PowerWomenFes!2019トークセッション
ママの働き方

思いが溢れた時が起業のタイミング!「できる」を前提に行動しよう~PowerWomenFes!2019トークセッション

『子育て』に関わる事業を展開するおふたりを迎えて起業と子育てをWin-Winの関係にするコツを伺ったPowerWomenFes!2019トークセッション。

子育てしながら私らしく活動したいと願うママに、たくさんのヒントやアドバイスをいただきました。とても明るく、初対面とは思えない息の合った掛け合いと笑顔溢れるトークの様子をお届けします。

PowerWomenFes!2019トークセッション

<トークセッション出演者>
(写真右)
ママの輝く明日を応援するドマーニ 代表
中山淳子さん
Bolg:http://ameblo.jp/825928/

(写真左)
株式会社アイナロハ
産後サポートままのわ 代表
渡邊琴美さん
Webサイト:http://www.ainaloha.com/

子育てを中心に起業するということ

PowerWomenFes!2019トークセッション

―――まずは自己紹介も兼ねて、おふたりの仕事のきっかけなどについて教えてください。

(中山さん)
「朝一番の飛行機で福岡から参りました!

私の本業は、学習塾、保育園、幼稚園、幼児教室などの教育機関のコンサルティングやアドバイスです。

もともと七田チャイルドアカデミーという幼児教室の大手で20年ほど、いわゆるスーパーバイザー的なことをしておりました。

教室を開いてみたいという主婦の方に、運営のアドバイスをしていましたが、正直「好き」だけでは教室運営は続かない。

集客や頂いたお金を家賃やスタッフのお給料などに回していくという経営など、次のステップのことなどをアドバイスする仕事をしておりました。

20年ほどやっておりましたが、同じような仕事をしている女性は案外居ないものだと気づき、ニッチな仕事になりそうだと思ったこともあり、これだったら独立しても何かできるかなと、息子が3才の時に独立しました。

息子は不妊治療の末にようやく生まれた子で、今小学校4年生です。
本当に私のよきパートナーで、夫以上の(笑)パートナーかな?とてもよい理解者になってくれています。

実は私、子どもが生まれる前までは、お母さんというものは子育てのことしか考えていないんだろうと思っていたんですね。

でも、いざ自分が母親になると違いました。
母になっても、子育てと並行して、自分もまた成長していきたいと願う気持ちを持ち続けているものだと実感しました。

そんな一歩進んでいきたいお母さん方の背中を押していくために、NPO法人 ママワーク研究所というものを、仲間と作りました。

いつか働きたいと考えているお母さん方へ仕事と子育ての両立についてアドバイスしたり講座を開いたり、カウンセリングなどを行っています。」

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(中山さん)
「他にも芸能プロダクションに所属して、福岡の情報番組で毎週コメンテーターもしております。

『教育コメンテーター』という肩書でラジオにも出演しております。

このような活動や子育てアドバイスを盛り込んだ『超ママ力』という本を去年10月に出版し、仕事と子育てどちらも楽しんでいただけるような講演も行っております。

仕事を通じて様々なお母さんに接する中で私がよく言うのが『できることを前提に考えていきましょう』ということ。

お母さん方が『仕事も子育ても』と考えた時に『私にはできない』とか『子どもがいるからできない』と悩んでしまうこと、多いですよね。

でも、悩んで諦める前に、『どうやったらできるかな』と考えることが大事ですよ、とお伝えしています。」

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(渡邊さん)
「はじめまして、渡邊です。今日は『産後サポートままのわ』のエプロンをつけていますが、ほかにも食育をメインとした家事代行『栄養バランスサポーターままのわ』、託児やベビーシッターをする『ベビー&キッズままのわ』と3つの事業があります。」

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(渡邊さん)
「会社は夫婦で経営しています。
もともと私もパートナーも埼玉から都内の企業に勤めていた『埼玉都民』。

東日本大震災が起きた時にたまたま家族で一緒にいたのですが、もし二人ともいつもどおり出勤していたら帰宅できず、子供にも会えない夜を過ごしていたかもしれない、と考えるようになりました。

