ずばり「ママ起業」をテーマにしたトークセッションが大トリを飾った~わたしらしく生きるママの学びイベント~PowerWomenFes!2019
稼がなければ活動を続けられないのか?
しかし稼ぐのは予想以上に難しいもの。
実際に起業しているママは幸せなのか?
起業やフリーランスとして活動するママの多くが自問自答する悩みに、「ママ起業」パイオニアの2人が真っ向から答えました。
<トークセッション登壇者>
(写真右)
一般社団法人日本女性起業家支援協会 代表理事
日本ママ起業家大学 学長
近藤洋子さん
Webサイト:https://j-mec.com/
(写真左)
PowerWomenプロジェクト代表
宮本直美
Webサイト:
ママもファミリーも地域もハッピー 子育て情報サイト「ともえ」
https://tomoe.life/
起業・フリーランスママのためのWebメディア
http://www.powerwomen.jp/
「ママ起業」でみんなもっと自由に働ける
(近藤さん)
「思い返すと2012年から『プチ起業』『ママ起業』の波が来たのかな、と思いますがどうですか?」
(宮本さん)
「そうですね。2011年から2012年にかけて、社会の価値観が大きく変わった感じですかね。
私はPowerWomenプロジェクトを発足し、『笑顔で働きたいママのフェスタ』というイベントを全国で開催してきました。たくさんのママに『自分らしい働き方』があるよ、ということを知ってほしくて活動を広げてきたけど、波が来たなと実感したのは2012年ですね。」
(近藤さん)
「宮本さんは『ママ起業』という分野で道を切り開いてきたパイオニア。
私が代表をしているママ起業家大学でも、価値観のパラダイムシフトが起きていることを感じます。
『お母さんってこういうもの』とか、『起業ってこういうもの』と枠にはめる価値観がガラッと変わってきている。
起業したからといって必ずしも拡大していかなくてもいい。
自分の好きなことで、自分に合ったサイズで、でも売上は継続して上げていくというのが、ひとつの働き方として定着してきていますね。」
(宮本さん)
「『ママ起業』で大事なのは、『好き』という気持ちを持ったまま事業や活動を継続すること。
売り上げや収益ももちろん大事だけれど、家族の協力や自分の心が一番大事。
大事なものを大事にしたまま継続できるのが魅力ですね。
続けられないと自分がやりたかったことも成し遂げられないのが現実。
起業して1年や2年では、やりたかったことは道半ばのはずなんです。
やりたかったことを成し遂げるためには事業や活動を続けていくことが大事。続けていくためには、自分の『好き』のエネルギーを持ち続ける必要があります。」
(近藤さん)
「『ママ起業』って、育児や家庭とのバランスがとりやすい働き方だけど、これは女性だけじゃなくて男性にも必要な働き方ですよね。
だから、最近私の中では『インディーズ起業』という言葉が生まれました。グローバル企業に対して、インディーズ起業。
熱狂的でエリア的局地的なファンを掴んでいて、地域経済を回す力になれる起業。
その分野では知らないひとはいない起業。
働くひとの子どもたちも笑顔で、家族みんな地域みんなが笑顔になれる、そういう働き方がインディーズ起業のイメージ。
これからグローバル企業と同じように広まっていくと思います。」
「ママ起業」を続けるためには「自分サイズ」を把握!
(宮本さん)
「成し遂げたいことがあって、そのためには事業や活動を続けることが大事なこと。
継続するために大事にしないといけないことや、こうしたら良いのではというアドバイスはありますか?」
(近藤さん)
「ママ起業家大学でお伝えしているのは、自分のほんとうにやりたい形や、事業や活動のサイズを見極めること。
事業は必ずしも拡大する必要はないし、従業員がいなくてもいい。
やりたい事業や活動の形やサイズを冷静に見極めなくちゃいけない。」
(宮本さん)
「形やサイズの見極めを間違えると、気づいたら『仕事を維持するために働く』ようになってしまいますよね。
ふと気づくと自分も周りも誰もハッピーじゃない、そんな状況に陥りがちですね。」
(近藤さん)
「ママ起業家大学では、最初に自分のビジネスのサイズ感を把握してもらいます。
収入はどれくらいほしいの?
週休何日ほしいの?
家事、育児、にどれくらいかかるの?
