暮らし・生活

介護のつらさを一人で抱え込まないために。介護者家族の会を活用しよう

増加する介護離職者とヤングケアラー(若年介護者)

介護離職という言葉をご存知ですか?
年間10万人以上の人が「親等の介護をすること」を理由に仕事を退職しています。

そのうちの8割以上が女性。
働き盛りの40代50代の男性の介護離職数も増加しています。
また、10代〜30代のヤングケアラー(若年介護者)も17万人以上いると言われています。

介護はいつ直面するかわからない。だからこそ、知っておきたい。
「介護」は老化だけでなく、突然の病気やケガが原因で突然、やってくるものなのです。

では、実際「介護」に直面した時はどうしたらいいのでしょうか?

これまで、

  • 一人で抱え込まず、家族と相談してください
  • そういう時こそ、自分の「大事にしたいこと」を考えて下さい
  • 専門家(病院の相談室、地域包括支援センター等)に相談してください

と、お話してきました。

同じ立場だからこそ、分かり合える「介護者家族の会」

しかし、いくら専門家に相談しても、24時間介護をしてるのは「自分」。
専門家には見えない・感じることのできない、「介護している人にしかわからない悩みや苦労」「孤独・疎外感・親や自分の将来への不安・経済的な不安」があるのも事実です。

  • 他の家族が、協力してくれない
  • 周りに、介護をしている人が少ないから、介護のことを話せない
  • 介護と仕事・進学・子育ての両立について不安がある

そんな時は、介護者家族の会に参加してみてください。

介護者家族の会とは?

介護者家族会とは、

  • 孤立
  • 将来に対する、不安
  • 経済的な不安

親や配偶者などを介護する立場の方々同士で、集い、寄り添う交流の場です。
同じ立場だからこそ、打ち明けられる安心感があります。

ひとは、共通点・共感を得られる場には安心を感じます。

  • あぁ、同じことで悩んでたのは、私ひとりじゃなかったんだ
  • ここに居る人は、私のことを受け入れ・理解してくれる
  • そっか、こういう時は、こうするといいのか

このように、家族の会に参加することで、仲間や知恵を得ることができます。
家族の会に参加し、安心を得ることで、「やってみよう」と力が湧いてきます。

「ヤングケラー」のための家族の会もあります

じゃあ、私の身近に家族の会はあるの?と思われた方。
全国の家族の会は、こちらから検索してみてください。

家族会目次 – 介護の専門家に無料相談「安心介護」
http://ansinkaigo.jp/family/

認知症の人と家族の会もあります。

公益社団法人認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/

最近では、以前ご紹介した地域の相談先である「地域包括支援センター」が認知症カフェや介護者交流会を主催していることもあります。
お近くの地域包括支援センターにお問い合わせください。

さらには、ヤングケアラーの方のサポート団体も活動を始めています。

10代〜30代だからこそ、抱える悩み(進学・就職・子育て等)もあると思います。

あなたは、「ひとり」ではありません

あなたは、決して「ひとり」ではありません。

孤独や寂しさ、ストレス・疲労・不安。
すべてをひとりで抱えようとしないでください。

必ず、サポートしてくれる人がいます。
病院の相談員さん、地域包括支援センターの職員さん、介護者家族の会の仲間のみなさん。

どこでもいいんです。
だれでもいいんです。

「不安なんです」とあなたの気持ちを誰かに伝えてください。
きっと、みなさんが力になってくださると思います。

介護は、あなたひとりで抱える・支えるものではありません。
どうか、誰かを頼って下さい。

そして、介護する方も・される方も「笑顔」で毎日を過ごしてください。


smileライフコーチ 林英奈(あやな)
smileライフコーチ 林英奈(あやな)
日本福祉大学卒業後、医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター、ケアマネジャーを経験。一児の母。2015年岐阜から神奈川へ転居。 母として、妻として、ソーシャルワーカーとして、自分自身が「笑顔」でいることが、家族やまわりの幸せであると実感。「笑顔」をキーワードとして3つの「なりたい」を応援している。