住まいと働く場所をもっと近くしたいと夫婦で話し合い、株式会社アイナロハを立ち上げました。

社名はアイナとアロハからの造語で、単にハワイ好きな夫婦なのですが(笑)家族が生活のメインになるような、そんな会社にしたいという想いを込めました。

そんな時、私が第二子の妊娠16週に緊急入院するというハプニングがありました。

それまでは私だけが子育てをしている状態で、突然育児を任されたパートナーがすごく困ってしまったという経験をしました。同じように困っている夫婦は世の中にたくさんいるのではないかという思いで『産後サポートままのわ』のサービスを立ち上げました。」

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(渡邊さん)
「『産後サポートままのわ』は、妊娠中から産後6ヶ月のご家庭にお伺いして、家事や子育てのお手伝いをします。

初産の方は子どものいる生活がイメージしにくいですし、2人目、3人目のお母さんでも、2人目、3人目のお母さんになるのは初めてのこと。そんな方のサポートをするために始めました。

うちのパートナーは、起業する前は朝7時に家を出て、夜12時に帰宅するという生活だったこともあり『自分のように家を空け、家事育児に役に立たない夫がきっといるだろう』と言います。

物理的に家事育児を直接サポートすることが出来なくても、産後の女性のからだや心の痛み、言葉にしないで我慢している憂鬱や焦りや孤独感を理解することで、奥様の気持ちに寄り添うこと、夫婦で育児のスタートラインに立つための『父親学級』を全国の自治体や産婦人科、助産院などで開催するのがパートナーの仕事です。

中山さんとは違って全くの素人から(笑)、夫婦でも全く異なるところからこの仕事をスタートさせてきました。」

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失敗しながら成長するのは親も会社も同じ

―――仕事をしていてよかったなと思うこと、失敗したなと思うこともぜひ教えてください。

(中山さん)
「『私なんて…』と思っているお母さんたちが変わっていく瞬間に出会えることでしょうか。

『子育て中だし、専業主婦になって10年も経ってしまった』『もう私にはなにもできない』と思っている方たちが私たちの講座に参加いただいたことで『働いてみようかな』と前に進んでくださった時には、『この仕事をしていてよかったー!』と心から思います。」

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(中山さん)
「失敗はたくさんあります。
例えば『お母さん?子育てアドバイザーなのに、今比べたよね?』と息子に指摘されることなども…(笑)。

わが子だから大丈夫、夫だから分かってもらえる、そう思っているだけで実は意思の疎通ができていないことって家族・親子でもあります。

発信しないと伝わらないんですよね。

以心伝心って言いますけれど、私は「以心“発信”伝心」だということを、日々の生活の中での失敗を通じて感じています。

(渡邊さん)
「私自身は、講師業やコンテンツを持っているわけではありません。

私が得意にしていることは『チーム作り』です。

『ままのわ』の先頭に私が立つのではなくて、スタッフが先頭です。
『ままのわを作り上げるぞ!』という思いは非常に強いですが、メインはスタッフたち。そのこと自体が私の仕事で、スタッフの笑顔が私の喜びです。

これから起業しようと思って、やり始めたけど自分には何もないなと悩んでいる方がいるかもしれません。

そんな方でも、別の方法で仕事を作るとか、切り拓いていくことはできると感じています。」

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(渡邊さん)
「失敗例は非常にたくさんあります(笑)。

得意なことはチーム作り、なんて言いましたけれど、どんな人とも相性が合うということは絶対になくて、合わないこと、去っていくこともあります。

そんな時は心から反省しますが、『じゃあ次どうしよう?』とか『今いるスタッフをどうやって笑顔にできるか?』と考えを切り替えて、失敗に対する工夫をするようにしています。」

「できる」を前提に考える!継続が信頼のカギ

―――「起業してみたい!でもどうやったらいいんだろう?」そんなヒントを探しに来てくださっている方へアドバイスをお願いします。

(中山さん)
「『できない』って決めてしまうと、思考ってストップしてしまうと思うんですね。

まず『できる』を前提に考えてみると、色々なアイデアが浮かんできます。子供がいてもどうしたら出張に行けるかな、夜の飲み会に行くにはどうしたらいいかな、とか(笑)。

考え方を変えるだけで意外と気づかなかった方法に出会えるかもしれません。
ぜひ『どうしたらできるかな?』と考える癖をつけていただきたいというのが、私からのアドバイスです。」

(渡邊さん)
「中山さんのおっしゃる通りだと思います!
まずは踏み出してみることがとにかく大事です。

何もないところからよく起業できたね、と言われることもありますが、未来には希望しかないんです。

ただ踏み出した後の継続も大事。
うまくいかないことが続いても、くじけずに継続する。

そうすることで実績ができ、信頼につながります。少しの事でもちゃんと続ける、誠実に対応していくということが、はじめの一歩の次に大事なことです。」

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起業のタイミングは「思い立った」とき。まずは進んでみよう!

