働き方図鑑

-食の大切さを伝えたい- ヴィーガンカフェ経営という働き方|加藤美緒さん

横浜市青葉区で、ヴィーガンカフェ『2bananeira. ドイスバナネイラ』を経営する加藤美緒さん、無農薬・無化学肥料栽培にこだわった野菜を使ったヴィーガン料理(※)を、いろんな人に楽しんでもらえるよう、こだわりを持って経営されています。
加藤さんがどうしてここまで素材にこだわったカフェを開店しようと思ったのか、なぜヴィーガン料理なのか、加藤さんの働き方に迫ります。

※ヴィーガンとは、絶対菜食主義のこと。ベジタリアンじゃないの?と思いますが、ヴィーガンは肉だけでなく卵や乳製品などの動物から作られた食品も食べません。

現在の活動内容

「オーガニック野菜をたっぷりとつかった、植物性100%の料理」「卵・バター・乳製品はもちろん、小麦や白砂糖もつかわないスイーツ」というオルタナティブな”食”をとおして、まずは自分のココロとカラダのことから。その先で、地球や未来について考える。
そんな気づきへのきっかけとなる、地域のメディアを目指した『2bananeira. ドイスバナネイラ』という飲食店を、横浜・藤が丘で運営しています。

バナネイラで使用する野菜は、神奈川県・秦野産をメインに、無農薬・無化学肥料栽培であることはもちろん、ずーっと循環していける方法で野菜づくりをされている生産者さんによるもの。
そんな生産者さんの苦労や、植物が持つエネルギーのすばらしさ。

そして、ベースとなる”食”をとおして、”循環”と”調和”というキーワードを含む大切なコンテンツを発信していくことが、バナネイラの役割だと思っています。

また、マインドや暮らし方が変わるようなワークショップ、青空太極拳、HSPミーティング、ベビーマッサージ教室など、信頼できる講師の方を招いたさまざまなイベントを開催。今後は、バナネイラ畑を開墾し、農に関わるコミュニティづくりを始動します。

事業、サービスで力を入れていること、こだわり

”オーガニック”や、”ヴィーガン”というと、
「ああ、” ヘルシーで安全だから仕方ないでしょ… “っ ていうアレね。なんとなくストイックで、素朴すぎて、何かひとつ足りないかんじの。」
そんな残念なイメージを持たれている方が多い気がします。

バナネイラでは、そのイメージを払拭するべく、ヴィーガンの方はもちろん、お子さまや男性、ジャンキーな舌(?)の方でも満足していただけるように、イタリアンの世界でずーっと野菜と向き合ってきたシェフが、野菜の旨味を最大限に引き出しつつ、素材の味をいかすのに最適なスパイスやオイルをそっと寄りそわせ、メリハリと奥行きのある料理を提供しています。

「バナネイラだったら、お肉があるとかないとかをまったく意識することなく、さまざまな食のスタイルの人と一緒に食事を愉しめる!」と思っていただけることが本望です。

また、こだわりは野菜だけではなく、白砂糖などの精製されすぎたものや化学調味料を一切つかわないことはもちろん、発酵食やスーパーフードをバランス良くとりいれ、ひとつひとつ手作りをしています。

事業、サービスをはじめたきっかけ

独身時代から勤めていた会社が、オーガニックの総合商社でした。入社してすぐは、オーガニックコスメの営業として全国の自然食品店やソニープラザをまわり、SNSもなかった20年前、自然食品店の店主さんから「マクロビオティック」「農」「化学物質による弊害」「食の大切さ」など、さまざまなことを学ばせていただきました。

そんななかで、出産を機に、母乳だけでどんどん大きくなってゆく我が娘をみて
「ああ… この子はわたしの食べたものでできて いるんだ。これは責任重大だ。」
と、頭ではわかっていたはずのことが突然リアルになり、食生活や生活用品をさらに改めるように。

その後、「もっとダイレクトに、リアルに、オーガニックのよさを拡められる場にいたい」という想いが高まったことと、秦野という土地に出会い、秦野の露地野菜がもつエネルギーに感嘆しながらイベントでふるまった料理が好評だったことをきっかけに、会社を辞めてオーガニックカフェ業界に足を踏み入れました。
「サンズマーケットカフェ」「ベジクエル」「菌カフェ753」を経て、2017年3月に自身のヴィーガンカフェ『2bananeira. ドイスバナネイラ』をオープンしました。

「2bananeira. ドイスバナネイラ」オープン一周年の時の写真

とある1日のスケジュール

7:00 起床 * 長女のお弁当づくり、朝食
7:50 姉妹を送り出し、身支度
8:00 家事、メールチェック、SNS発信
8:45 出勤
10:00 青空太極拳(バレエorヨガのことも)
11:00 バナネイラ OPEN
14:00 近隣の畑に収穫 or 受取(週1~2)
15:00 まかないごはん
16:00 デザイン業務 or 打ち合わせ
17:30 帰宅 * 夕食づくり、愛犬とさんぽ
19:30 再出勤(そのまま自宅にいることや、カポエイラorヨガに行くことも)
22:00 バナネイラ CLOSE
24:00 再帰宅
25:30 就寝

