2016年度から始まった靴メーカーIFME(イフミー)✖️PowerWomen「こども想いのくつえらびアンバサダープロジェクト」も早2年目。各地でくつえらび勉強会を開催するマイスター&アンバサダー向けに、足と靴のインストラクター山田彩乃さんによるスペシャル講義が開催されました。
その内容は、すべてのママたちにとっても有益なものばかり!その内容を3回にわたりご紹介します。
第3回は、ズバリ「いい靴」について。一般的ないい靴の選び方から、ファーストシューズやおさがり靴の考え方まで、山田さんにレクチャーいただきました。
小さい靴より大きい靴の方がもっと悪い
「子どもにぴったりの靴」がいちばんなのは当然ですが、なぜ小さい靴はいけないのでしょうか?
足と靴のインストラクター・山田彩乃さんによると、「靴が小さいと、靴の中でどこかを縮めないといけません。かかとを縮められる人はいないから、足先を縮めることになる。となると、親指や小指が足の下に入ってしまい、足の形が変化したり、爪が曲がったりします。それが外反母趾や指が曲がってしまう原因の一つであると言われています」。
小さい靴が悪いのはなんとなくわかりますが、大きい靴もいけないのでしょうか?子どもの足はすぐ大きくなってしまうので、できることなら、大きめを買っておきたいと多くのママたちが考えています。
「テレビ番組などでも、実測よりも1.5cm以上のサイズを買うと良いと言っている人もいますが、足にとっては、小さい靴よりもNGなんです。
日本の靴サイズは足のサイズそのものではなく、遊びが足されて設定されているため、場合によっては2cm以上つま先が空いてしまう可能性も。履いたとき、靴の中で足が前方まできてしまいます。そうすると結局、足先が先端に当てってしまい、小さい靴を履いているのと同じ状態になる。
つまり前まで突っ込むことで、足がぎゅっと縮こまって、上側にもスペースがなくなってしまうんです。さらに、この状態から蹴り出そうとすると、今度はゆるいので、指が地面を掴もうとして変なクセがついてしまいます」
小さい靴の悪かった点にプラスして、大きい靴ならではの悪い点まで加わってしまい、いいことなしという結果に…。
「大きいのであれば中敷を入れる、という手もありますが、この場合、中敷を入れることで底上げされ、靴の中の空間が狭くなります。それにより上側のスペースがなくなり指が靴に当たってしまいます。
また、中敷によって靴が硬くなって、靴が曲がりにくくなる上、足の曲がる位置と靴の曲がる位置の設定がズレているため、一歩歩くたびに靴を曲げようと過度な負担がかかってしまいます。」
と散々な見解となりました。
ファーストシューズとおさがり靴の選び方
また、誰もがあれこれ夢が膨らむファーストシューズは、「ちゃんと歩けるようになってから買ってください!」と山田さん。
「一歩歩けたら、買っちゃおう!と気が急いてしまうと思いますが、そうしたらすぐにサイズアウトになってしまいます。いよいよ外に出るというときに買うのがベスト。そして、転ばないために、つま先が上がっている靴を選んであげてくださいね(ちなみに、これは老人にも言えるそう)」とのこと。
よくお祝いなどでもいただく、靴下の足裏にだけゴム底が貼り付けてあるファーストシューズは、足の保護の観点からあまりおすすめできないそう。
また、金額は高いからいい、というものではなく、「高かったから、もったいないし、長い期間履かせる!」のであれば、安い靴を2〜3ヶ月ごとでどんどん買い換えてあげる方が足のためにはいいそうです。
そして、おさがりについては、できるだけ避けるのがベター。
「靴の底が斜めになり、靴がかたむいていても、足は地面からまっすぐ立とうとします。そうすると、ふくらはぎの骨が曲がってしまい、バランスが崩れる。
最近、よくネットで300円や500円でおさがりの靴が売られていますが、底が斜めにすり減っていたり、かかとが緩んでしまって足をホールドする機能が低下しているものも多く混在しているので危険です。
また、足は汗をかくし、雑菌も多いので、衛生面からも止めた方がいいですね」
これらを踏まえ、靴を選ぶときは、
1.足の大きさ、形を知る
2.靴の品質を見極める
3.足と靴があっているか判断する
の3本柱が重要。
「サイズのフィッティングがしっかりしていれば、ほとんどは健やかに育ちますというくらい、フィッティングが肝」と山田さん。ちゃんと時間をかけて靴を選んであげましょう。
お店では、なかなか何足も子どもに試し履きをさせられず、適当に購入するくらいなら、未使用、未開封で返品できるネット通販で何足か取り寄せてみるのも手。
ただ、ぴったりの靴を選べるかどうかは、やっぱり靴をみる目やフィッティングできる目が養われていることが必要です。そのためにも、全国で開催されている「くつえらび勉強会」に参加してみてくださいね。
こども靴のIFME(イフミー)は、くつえらびアンバサダープロジェクトを応援しています。
- 吉田 理栄子
- 1975年生まれ、徳島県出身。大学卒業後OL生活を満喫するも、昔の夢をあきらめきれずマスコミ業界へ。旅行系出版社などを経て、雑誌『ロケーションジャパン』編集長就任。産後半年で復職したが、ライフワークバランスで悩み、1年半の試行錯誤の末、2015年秋フリーランスに転身。旅、人、女性の働き方などをテーマに執筆活動を行う。
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