働き方図鑑

「孤独な育児」をなくし児童虐待を減らしたい!-親子イベント企画運営という働き方|滝澤理絵さん

今回は、ハートフル・マザーリング協会代表、滝澤理絵さんの働き方を紹介します。

滝澤さんは、自身の幼児期の辛い経験を元に、家族の絆を形として残すことにこだわった親子イベントを企画運営する事業、ママインストラクター育成事業など、幅広く活躍されています。

「自分で好きなよう仕事を作りだせ、やってみたいことをすぐに発信、スタートできること」が今の仕事の気に入っている所だそうですが、滝澤さんのこの行動力の源はどこにあるのでしょうか?

働き方図鑑の8つの質問に回答してもらいました!

現在の活動内容

孤立した子育てを減らすことと、ママの新たな働き方をサポートすることを目的に、0歳から未就園児のママとお子様が参加できるイベントを企画主催し、そのようなイベントを開催、運営できる子育て中のママを対象にインストラクターの養成をしています。

講師は埼玉を中心に20名(2018年5月現在)活躍しており、名古屋、大阪にも講師が誕生しています。

活動内容は大きく分けて3つあります:

1) インストラクター育成事業
「リズム☆ベビーヨガ」、「リズム☆ベビーマッサージ」「おむつでベビーアート」「手形足形ぺったんアート」の各インストラクター養成。

2) イベントの企画・開催
自ら「ハグミーラボ」として、赤ちゃんとママ対象の「リズム☆ベビーヨガ」、「リズム☆ベビーマッサージ」のレッスンを行ったり、手形足形ぺったんアート時計のワークショップ出展やイベント開催をしています。

その他は、親子撮影、赤ちゃん合同誕生日会も含め、年間を通して親子で楽しめる季節のイベントを企画、開催しております。

また、地元限定で、幼稚園~未就園児対象の親子で英語遊びをする「おやこでリズム☆えいご」レッスンを行っています。

3) 児童虐待防止の啓発活動
孤独な子育てを減らしたいという想いで、過去3年で延べ3000組ほどの親子と関わって参りました。また、その想いに賛同して下さった子育て真っ最中のママ達が講師となり、埼玉を中心に各地域で活躍しています。

ゼロからスタートした講師たちが育児と活動を楽しみながら活躍できるよう運営サポートを行っています。

たくさんのママ、お子様、そして、パパにもお会いできるのは、手形足形ぺったんアートのワークショップ開催時です。2017年に恵比寿で開催された、ママのフェスタ 働き方見本市にも出店させていただきました。

児童虐待防止の啓発活動の一つとして埼玉から離れた大阪、神戸、名古屋、高知、他、児童虐待相談対応件数の多い府県を中心に全国出張し、ワークショップを開催し、想いをお伝えしています。時には子供を連れての仕事、子供と旅をしながらの出張をして仕事をしております。

子供と旅と仕事、という、場所にとらわれないママ達の新たな働き方も提案できると思っています。

さいたまテレビ様に取材いただいた「赤ちゃん合同誕生日会」です。

「こどもの虐待を防ぐには」という特集枠に生出演いたしました。
私の住んでいる埼玉県は児童虐待相談対応件数(平成27年度厚生労働省調べ)が全国2位。
自らの体験と児童虐待防止への対応策の1つとしての活動を述べさせていただきました。

全国の乳幼児をもつ家庭の徒歩30分以内でおやこイベントを開催し、孤独を感じる子育てからの脱出、他のママ達と繋がることのできる安心できる場所やきっかけができるように、活動を進めています。

事業、サービスで力を入れていること、こだわり

忙しい毎日を送るママが、お子さんと向き合う時間や、お子さんの成長を感じる時間を持ってもらう、ということに特に力をいれています。
親子の繋がりが濃い乳幼児の時期、お子様の今を手形や写真、何か目に見えるものとして残していただくことにこだわっています。

また、子育てにばかり意識が向いてしまい、自分のことはなおざりになってしまうママに、母親として、妻として、女性として、頑張っている自分自身を褒めてあげる、少しの時間でいいので、自分と向き合い労わるよう、ワークショップやイベント、SNSなどを通して促しています。