今の生活や働き方で気に入っている事

プラスだと思えることも、マイナスと感じてしまうことも、全てが自分の責任であり、喜びであり、常に能動的でいられることです。
ずっと、なんとなくマイノリティな生き方を選んでいるぶん、しんどいことも多かったり、誰のせいにすることもできなかったりしますが、それもすべてが自分で決めていること。

まわりからはよく「そんなに働いて疲れないの?」といわれますが、バナネイラをオープンしてからは、労働とプライベートの境目がなく、お客さん同士のコミュニティが育まれていたり、いつのまにか「藤が丘のパワースポット」とよばれているバナネイラで繰り広げられる日々の、ミラクルの海をわくわくと泳ぎつづけているようなこの感覚を、とても幸せなことだと思っています。

クリアしたい課題や問題

ヴィーガン(植物性100%)というニッチな分野を地域に根付かせ広めるために、ヴィーガンが社会にも人々にも、とても有用であると知ってもらうための発信まで手がまわっていないこと。(自分の名前と商品で集客できるようになるためにするべきことができていないこと)

また、バナネイラがきっかけで秦野や大井町という土地や、農業に興味を持たれた方を、ひとり残らず現地へお連れしたくてもなかなか叶わないこと。

そして、生産者さんが大切に育ててくれた貴重な野菜が、多くの人々に適正価格で行き渡るシステムや、 本気で就農したいと思っている人と農地を余らせて困っている人をマッチングさせられるシステムをつくりたい…
ああ、それなのに今日もただただ泳ぐだけでおわってしまった…

という、いつも漠然と抱き続けているジレンマを、毎日すこしづつでも昇華させていくことが課題です。
そしてなにより、このどんぶり勘定性質が最大の問題です(苦笑)

働き方を迷っている女性へのメッセージ

「迷ったら、ワクワクする方を」
どんなところに身をおいていても”世界は面白い”と感じるには、環境というものがつくりがちな「枠」からつねに一歩離れて、いつも外から自分をみるようにすると、自分のすすむべき道や、ほんとうにやりたいこと、そのために今できることがみえてくると思います。

愛する家族へのメッセージ

妻としても母としてもマイノリティで、家事や役割を後回しにしてしまいがちなわたしに、たいして文句もいわず(諦められている?)なんとなく漠然と「まぁだいじょうぶでしょう…」と、信じて笑顔でいてくれる家族に、いつも感謝しています。

加藤美緒さんのプロフィール

加藤美緒
ベジ料理家
グラフィックデザイナー
カラーセラピスト
札幌生まれ。日体大卒の父と、ヨガ講師の母を両親として選び、幼少よりバレエやダ ンスがアイデンティティーに。
その後、日本女子体育短期大学の舞踊専攻入学のため上京。12年間のオーガニック総合商社勤務(広報/デザイン担当)で、オーガニック コスメ・有機JAS認定食品・マクロビオティックについての知識を深める。プライベートでふるまった野菜料理が好評だったことをきっかけに、会社を辞めてオーガニックカフェ業界に。
「サンズマーケットカフェ」「ベジクエル」「菌カフェ753」を経て、 2017.3.13に、「2bananeira. ドイスバナネイラ」をオープン。人との縁を大切にしながら”ポジティブでハッピーなロハスの啓発”をミッションとして、循環と調和、幅広い「健康」について模索する日々。
ライフワークとして、グラフィックデザイン、カラーリーディング、バナネイラ(逆立ち※)も。8.31(野菜の日)うまれ。二児の母。

※飲食店経営… ましてヴィーガンカフェなんて「逆立ちしてもできないよ」と言われるなら。じゃあ、カポエリスタの端くれとして、とりあえず逆立ち(バナネイラ)を してみようじゃないか…という、願掛けのようなアカウントをはじめました。

Webサイト:
ブログ:http://2bananeira.com/
Facebook:https://www.facebook.com/2bananeira/https://www.facebook.com/toricorn.n
Twitter:https://twitter.com/2bananeira
Instagram:https://www.instagram.com/2bananeira/https://www.instagram.com/bananeira_111/

あとがき

食材にこだわったカフェ・レストラン経営と聞くと、小難しそうで身構えてしまいますが、加藤さんの働き方は肩の力を抜いて楽しんでいて素敵ですね!大変そうな仕事でも、自分の心の持ちようでどんな働き方でも楽しむことができるんだと感じるお話でした。
食の大切さや、食品の安全性が気になる子育て期のママ、ヴィーガンカフェ『2bananeira. ドイスバナネイラ』でヘルシー料理を試してみてはいかがでしょうか?

 


クルジウ 雅子
クルジウ 雅子