―――ほかにもよく皆さんからご質問いただくのが、「起業するタイミング」について。やりたいことがある、やってみようかな?でも、今でいいのかな?って悩まれる方多いんです。いかがでしょうか?

(中山さん)
「幸運の女神には前髪しかない、これもよくお伝えする言葉です。

自分で思った時にやってみていいと思います。

そして、いくつになっても遅いということもありません。

私、子どもを授かったのも今日の登壇も、皆さんの中で一番年上だと思います。
でもこの年齢だからできることもあります。やりたい時はやってみる。どんどん踏み出してもらえればと思います。」

(渡邊さん)
「まさに私もイケイケ派なので(笑)、思い立ったときが吉日。

準備してから…なんて思っていたら、いつまでたっても準備は整いません。
やってみて「あれ?違うな」と感じたらやり直してみる、違う形にしてみる。そっとしまうことだってアリです(笑)。

何が良くて、何が悪いのかなんて、事前には判断つかないので、とりあえず行動に移すことが大事だと思っています!」

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頼って頼られてたくさん繋がりましょう!

―――最後におふたりのようになりたいと思っている方へ、メッセージをひと言ずつお願いします!

(中山さん)
「まずやってみる。
そして、私たちのようなおせっかいなひとも結構います。

そういう方を頼っていいんです。
自分で全部やらなくていい。

どんどん頼ってくだされば、私たちはどんどん背中を押していきます。

子どもたちもお母さんが笑顔でいると、子ども自身も一歩一歩を楽しんで歩いていくようになります。みなさん一緒に頑張りましょう!」

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(渡邊さん)
「私もたくさんの方に頼って、助けられてきました。
『このご恩をどうやって返したらいいんだろう?』といつも考えてしまうほど…。

でも、その方に直接ご恩を返せなくても、違う方へつなげていくお返しの方法でも良いのかなと思っています。
そんな循環をどんどんつなげていって、その中に皆さんも入ってくれたら嬉しいです! 」

<後記>
ぐんぐんと力強く進んでいくおふたりの毎日の様子が目に浮かぶような、明るい対談でした。そして、日々の生活の中から起業のヒントを得て、大きく広げていることも新鮮な思いで聞きました。背伸びをしない誠実な活動だからこそ、周りの共感を得られるのだと思います。

思い立った時に始めよう!準備はいつまでだって整わない、というのはほんとうに頷けます。私もライターという世界に、飛び込んでしまってから泳ぐ練習をしたクチなので、反省はしますが後悔はまったくありません。思いがあふれるということそのものが起業のタイミングなのですね。

最後におふたりが口をそろえておっしゃった、「頼れるひとに頼ってください」という言葉がお腹にずん!と来ました。御恩を返せる自分、頼ってもらえる自分を目指すのも、成長の目安として大切なことかと思いました。

毎日の生活と子どもたちとの会話を大切にしようと、改めて思うひと時でした。

(写真提供)
さとうみどり/おひるねアートさとうみどり、ポーセラーツサロンピーカブー主宰
https://ameblo.jp/peekaboo-porcelarts/
NOE/NOEカメラ
https://www.instagram.com/camera_noe
(装飾協力)
Kids party &Anniversary Spica主宰 今井志保
https://ameblo.jp/spicaanniversary/entrylist.html
アニヴァーサリー・プランナープロコース卒業スタッフの皆様


麓 加誉子
麓 加誉子
麓 加誉子(ふもと かよこ) フリーライター。
市民活動団体「パトラン松戸チーム」の広報も。
興味があるのは、不登校、教育問題、ジェンダーの問題、広報、PR、ブランディング、NPO、社会課題など。
幅広い好奇心でさまざまな分野に挑戦中。
小中学生3人の子どもたちは不登校。「毎日明るくのびのびと」、をモットーに生活中。
趣味は、服作り、家具作り、ランニング、家庭菜園、編み物、読書など。