自分自身の存在やいのちのつながりに感謝し、今という時への気づきが明日への元気に繋がると思っています。

育児、仕事、家庭での悩みやストレスは誰しもが持っているもの。ママ達の安心の場をつくり、地域でのコミュニティやつながりをつくっていく、この取り組みがひいては児童虐待を減らすと私は信じています。

事業、サービスをはじめたきっかけ

第一子を見知らぬ土地で出産、孤独な育児を経験しました。常に余裕がなく、イライラしてしまう自分自身に重なったのが、幼少期の私を虐待していた母親の姿。ママたちは「虐待」と背中合わせのところで頑張っているんだと気づきました。

私が思う、虐待の要因の一つである「孤独な育児」をしているママを減らすべく、「ママたちのつながる場を作りたい」「私自身も他のママ達と育児を楽しんでいきたい」と、長男が1歳の頃に、すでに取得していた資格を生かし、親子の交流場所として、「おやこでリズム☆えいごサークル」を主催しました。子供と一緒にコミュニティを作り、2度の出産と2度の引越しを経た後も各地で新規にサークルを作りイベントを主催しております。

自分の母親が経済的・精神的にも自立できていなかったことも、自分への虐待に繋がった理由の一つだったのでは、と感じているので、ママたちが届く場所へ情報を発信し、経済活動、ひいては社会貢献ができるサービスや有償のボランティア活動として、ママたちをサポートしていきたい思いがありました。

ママたちの精神的、経済的自立を手伝うためと、私一人ではおやこイベントを開催できる範囲や回数が限られてしまうので、全国ママ達の徒歩30分以内にママ達のつながる場所ができるよう、親子向けのイベントやレッスンを開催するママ先生を養成、サポートし始めました。

また、私自身が幼少期の家族との写真や目に見えて残るものを一切持っていなかったことから、子供から大人へと成長する時期も孤独を抱えていました。愛された記憶と記録もありませんでした。そういった辛い経験もあり、手形・足形アート、写真などの、子供や家族の絆が目に見えて残るものにこだわり、サービスにしています。

とある1日のスケジュール

6:00 起床
6:00 Yoga時間
6:30 朝食準備・子供たち起床
7:30 主人出勤
8:00 子供たちを幼稚園、小学校へ送り出す
8:00 洗濯、掃除、メール確認
9:30 自宅にて授乳フォト・撮影の仕事
11:00 幼稚園へ参観
12:00 幼稚園ママ達とランチ会
12:40 移動
13:00 リズム☆ベビーヨガ・手形足形ぺったんアート講師養成講座
16:30 幼稚園へお迎えに
17:00 夕食買い出し。家事。夕食の準備しながら小学生の宿題チェック
18:00 夕食
19:00 子供たちとDVDを観る。娘とままごと。
19:40 子供たちとお風呂
20:30 絵本タイム
21:00 子供達就寝後 事務作業
21:30 主人帰宅・夕食準備
22:00 SNS発信、読書
23:30 就寝

今の生活や働き方で気に入っている事

赤ちゃんにたくさん会えること。ママ達に喜んでいただけ笑顔もたくさん見られること。
そして、なんといっても自由なこと。仕事をする時間も場所も自分で自由に決められること。
自分の使命と世の中のニーズを融合させ、自分で好きなよう仕事を作りだせ、やってみたいことをすぐに発信、スタートできることです。

今は子供との時間を一番に考えているので、子供を学童には入れず、学校や幼稚園に行っている間だけ仕事、と決めて時間管理をしています。
自分のライフステージに合わせて仕事ができる、挑戦できる働き方が気に入っています。

