初めての介護
暮らし・生活

親の介護に直面する前に考えよう!介護でまず大切になる考え方

10月も半ばを過ぎ、秋らしくなってきました。
今年は「残暑」を感じることが少なく、急に秋になったという感じでしたね。

今回からシリーズとして「介護」について取り上げて行きたいと思います。

みなさんにとっては「介護?ってまだ先の話。親も元気だし」という感じでしょうか?

しかし、「若年性認知症」「40代・50代で脳血管疾患を患う」ということもある世の中です。
もしかしたら、結果的に「まだまだ先」の話しかもしれませんが、「その時」が来た時に慌てないためにも、「今」から心づもりをしていくことは、大切なことだと思います。

今回は、「介護が必要となった時、まず何をするか」という事についてお話させて頂きます。

もしも介護が必要になった時は

結論は「自分を大事に、一人で抱え込まず、みんなで《未来の生活》を描く」ということです。

  • ご主人や、ご兄弟に相談し、みんなで協力しあう
  • 「できないことを補う視点」から「できること、やりたいこと」に視点を変える
  • 自分の好きや楽しい、大事を見つめ直す

例えば母親(祖母)が骨折してしまったケース

例えば、ハイキングが趣味の自分の母親が骨折して車いすが必要な状態となったとします。

「やってあげなきゃ」と抱え込んでしまうパターン

一人で抱え込んでしまう、「できないからやってあげなきゃ」と思うあなたは、きっと、毎日のようにお母さんの家に行き、お母さんがしていた家事に加え、お母さんの身の回りのお世話もするでしょう。

そして、「あんなに好きだったハイキングにももう行けなくなってしまった」とできないことに目を向け、悲しみ、外に出ることすらしなくなるかもしれません。

自分の家族と、お母さんの家。二つの家事や介護、育児に心身共に疲労がたまり、「いつまで続くのかしら」と先に不安を感じるでしょう。

みんなで協力して自分も大切にするパターン

もし、自分を大事に、みんなで協力して「未来の生活」を描けているあなただとしたら、兄弟・家族と役割分担をしたり、介護保険のサービスを利用しながら、自分の心身共に無理のないよう、お母さんの生活をサポートすることができるでしょう。

そして、「気分転換に、車いすで外を散歩してみようか」と今できることに目を向け、お母さんと一緒に外の空気を楽しめるでしょう。

「いつかまたお出かけできるかもしれないね」と、未来を描くことができるでしょう。

どちらがお母さんにとって幸せでしょうか?
どちらがあなたにとって、幸せでしょうか?

「何を大事にしたいのか」をまず考えよう

日本には、「公的介護保険制度」があり、様々なサービスが提供されています。
それ以外にも、民間企業のサービス、ボランティア団体等「未来の生活」を支える方法はたくさんあります。

そして、その「未来の生活」を実現するためには、何を選択したらいいのか?どういう方法があるのか?はケアマネジャーさんを始め、多くの専門職がいます。

ですから、「どうしたらいいのか?」という方法の前に、「どんな生活が送りたいのか」「何を大事にしたいのか?」をよく考えて下さい。

そして、介護が必要な状態だけれども、その人生を歩んで行くのは「お母さん」です。
お母さんが、今どんな気持ちで、どうしたいのかを尊重することも大切ですね。

お母さんのことを「支えたい、助けたい」と思っているのは、あなただけでなく、お父さんやご主人、ご兄弟の方も一緒だと思います。
みなさんと、「何ができるのか、いつできるのか」「どんな生活を送りたいのか?」を一緒に考え、共有してください。

最後に、一番大事なことは、「あなたがあなた自身を大事にする」と言うことです。

「親の介護」という大きな節目を迎えた時こそ、「自分の大事にしているもの」「自分が生きたい人生」「自分の好きなこと」を見つめ直してみて下さい。

そうすることで、あなたの選択の基準がハッキリし、これから先の親との関わり方、介護の仕方、自分の人生が変わってきます。


smileライフコーチ 林英奈(あやな)
smileライフコーチ 林英奈(あやな)
日本福祉大学卒業後、医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター、ケアマネジャーを経験。一児の母。2015年岐阜から神奈川へ転居。 母として、妻として、ソーシャルワーカーとして、自分自身が「笑顔」でいることが、家族やまわりの幸せであると実感。「笑顔」をキーワードとして3つの「なりたい」を応援している。