イギリスのお茶の会イメージ画像
子育て・教育

イギリスでの子育てのケース。プライベート空間でリラックスできる親子向けイベントとは

なんと!開催場所が個人宅

イギリスで私が所属している、出産前後の両親をサポートするボランティア団体では、各種さまざまなイベントを開催しています。
その中の一つに「お茶の会(Coffee Morning)」というものがあります。

このイベントの一番の特徴は、開催場所がカフェなど公の場所ではなく、ボランティアの家だということ。
毎回同じ場所ではなく、ボランティアによる持ち回りで、順番が来るのは月に1回程度ですので負担は多くはありません。

まずは、メンバー登録

地域ごとにお茶の会のグループは分かれていますので、まずはメンバー登録をします。
とりまとめのボランティアから、日付や開催場所が書かれたメールが月のはじめに送られてきます。

開催日が近づくと、場所を提供するボランティアから、家の住所や特徴、駐車スペースなどの情報が書かれたメールが送られてきます。

ボランティアのすること

ボランティアがすることは、メンバーに開催日直前の案内メールを送ることと、お茶の準備。

お茶は、基本的に家で飲んでいるコーヒーや紅茶などです。
ボランティア自身が授乳中の場合も多いので、カフェインレスもあります。

負担にならない程度に、市販のクッキーなどの簡単なお茶菓子やフルーツを用意しておきます。

基本的にはそのお宅にあるおもちゃで遊びますので、参加者が集う部屋におもちゃを並べておきます。

もし、おもちゃがあまりない家でしたら、参加者からおもちゃをある程度持参してもらうなどもできますので、堅苦しく考えなくて大丈夫です。

プライベート空間でリラックス

毎回およそ10組の親子が参加します。

広い住宅事情だからできる面もありますが、構えてわざわざ片付けたという感じもなく、イギリスの方々はカジュアルで他人を家に呼ぶということを負担に感じていないようです。

個人的には定期的に人が家に来ると、家の掃除をちゃんとするという効果があるのでいいかもしれないと思っています(笑)。

一番の利点は、カフェなどの公の場ではないので、出産したばかりのママや臨月の妊婦さんもリラックスできるということです。
授乳が気軽にできますし、化粧っけがなくても、寝不足で育児がつらいと泣いてしまってもOKなのです!

自宅開催の効果は、果たして?

地元ではないところに就職して、祖父母や親戚などが身近におらず、誰かの家に行ったり遊びに来てもらったりする機会が希薄になっている家庭も最近は多いのではないでしょうか。

また、出産までは家と会社の往復で、自分の住んでいる地域に友人があまりいない、赤ちゃん連れだと自宅に集まった方が楽な場合もあるけど、知り合いがあまりおらず、なかなかできない、という場合もあるでしょう。

子供にとって誰かが自分の家に来るということは、自分が普段使っているおもちゃで別の子が遊ぶということです。
また、遊びに行くということは、お友達のおもちゃを貸してもらって遊ぶということです。

少子化で兄弟も少なく、他人が自分の家にいる機会も少なく、おもちゃの取り合いや年齢を越えて遊ぶ機会も減っている現在、私たちが生活している場を遊び場とすることで、子供がちょっとした社会性を身に着けてくれる効果も期待できるのです。

日本でも実施可能?

実はこのイベントの番外編で、カフェで開催するコーヒーグループもあります。

地元の喫茶店と提携して、子供が遊ぶスペースをお借りし、ボランティアがシートやおもちゃなどを持っていきます。

プライベートの場という利点はありませんが、カフェのおしゃれな雰囲気の中でお茶をしてママやパパが息抜きをするというのは可能です。
平日の昼間が空いているから稼働率を上げたいという喫茶店にも、メリットがあるのではないかと思います。

私が日本で子育てをしていたときは地域の子育て支援センターをよく利用していましたが、お茶をしながら他のママさんたちとお話をする場がもっとないかな、と思っていました。

自宅での開催はハードルが高く感じるかもしれませんが、既存の子育て支援グループなどを活用し、カフェやレストランなどと提携して試しにチャレンジしてみると、意外と簡単で安価にできて楽しいかもしれませんよ。


川崎 裕子
川崎 裕子
2016年9月イギリスより帰国。茨城県出身。家族はカナダ人の夫と2012年生まれの娘。ライター業のかたわら、新卒以来勤めた会社を退職し起業に向けて準備中。また、娘のインターナショナルスクールのボランティア活動に精を出している。

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