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女性はちゃんと知っておきたい子宮頸がん。その原因と発症の過程、検診の受け方

居住区の自治体から子宮頸がん検診クーポンが届いた経験はありますか?

厚生労働省の「がん検診推進事業」では、がん検診受診率の向上及びがんの早期発見を促すために、各年齢対象にがん検診受診無料クーポンを送付しています。

平成24年度の事業の対象者として、子宮頸がん検診受診の対象者は平成23年度に20歳、25歳、30歳、35歳、40歳になった女性です。

この受診推進年齢を見てお気づきかと思いますが、子宮頸がんの罹患年齢は近年、20代から30代が圧倒的に多くなってきています。
これが子宮頸がん検診受診無料クーポンの対象者が若年層である理由になっています。

子宮頸がんとは何でしょうか?

子宮内部ではなく、子宮の入口に出来るがんのことを「子宮頸がん」と言います。

原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)です。
性交渉などでこのHPVに感染してからがん化するまでに、一般的には5~10年以上かかると言われています。

性交渉経験がある女性の多く一生のうち一度はHPVに感染しますが、HPVは自然に体内から消え失せますのでがんにはなりません。
しかしHPVがいつまでも体内に残っていると、子宮頸がんになってしまう可能性が出てくるのです。

子宮頸がんができる過程

子宮頸がんは、ある日突然大きながんがボコっとできるわけではありません。
「異形成」という細胞の変化(がんの前段階)を経て、がん化します。

子宮頸がん検診では、この「異形成」を細胞診で見つけます。
「異形成」段階では全く症状が出ない場合が多く、症状があったとしても不正出血やオリモノの変化などです。
自分では気づきにくいのです。

子宮頸がん検診、実際に何をするの?

婦人科にて問診を経て、子宮頸部をブラシなどでこすり取り、細胞を採取します。
ごく短時間で済みます。痛みもほぼありません。

おそらく乳がん検診よりもハードルが低いのではないでしょうか。

子宮頸がん検診、結果の見方

子宮頸がん検診(細胞診)の結果は「クラス分類」で行われます。
最近は「ベセスダ分類」という分類の仕方も欧米から取り入れているようですが、日本ではまだ「クラス分類」の方が一般的なので、今回は「クラス分類」を解説します。

細胞診の結果は「クラス分類」に基づき、クラス1から5までで分類されます。
以下のように分類されます。

  • クラス1、クラス2:正常
  • クラス3:怪しい、要精密検査
  • クラス4、クラス5:がんの可能性が高い、がんがある状態

このクラス分類は、決してがんの進行ステージを表すものではありませんのでご注意下さい。

結果がクラス3から5までのいずれかの場合は、主治医の指示に従い、精密検査もしくは治療が必要になるでしょう。

クラス3は「怪しい状態」です。
細胞の「異形成」が軽度であれば、そのまま経過観察もしくはクラス1や2といった正常状態に戻るかもしれません。

問題は「異形成」が高度だった場合です。
放置しておくとがん化する可能性が否定できません。多くの場合は何らかの治療をします。

この場合は本人の年齢、今後の妊娠希望の有無などを考慮して、治療の方針を決めます。

性交渉の経験がある方は、ぜひ検診を

いずれにせよ、子宮頸がんは2年に一度、もしくは毎年検診を受けることで早期発見が可能ながんです。

子宮頸がんは性活動の活発な20代から30代の若年層に多くなってきていますが、発見が遅れると子宮全摘出も免れません。それどころか命に関わってきます。

性交渉の経験が一度でもあれば、進んで検診を受けに行きましょう。

自分の子宮、そして自分の命を守るために、子宮頸がん検診はもはや当たり前の時代なのです。


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masayo
薬剤師兼フリーライター。 薬局に勤務する傍ら、web媒体で執筆活動を行っています。東洋医学の知識を活かし、「未病」の啓蒙が目標。 プライベートでは、一男一女のママ。妻、ママ、私の3つの顔をフル回転させながら、猪突猛進の毎日を送っています。 コーヒーがあれば執筆速度が3倍速になるほどのコーヒー中毒です。

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