2016年度から始まった靴メーカーIFME(イフミー)✖PowerWomen「こども想いのくつえらびアンバサダープロジェクト」も早2年目。各地でくつえらび勉強会を開催するマイスター&アンバサダー向けに、足と靴のインストラクター山田彩乃さんによるスペシャル講義が開催されました。
その内容は、すべてのママたちにとっても有益なものばかり!その内容を3回にわたりご紹介します。
第2回は、データによって見えてきた、時代による子どもの成長の変化と、健やかな足の成長について、山田さんのお話を元に考えていきます。
今起こっている、子どもたちの成長の変化
戦後、栄養状態が改善されたこと、時間に余裕ができたことなどにより、日本人の体格は、時代とともに大きくなってきました。
高校生は1990年ごろまで、小学6年生は2000年ごろまでで平均身長は上げ止まり、昔から「甲高だんびろ」と言われてきた日本人の足も、近年は欧米化してきた影響なのか、足の形も細長く変わってきているといいます。
一方で、5歳児は2005年以降、平均身長が下降中、0歳児については1960年の統計開始以降、ずっと下がり続けています。この原因は究明されていませんが、スポーツテストなどによる体力の低下や、運動時間の減少はずっと言われ続けています。
では、足についてはどのようなことが起こっているのでしょうか?
「からだの成長とともに身長が伸びると、足長(足の大きさ)も足幅も、大きくなります。当然といえば当然ですが、データで示して初めて立証されるのが科学の世界。そういう意味でこれはきちんと示された事実です」と山田さん。
「足は年齢が上がるにしたがって、ぐーっと細長くなっていきます。たとえば、12cmと16cmだと、足型をそのまま拡大しているわけではない。ベビー用からキッズ用になると、シュッとした形になっていきます」
足は、土踏まず、外アーチ、内アーチと3つのアーチで構成されていますが、成長して土踏まずがほぼ完成されるのが10歳前後。データ上でもそのころに上げ止まりを見せるそう。
「ただ、女子はこのころから数値がまた落ちていくのです。これは外反母趾の初期段階の可能性が指摘されている。まだ確定されたわけではありませんが、アーチはすべての要。女性は小学校のときから外反母趾に気をつけていかないといけません」
健やかな足とは、どんな足?
「子どもたちには健やかに足が成長してほしい!」と思うのは、すべてのママたち共通の思い。では、健やかな足の成長とはどんな足のことをいうのでしょうか?
山田さんによると、
- アーチがしっかり形成している
- 足趾がまっすぐ伸びている
- 浮き指ではない
- しっかり立てる
- バランスがよい
- 早く走れるようになる
- ジャンプできる
- 爪がまっすぐ生えている
という、いたって普通の足のこと。ただ、ないがしろにしていると、これらが当然ではなくなるといいます。
「体も使えば使うほど筋力も体力もあがり、使わないと筋力は落ちる。楽をしていると成長の機会の逃してしまいます。過度に体を保護しすぎないことが大事なように、靴も足を保護しすぎないことが大切。ひざが悪いからといって、必要以上にサポート機能の高いサポーターを使うと、足の機能が衰えます。過度に保護をしすぎないで」
一方で過度に負担をかけてしまうのもダメ。
「最近、インナーマッスルを鍛える靴が出ていますが、靴で体を鍛えようとすると怪我の原因になることも。全力疾走できない靴は、全力の力を足に伝えられていないということ。なので、子どもには敵しません。全力疾走できないという意味では、スリッポンタイプの靴もNGですね」
何事もほどよいバランスが重要。
「靴はかかとが大事といいますが、これは足がぐにゃっとなるのをフォローしてくれるから。登山シューズは硬いかかとで荷物の重みなどをフォローしてくれます」というように、楽すぎず、負担になりすぎない靴で、シーンに合わせた靴選びをして、健やかな成長を手伝ってあげましょう。
こども靴のIFME(イフミー)は、くつえらびアンバサダープロジェクトを応援しています。
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- 吉田 理栄子
- 1975年生まれ、徳島県出身。大学卒業後OL生活を満喫するも、昔の夢をあきらめきれずマスコミ業界へ。旅行系出版社などを経て、雑誌『ロケーションジャパン』編集長就任。産後半年で復職したが、ライフワークバランスで悩み、1年半の試行錯誤の末、2015年秋フリーランスに転身。旅、人、女性の働き方などをテーマに執筆活動を行う。
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