と、最初に必要時間をしっかり把握します。
その上で、欲しい金額を稼ぐために必要な時間や販売数を見積もっていきます。」
(宮本さん)
「『やりたい』という思いだけで行動してしまうと、行き詰りやすくなりますよね。
私自身は体が疲れると心も疲れてしまうのかなと感じているので、これからママ起業しようと思っている方、既に行動している方には睡眠をしっかり取ってほしいです。」
(近藤さん)
「宮本さん、寝るのすっごく早いですもんね(笑)」
(宮本さん)
「9時か10時には寝ちゃうので(笑)。その時間までにできる範囲の働き方を選びました。」
(近藤さん)
「起業というとドキュメンタリー番組に取り上げられるような大きなサイズのイメージが強いけれど、自分に合ったサイズ感を大事に起業することだってできる。
このPowerWomenFes!に来ている女性たちのリアルな働き方を見ると、自分にもできると思える、そんな人が増えるんじゃないかな。」
(宮本さん)
「『ママ起業』という働き方にだって当然悩みはあるけれど、自分も家族も周りもハッピーにできる働き方だと思います。
出産のたびに鬱になるお母さんが増えるなんて悲しいこと。
ママでも自分らしく社会と関わることができる、その働き方をもっと広げていきたい。」
「ママ起業」は幸せに通じる!理由は「自走感」
(近藤さん)
「去年ママ起業家大学のイベントに来てくださった、慶應義塾大学の前野先生※がおっしゃっていたんです。
『起業ほど幸せに通じる働き方はないんじゃないか』って。
もちろん起業に向き不向きはあると思うけど、幸せに感じる理由は「自走感」。
自分で自分の人生をハンドリングしているという感覚は、幸せに直結しているんじゃないかと、私も自信満々に言えますね。」
※慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。先端技術のエンジニアやロボットの研究者を経て、現在は幸せを科学する独自の学問領域「幸福学」を提唱している。
(宮本さん)
「『ママ起業』という働き方で何をコントロールできるって、まず『時間』ですよね。
時間を思うように使えるということは、大切にしたいものを大切にできることなんです。
『ママ起業』という働き方は、子育て真っ最中の期間だけじゃなくて、年を重ねたときにも良い働き方なんじゃないかな」
(近藤さん)
「あとは固定観念や思い込みから自由になれますね。
いろんなママがいて、いろんな働き方があることを知って、固定観念や思い込みを捨てられると、可能性が広がっていく。」
インターネットと仲良くなろう!「自分らしさ」が大事
(近藤さん)
「私たちみたいにスモールビジネスからスタートするインディーズ起業や『ママ起業』は、いかにインターネットと仲良くなって『うまく発信していくのか』が肝ですね。」
(宮本さん)
「肝ですね。ママ起業家大学でこれは押さえよう!としていることはありますか?」
(近藤さん)
「どうメディアを作って、どんな風に自分のメッセージを発信するか?と考えた時に、重要なのは『いかに自分らしいキャラでオリジナリティーを出せるか』ということ。
ハウツーだけじゃなくて、『自分らしさ』を丸ごと出せると強い。
『自分らしさ』いうオリジナリティーは大企業にはできないし、誰からも盗まれないもの。髪型や服装に一貫性を持たせるのも効果的です。
その上で、自分らしい、オリジナリティーあるコンテンツを定期的に発信するのも大事。
それに、自分らしさをさらけ出すと、『ちょっと違うな』というひとは周りからいなくなります。
自分に合うひとだけが残ってくれるから、合うひとたちと励まし合って同じ方向を向いて進んでいける。」
(宮本さん)
「さらけ出すの、大事ですね。」
(近藤さん)
「大事です!『私なんて…』とか言っている場合じゃない。
どんどん『自分らしさ』を出して、発信していきましょう!」
笑顔と「幸せな時間」の積み重ねが社会を変えていく
――最後におふたりの夢を聞かせてください。
(宮本さん)
「個人的には、可愛いおばあちゃんになりたい(笑)。これは小学校の頃から変わっていないです。
PowerWomenプロジェクトとしては、ママの笑顔を増やしていきたい。
ママが笑顔になると、前向きな心をもった子どもたちが育って、日本の経済もよくなるはずだと思います。
同じ思いを持ったひととつながって、社会を変えていけたらいいなと思っています。」
(近藤さん)
「私は『今が一番幸せ』という時間を積み重ねていけたらいいなと思っています。
最近横浜から湘南へ引っ越して環境を変えたのですが、週に2回都内で働いて、あとはオンラインで湘南から仕事をするスタイルです。
この先、湘南だけじゃなくて拠点を何ヶ所か持って、旅するように生きたいなあというのが夢です。」
――ありがとうございました!
<トークセッションに参加して>
宮本さんと近藤さんの明るくパワーあふれる語りに心地よく圧倒されて、トークセッションの30分はあっという間でした。
おふたりの語りはまさに前向きな強さと影響力のある女性=PowerWomenを体現するもので、ママ起業という生き方を実現することで社会は良い方へ変わっていっていると感じました。
恥ずかしながら、私自身もフリーランスでありながら、これまで「ママ起業」というものに、「狭い世界で完結するもの」というイメージがありました。
しかし、近藤さんの提唱した「インディーズ起業」「地域経済を回していく起業」との言葉が、自分自身を思い込みで縛っていたことに気づかせてくれました。
家庭や育児を大切にして自分サイズで働くことは「狭い働き方」などではない。
大企業にはできない経済への貢献の仕方がある。
おふたりのトークが解放したのは私自身の固定概念でした。
もっと自由に働ける、と心から前向きになれました。
継続しないとやりたかったことが成し遂げられないとおっしゃった宮本さん、思い込みを捨てると可能性が広がるとおっしゃった近藤さん。
おふたりの言葉がこの日一番の強さで胸に残り、自分の描く未来が急速に広がるのを感じてドキドキしながら帰宅を急ぎました。
(写真提供)
さとうみどり/おひるねアートさとうみどり、ポーセラーツサロンピーカブー主宰
https://ameblo.jp/peekaboo-porcelarts/
NOE/NOEカメラ
https://www.instagram.com/camera_noe
(装飾協力)
Kids party &Anniversary Spica主宰 今井志保
https://ameblo.jp/spicaanniversary/entrylist.html
アニヴァーサリー・プランナープロコース卒業スタッフの皆様
- 麓 加誉子
- 麓 加誉子(ふもと かよこ)
フリーライター。
市民活動団体「パトラン松戸チーム」の広報も。
興味があるのは、不登校、教育問題、ジェンダーの問題、広報、PR、ブランディング、NPO、社会課題など。
幅広い好奇心でさまざまな分野に挑戦中。
小中学生3人の子どもたちは不登校。「毎日明るくのびのびと」、をモットーに生活中。
趣味は、服作り、家具作り、ランニング、家庭菜園、編み物、読書など。