コーヒーはダイエットや認知症にも効果アリ!
コーヒーの9つの健康効果
サラリーマンからママさんまで、コーヒーを飲むことが多い人はたくさんいらっしゃいます。
そのコーヒーは、近年、さまざまな健康効果を持つ飲み物として注目を集めています。
体の中から健康になる、コーヒーの“効く飲み方”をご紹介します。
意外と多い!1日3〜4杯がコーヒーの効果的な量
まずは、コーヒーの効果的な飲み方について。
1日あたり、コーヒーをどれぐらい飲むのがいいのでしょうか。
コーヒーに含まれている、効果のあるポリフェノール量に換算すると、1日にコーヒー3~4杯が効果的な量。
意外と多い!とビックリされる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
5杯以上飲むと、逆に心臓疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患のリスクが上がるという報告があります。
飲み過ぎには注意してください。
コーヒーの4つの有効成分
1.ポリフェノール
この何年かで一気に名前が有名になっているポリフェノール。
コーヒー豆にはポリフェノールの一種「クロロゲン酸」が多く含まれます。
クロロゲン酸は小腸と肝臓で代謝され、半分以上がフェルラ酸という成分に変化。
これが血中に移行し、血管内で血小板が固まるのを防ぎ、血液をサラサラにする。体脂肪燃焼を促す作用もあります。
2.カフェイン
カフェインも、聞いたことがある方が多いですよね。
目覚めを促す覚醒作用のほか、利尿作用や短期的記憶力の向上、計算速度を速めるなど、作業時間を持続させる効果があります。
また、最近の研究では運動前にコーヒーを飲むことで脂肪燃焼を促進するという報告があり、ダイエット効果も期待できるとか!
3.ニコチン酸
コーヒー豆に含まれるトリゴネリンは、焙煎されると、脂質異常症や動脈硬化の予防に役立つニコチン酸に変化します。
「ニコチン」という響きは、タバコのせいで悪い印象があるかもしれませんが、ニコチン酸には、血中の遊離脂肪酸の濃度を下げる、ストレスを和らげるなどの作用があります。
4.NMP(N-メチルピリジニウムイオン)
これはあまり聞いたことがない物質ですが、発がん性物質にも効果があるとされているもの。
トリゴネリンが焙煎により、ニコチン酸のほかに、NMP(N-メチルピリジニウムイオン)というもう一つの物質にも変化します。
ニコチン酸と同様、副交感神経を刺激してリラックス効果を高めたり、強い抗酸化作用で発がん性物質を解毒したりしてくれます。
コーヒーの9の健康効果
それでは、コーヒーは健康にどんな良い影響をもたらしてくれるのでしょうか。
以下、コーヒーの健康効果について、実際に行われた調査・研究を元に実証されている事実を交えて、ご紹介します。
1.UV(紫外線)から肌を守りシミをできにくくする
コーヒーのクロロゲン酸は強い抗酸化作用を持っています。
紫外線を浴びることで、皮膚の色素細胞が過剰な色素を作りますが、クロロゲン酸が活性酸素の働きを抑制し、色素沈着を防いでくれます。
そのため、シミができにくい肌になるんです。
2.肝臓を守る
肝臓に中性脂肪が蓄積するのを防いでくれます。
日本人を対象とした研究で、コーヒーを毎日2~3杯飲む習慣がある人は、飲まない人に比べて、脂肪肝の発症リスクが低かったというデータがあります。
また、コーヒーを1日3~4杯飲む人は、飲まない人に比べて、肝臓がんの発症率が1/2以下。
ほかにも、肝機能改善、肝硬変を予防するという報告があります。
脂肪肝のない男性492人を対象に、99年から04年の5年間で脂肪肝が発生した164人と発生しなかった328人とで、コーヒーの飲量を比較。
結果、脂肪肝になった人は5年間でコーヒーを飲む量が有意に減少していることが分かっています。
(データ:三越厚生事業団三越診療所)
3.糖尿病のリスクが低下
インスリン感受性を改善して、糖尿病のリスクを下げてくれます。
コーヒーを1日4~5杯飲む人は、飲まない人に比べて、2型糖尿病のリスクが最大58%まで下がるという疫学調査報告があります。
また、この効果はカフェインを抜いたインスタントコーヒー(デカフェ)でも認められています。
4.血液をサラサラにして動脈硬化を予防
ポリフェノールが強い抗酸化力を発揮し、LDL(悪玉)コレステロールの増加を防いでくれます。
HDL(善玉)コレステロールが微増したという報告もあります。
また、ニコチン酸は血栓を溶かす作用をサポートし、血液をサラサラに保ちます
5.認知症を予防する
動物実験において、クロロゲン酸は脳内の血糖値を抑制し、エネルギー代謝を高める作用が確認されています。
また、神経細胞を保護する作用もあり、こうした働きから認知症予防に役立つと考えられています。
6.ストレスを和らげる
コーヒーを飲むと、飲む前に比べてストレスレベルが緩和したという報告があります。
また、コーヒーの芳香成分はリラックスを促します。
ドリップコーヒーの香りをかぐことで、脳のα波が増加した、という報告もあります。
7.子宮がんを予防する
子宮がんも防ぐという調査結果もあります。
コーヒーを週2日以下しか飲まないグループに比べて、1日1~2杯飲むグループと3杯以上飲むグループでは、子宮体がんのリスクが低いという疫学研究の報告があります。
8.脳卒中・虚血性心疾患の発症が少ない
コーヒーに含まれる抗酸化成分が作用を発揮し、血管を傷つける活性酸素の働きを抑制するほか、動脈硬化や血栓などを防ぐためと考えられています。
2015年に日本人を対象とした大規模な疫学調査でも、このことが報告されています。
日本人を対象とした多目的コホート研究による報告では、コーヒーを1日に2杯以上飲む群、1杯以上飲む群、週に3~6回飲む群は、コーヒーをまったく飲まない群に比べて、循環器疾患の発症リスクが明らかに低かったという結果が出ています。
(データ:国立がん研究センター がん予防・検診研究センター)
9.内臓脂肪を減らす
カフェインは脂肪分解酵素を活性化し、血行を促して代謝を上げてくれます。
また、クロロゲン酸は食事で取り込む脂肪の燃焼を促し、内臓脂肪を減らす効果が確認されています。
おわりに
コーヒーの健康効果、さまざまなことが調査・研究によって分かってきているんですね。
コーヒーが苦手でない方は、1日あたり3〜4杯のコーヒーを飲んでみてはいかがでしょうか。
- ともえ編集部