結婚や出産などライフスタイルが大きく変わるなかで、社会的な立場や考え方の変化も相まって「これってどうすればいいの?」という悶々とした悩みを抱えている子育て期のママ。
そんなママたちの悩みを受け止めるライフケアコンサルタント🄬のお悩み相談室。今回のご相談はこちら。
キャリアアップか妊活か、どっちのタイミングを優先すべき?
礼子さん・37歳・3歳の男の子のママ
「仕事大好き!で結婚後もバリバリ働いていたけれど、その後夫の転勤についていく形で退職。
同じタイミングで子供を授かっていたので、退職に未練はなく、出産後は専業主婦ライフを満喫していたのですが…息子ももう3歳、来年は幼稚園へ入園することもあり、そろそろ社会復帰しようかなと考え中。
資格があるので、再就職先はすぐ見つかると思っているし、幼稚園も預かりが充実しているので問題なさそう。
4年近く空いてしまったブランクを埋めてキャリアアップしたい気持ちがある一方で、息子に弟か妹をつくってあげたいという希望もある。
年齢を考えると妊活も同時進行?
でも、働きだしてすぐ妊娠って、無責任かなと迷う気持ちも。
だったらまずは出産してから再就職するべき?
だけど、身軽な今のうちに再就職して、落ち着いてから第二子を考えたほうがいい?
ただ、希望のタイミングでうまく授かることなんてできるのかな…と考え出すと、結局どっちがいいのか分からなくなってしまうんです。
30代のうちにキャリアアップもしたいし出産もしたい。優先すべきはどっちでしょうか?」
ライフケアコンサルタント🄬からのアドバイスは…
竹下小百合
プロフィール
宮城県仙台市生まれ。大学卒業後、販売業、予備校事務、大学研究室秘書、結婚相談所カウンセラーとして働く。
東日本大震災後〈笑顔で働きたいママのフェスタ〉をきっかけに、取得していた資格を活かそうと一念発起し、専業主婦から〈夫婦・パートナーカウンセラー〉として起業する。
現在は人と人、企業をつなぐコラボレーターとして地域活性化に貢献すべく活動中。
秋田発「つながる・広がる女性の笑顔」Venus Club仙台支部発足や、NPO法人ファザーリング・ジャパン東北代表理事、国際奉仕団体ライオンズクラブ332-C地区仙台結支部クラブ幹事を務めるなど幅広く活動中。
プライベートでは、夫、小学3年生の息子(通称王子)、第二子を妊娠しながら仕事に育児に楽しんでいる。
社会と女性を結び、笑顔でいっぱいにすることが夢。
▼取得資格や関連事業について
http://melife-sendai.com/plo.html
竹下)ご相談ありがとうございます。第二子を希望しながら年齢的なことも気になる…だけどキャリアアップもしたいということ。
ひとりひとりの体力やキャリア、環境は異なるので年齢がそのまま状況に直結するわけではありませんが、30歳になる前に!30代のうちに…!など、ライフイベントの節目として年齢を意識することは多々ありますよね。
一番最初にお伝えしたいこととしては、まずご主人としっかり話したほうが良いということ。
ご主人とどう話したらいいか分からない、それで私にご相談くださっているという経緯もおありかもしれませんが、子どもを授かることも育てていくことも、ママ一人ではできないことなんです。
二人目のお子さんについてこれまで積極的に取り組んだことがあるのかどうか、ご相談内容からは分かりませんが、いわゆる「二人目不妊」という言葉があるように、一人目は意識しなくても妊娠したけれど二人目は同じようには授からないということもあります。
そのような場合、年齢的や経済的なことも考慮に入れ、どこをリミットとして妊活に取り組むかということを、ご夫婦で話し合っておくことは大切です。
また、そもそもご主人は2人目のお子さんを望んでいるのか、息子さんだけで十分と思っているのかという気持ちの確認も必要ですよね。
まずは自分の「人生設計」を。
詳しくは分かりませんが、再就職に不安がない資格をお持ちとのことなので、労働人口がどんどん減っているこの時代、必要な資格や人材であるならば会社的にはウエルカムでしょう。
もちろん社会はどんどん変化していますが、結婚前の資格が活かせるという職業ならば、今から1、2年早かろうが遅かろうが大差ないのではないかと思います。
迷っているからご相談くださっていることは重々承知しつつ、まずはいったんご自身の想い描く人生設計を見つめ直してみてはいかがでしょうか?