クリアしたい課題や問題

私自身の課題は時間管理です。仕事、家族との時間、自分の時間を無理せず、楽しみながら調整するよう心掛けています。

働き方を迷っている女性へのメッセージ

お母さんになると働き方に迷いがでるのは当然です。お母さんだから〇〇でなくてはならない、という固定観念は捨て、女性はもっと自由に仕事や生き方を選択していい、と私は思います。
自分の経験から世の中に伝えたい使命があるなら、それに向かうべきだとも私は思います。一歩先を進んでいたり、理想の働き方をしていると思う女性に会いにいくのも働き方を考える上でパワーとヒントをもらえると思います。
パート、会社員、趣味からの起業と、どの仕事も立派な仕事ですし、ライフステージに合わせて女性は仕事を変えることもできます。ママであり一人の女性として、何を重要視し、家族のためだけではなく、自分の将来の夢や目標についてパートナー、そして、お子さんとも話ができるとより迷いが少なくなり、より応援されることと思います。

愛する家族へのメッセージ

自由気ままな私の活動を応援してくれる主人には感謝してもしきれません。
洗濯、掃除、料理家事をこなしてくれたり、子供の体調不良時には仕事を調整してくれたり。パパのおかげで子供たちも素直に育っています、ありがとう。

学校や幼稚園から帰ってきたら、「ママだーいすき」と言って抱きしめてくれる3人の子供たち。
幼稚園入園前は3人とも、赤ちゃんの時から私の仕事のパートナーとして活躍してくれました。手形足形ぺったんアートやベビーアートもたくさんアートモデルとして活躍してくれました。
今となっては、一緒にお仕事にいくことは少なくなってきたけれど、これからは日本中を一緒に旅しながら、ママの想いを広めていく手伝いをお願いします。
ママの経験と想いをベースに日本の児童虐待が減るように声をあげて活動していきます。
みんなの笑顔がママのパワーの源です。これからも一緒に成長していきましょう、ありがとう。

滝澤理絵さんのプロフィール

滝澤理絵
ハートフル・マザーリング協会代表
ハグミーラボ主宰

埼玉県在住。3人の子育て真最中。
専門学校卒業後、コンピュータ業界にて12年勤務。社長アシスタント、営業、マーケティング、人事を経験。自ら感じた孤独な子育てと幼少期に受けた母親からの虐待の2つの立場から、孤立した子育てをなくす一助になればと親子サークルを立ち上げる。3人目出産後、2014年 ベビーヨガと出会い、インストラクターとなる。「親子の絆」の見える化として、実用も兼ね備えた「時計付きの手形足形アートワークショップ」を考案。3年で3000組以上の親子と関わったおやこイベントの経験を基に、ハートフル・マザーリング協会を発足。インストラクターの養成と児童虐待防止の啓発活動に力を入れている。

Webサイト:ハートフル・マザーリング協会
ブログ:https://ameblo.jp/mothers-mamayoga/
Facebook:https://www.facebook.com/rie.takizawa.758
Twitter:https://twitter.com/riemama0228
Instagram:手形足形ぺったんアート ハグミーラボ

あとがき

「児童虐待」、現代の核家族化の影響か、ともいわれていますね。
児童虐待のニュースを見ると、「まさかあの人が・・・」「とても可愛がっていたのに・・・」「きちんとした真面目な人・・・」という周囲の人のコメントを聞くことがあります。
子育てに一生懸命になるあまり、誰にも頼らず自分を追い詰め、行き詰まり、子どもに手をあげてしまうというケースも多いのではないのでしょうか。

そういう、心に悩みを抱えるママたちの力になりたい、という方や、自分も育児ストレスで凹んでいた時に、ママ友や周りの人たちとの交流に救われた!という方は、滝澤理絵さんのように親子で楽しめるイベントの企画運営、という働き方も自分の経験を活かせ、やりがいがあると思いますよ!

赤ちゃんに対する周りの目を気にするあまり、外出を控えてしまう。というママもいるかもしれませんが、思い切って親子イベントに出かけてみてください。他のママたちと思いを共有、考えに共感しているうちに、今までの悩みが嘘のように飛んでいきますよ!

ともえでは親子向けのイベントを多数開催&出展をしているので、ちょっと気持ちが内向きになってきたなと思ったら、こちらをチェック♪

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ともえ編集部
ともえ編集部