んでくださったり、時には涙をこぼされたりなどの反応がとても嬉しく、この仕事をやってよかった!と感じます。

着付師さんとのお仕事で着物に関する知識が増えたことも、スタジオ勤務ならではの魅力かもしれません。

撮影はカメラマンだけが行うものではなく着付師さん、美容師さん、撮影アシスタントとチーム一丸となって取り組むもの。

成功を分かち合う楽しさ、チームプレイの楽しさを感じられるのはスタジオで働くことの魅力ですね。

スタジオで撮影の企画を立てこともありますが、チームみんなが活躍できる場を考えて企画を練るので、達成感もひとしおです。

スタジオ撮影の難しさ

スタジオカメラマンとしての仕事は楽しい反面、難しさもあります。

HPやInstagramなどでスタジオをご覧になってお越しくださるお客様は、スタジオが目当てであり、カメラマン自身のことはご存じないことが多々あります。

初対面でいきなり信用していただくのは難しいこと。

撮影は1時間と短い時間ではありますが、信頼関係を築けるよう、お子さんに満足してもらうこと、良いお写真を納品させていただくことはもちろんのこと、自分自身の立ち居振る舞いやコミュニケーションのとり方なども気を引き締めて堂々とした撮影ができるように成長していきたいと思っています。

今後の働き方について

フォトスタジオの仕事は土日の勤務が中心になるため、8歳6歳ふたりの息子は主人にサポートをお願いしながら働いています。

家族との関わり方は永遠の課題と思いつつ、感謝の気持ちを持って仕事をしています。

以前アルバムデザインの仕事をしていたこともあり、今の働き方でやりたいことが全部叶っている、恵まれている環境だとかみしめています。

今のスタジオは自分らしくいられる場所、まだまだここで働きたいという気持ちでいっぱいです!

資格を取ったあと、どう活動する?迷っている方へのメッセージ

資格を取ったり養成講座を卒業したりして、今後どうやって活動したら良いのかと考えている方も多いと思います。

私の場合、ネガティブな性格で、自分をアピールすることも苦手で、フリーのカメラマンとして一人で活動することに心細さを感じていたのも事実でした。

フリーランスとして自由に自分の裁量で活動する良さもあると思いますが、こうしてスタジオに勤務することになり、チームで作り上げていく感覚が自分にはすごく向いているなと思っています。

家庭環境やお子さんの年齢からワークスタイルを考える方法もありますが【自分の性格に合った働き方】や【自分らしくいられる働き方】をゼヒ見つけて欲しいということも、実体験からお伝えしたいです。

自分らしくいられる場所を見つけた!フォトスタジオ勤務という働き方

編集後記

後半の質問タイムではスタジオでの撮影の方法、自然光と人工光の使い分けやアシスタントさんとの関わり方など具体的な質問が飛び交いました。

イベントを主催されたこどもとかめらの代表、今井しのぶさんからは「撮影の裏側や資料を外部の人に共有しても良いと言ってくれるスタジオさんってなかなか無いです。
理恵さんの人柄があってこそ、今の働き方が叶っているのではないかなと思います。」と。

自分らしくいられる場所を見つけた!フォトスタジオ勤務という働き方

「『こどもとかめらの卒業生って本当にスゴイ!』というのが私の中でのテーマで、念願だった卒業生が主役のイベントを実現することができ嬉しく思っています。

理恵さんは卒業生のなかでもフォトスタジオ勤務の先駆け。

なので今日はスタジオ勤務の楽しさや自分らしい働き方についてお話してもらえたらとお願いしました。

フォトグラファーという仕事は想像以上に幅が広く、自分の『好き』をアレンジすることができます。

スタジオで働くという選択肢も視野に入れてみると、みなさんの可能性も広がると思いますよ。」

自分らしくいられる場所を見つけた!フォトスタジオ勤務という働き方

イベントを主催したこどもとかめらの代表、今井しのぶさん自身も専業主婦からカメラを学び、自宅スタジオを経て今はフォトスタジオを経営するという経歴をお持ちの方。

『ママだから分かる気持ち』が活きる。ママカメラマンが輝き続ける『こどもとかめら』

好きを磨くと、働き方の選択肢が増える。可能性が広がる。

お話を伺いながら、こどもとかめらのフォトグラファー養成スクールで単にカメラの知識を身につけただけではなく、山本さんが働き方の選択肢も広げられたことを実感しました。

そう想い描いて学んだり資格を取ったりする先に見つかるのは、子育てや家事との両立など『時間に縛られない働き方』だけではなく『時間を費やすことを幸せに思う働き方』との出会いなのかもしれません。

雇用されての仕事では好きなことができない?
時間に縛られると子育てとの両立が難しい?

そんな固定概念を取り払ってみること、まっすぐに好きを一生懸命磨くことが『自分らしい働き方』への近道なのかもしれません。


●ミナスタジオ 自由が丘
https://www.mina-studio.com/

●こどもとかめら
https://www.kodomotocamera.com/

●撮影:松山佐保
https://sahomatsuyama.amebaownd.com/


渡邉 加奈子
渡邉 加奈子
娘が2歳のときPowerWomenプロジェクト在宅スタッフ登録をし、アンケート入力や事務局代行などを行う。その後【笑顔で働きたいママのフェスタ】イベント本部のスタッフとして、パートタイム勤務を経て正社員に。第2子の産休育休を経て現在は短時間正社員となる。ふたりの子供たちに挟まれて寝るのが何よりの幸せ。育児がひと段落したら趣味の切り絵と三味線を再開するのが夢。
ウェブサイト