胸のなかでモヤモヤを堂々巡りさせてもなかなか答えは出ないもの。
自分がどう思っているかさえ分からなくなるかもしれません。まずは周りに話を聞いてみることもおススメします。
私事ですが、この春出産を控えています。
9歳差の兄弟になります。
年が離れての子育ては大変だという先輩ママもいれば、子ども達の年齢が離れていたほうがラクだと言う人もいます。
本当に人それぞれですし、実際私が経験してどう感じるかはこれから分かるのですが…実体験を聞いてみることで視野が広がったり、捉え方に幅ができることもあると思うのです。
気持ちを伝えてみることの大切さ
たとえ再就職後に妊娠したとしても、出産までは猶予がありますよね。
即!辞めてください、なんて言われたらそれこそマタハラですが…準備期間はあります。
働きたいという気持ちが強いなら、第二子を考えていることをはっきり意思表示したうえで就職活動に臨んでみるのも方法です。
たとえそこで採用されなかったとしたら、最初からご縁がなかったと諦めもつくかもしれません。
もし可能なら、希望する再就職先の環境をリサーチしてみるものおススメです。
ママが多いのか、独身者が活躍する職場なのか、などなど。
礼子さんのイメージしている働き方は何でしょうか?
結婚する前と同じフルタイム正社員で、というイメージを強く持っているようであれば、ワークスタイルの選択肢を広げてみると可能性も広がるかもしれません。
例えば勤務先の情報を教えてくれる人材派遣会社も多くあります。
勤務先の環境を見極めるためにも、派遣社員として社会復帰の一歩を踏み出すという選択肢も検討に入れてみてはいかがでしょうか?
専業主婦から一転フルタイムで復職するよりも、少しずつ段階を経ていくことで、ご自身の体力やスキルはもちろんのこと、お子さんやご主人も礼子さんが働くという変化を柔軟に受け入れることができるのではないでしょうか。
0か100か、ではなく、間を取るという方法もありますよ。
責任を取ると裁量も増える。自分で見つける新しい働き方も。
以前とある女性活躍連携会議に登壇してもらった働くママの事例を紹介しますね。
第二子出産後、産後2か月で復帰したほどお仕事が大好きな方。
ただ出社ではなくテレワークで週1、2回の在宅勤務からスタートしたそうです。
その後2か月ほどしてから週1、2回の出勤を加え、少しずつ勤務時間を増やし、出産から1年後満を持してフルタイム勤務に戻したとのこと。
もともとテレワークや時短勤務の制度が整っていた職場ではなく、ロールモデル的な先輩うママも居ないなかで、一人目の育休復帰を経験したからこそ「次回の育休復帰は前回と同じようにはいかないはず」という危機感や不安があったそう。
それを周囲に伝えたところ「まずはテレワークや時短に挑戦してみたら?やってみてダメなら変えてみたら?あなたに任せるよ」と勧められた結果の選択肢だったとのことです。
一見恵まれた職場環境という捉え方もできますが、任せるよというのは『何かあったとき責任もとる』とイコールでもあります。
結果的に彼女は、自分の働きやすい環境で復帰することができたと振り返りますが、その裏には会社にとって必要とされる人間になろうという努力があったことも事実です。
ラクな方法としてテレワークや時短勤務をチョイスしたのではなく、自分の出来うる方法として選択してきたのです。
働くママにやさしい制度も増えていますし、社会が変化するのは喜ばしいことでもありますが、与えられた制度の恩恵を受けるのが当然、やってもらって当たり前という意識でいると周りがどんなジャッジを下すかは…分かりますよね。
会社にも社会にも必要とされる人間であろうとすること、その気持ちを忘れずに貢献する努力と意識があれば、再就職後第二子ができたとしても、礼子さんの行動や態度を見て、周囲が相応な判断をすることと思います。
派遣社員という選択肢もお伝えしましたが、フルタイム正社員だけではなく、様々なワークスタイルが広がっています。
制度が用意されている職場もあれば、妊娠出産以外にも介護や地域活動など、様々なライフスタイルに合わせた働き方がこれから生み出されることも期待されているのが今の時代です。
もちろんご夫婦で話し合った結果、妊活に専念し専業主婦を続けるというのも選択肢のひとつ。
ただゆくゆくのキャリアアップを望むのであれば、叶うならしかるべき環境に身を置いてみるというのはとても意義あることだと思います。
子育て経験も素晴らしいものですが、児童センターや公園、テレビやSNSのなかに礼子さんの望むキャリアアップのチャンスが無いのであれば、幼稚園入園を機に再チャレンジの道を探るのも十分ありだと背中を押したいです。
どちらかを選ぶ、ではなく、礼子さん次第でどちらも叶えられる選択肢が見えてくるかもしれません。まずはご夫婦でのお話合いからしてみてくださいね。
- ともえ編集部