子育て・教育

「これ買って!」と泣き叫ぶ我が子が変わる、「おこづかい制」4つのポイント

あなたのお家に「買って買ってモンスターちゃん」はいませんか?

「お菓子買って!」
「ジュース! ジュース!」
「ガチャポンやりたいよー!」

お店で買い物をしていると、子どもが親に欲しいものをねだる光景に出会うことがあります。
子どもを持つまでは「親はどうしてほうっておくのかな」と思っていた人も多いかもしれません。
「買って買って」を連発する子、ガチャポン前から動こうとしない子、お菓子コーナーで泣きわめく子、ひっくり返る子。
まるでモンスターのようになってしまった我が子に困っている方へ、朗報です!

幼児期に見られるこのような困った行動は、実はおこづかい制をとると解決する場合があるのです。
まだおこづかいなんて早い……と思うかもしれませんが、低年齢でも、スムーズにおこづかい制を開始するための4つのポイントを紹介します。

1.「買って買って攻撃」はママを試す行動だった!

買い物をする子ども

そもそも子どもたちが、このような「買って買って攻撃」をするのはなぜでしょう。

幼児期はとにかく色々なものに興味を持ちます。
特にスーパーマーケットやショッピングモールには、子どもたちの好奇心をくすぐる楽しい商品がたくさん。
目の前にあるお菓子を手に入れたい、おもしろそうなガチャポンをやってみたいなどの欲求がどんどんわいてきます。
同時に、この頃の子どもたちはお金を使えばそれらを買えることにも気づきはじめます。

「買って買って攻撃」は、子どもなりに一生懸命考えた「欲しいものを手に入れるための手段」なのです。
お金を使えばものが買えることを知っていても、お財布をママが持っている以上、だまっていては何も手に入りません。
どうにかして財布のひもをゆるめさせるしかないのです。

全力で足を踏ん張ってみる、泣いて訴えてみる、暴れてママを困らせる。
子どもたちはそういった「買って買って攻撃」をすることで、どうすればママが買ってくれるのか、どの方法が通用するのかを試しているのです。

注意したいのは「○○してみたら買ってもらえた」という成功体験を与えてしまうと、それがママに通用する手段として認識されてしまうこと。
あの困った行動を繰り返す事態につながっていくのです。
あなたのお家のモンスターちゃんとの間に、心当たりはありませんか?

2.「買って買って攻撃」は、実はおこづかいの始めどきだった!

おこづかいと貯金箱

このような事態を解決するために、おこづかい制を導入する方法があります。

幼児期からのおこづかいを早すぎるように感じるママも多いかもしれませんが、

  • お買い物ごっこができる(「お店のものはお金で買える」ことが理解できている)
  • 100までの数字が数えられる

という二点ができている子なら十分始められます。

おこづかい制にすることで、子どもはママに頼らなくても欲しいものを手に入れることができます。
すると、どうやってママを説得しようかと考えていた子どもは、おこづかいをどう使うか、何を買うかという方向へ頭の使い方を変えていきます。

実際におこづかい制を導入したママからは、あんなに困っていた「買って買って攻撃」がピタッとおさまったという声もあがっています。
「ダメでもともと」という気持ちでおこづかいを始めて損はありません!

3.初めてのおこづかい。ポイントは「楽しむこと」と「見守ること」

親子の絆

おこづかい制を導入する場合に最低限決めることは

  • あげるタイミング(都度なのか月ごとなのか)
  • いくらにするか(金額)

ということ。

ご家庭の経済事情や子どもの性格、また何までおこづかいに含めるのかにもよりますが、一般的に初めてのおこづかいは月額で100円~数百円程度を目安に始めると成功しやすいでしょう。
一度に渡すと使い切ってしまう子には、毎週50円などとおこづかいの日を細かく設定するのも有効です。

大切なポイントは、ママも子どもも楽しむこと。
おこづかい制の導入で、子どもたちは、決まった金額の範囲で「自由に欲しいものを選べる楽しさ」にまず気づきます。

一つ、気をつけてほしいことがあります。
「そんなものを買ってもすぐに使わなくなるのに……」と思っても、子どもの買い物には口出しをせず見守ってほしいということです。
余計なものを買ってしまう失敗こそが、子どもたちに「よく考えてから買うこと」を気づかせるからです。

また、お金が足りなくて買えない経験をすると、子どもたちは「だったらお金を貯めてみよう」と考えるようになります。
つい口出ししたくなるママ心ではありますが、見守って、適切なアドバイスをすることで子どもたちの気づきを育てていきましょう。

口出しをぐっと我慢していると
「この子、こんなお金の使い方をするんだ(感心!)」
「実はこういうものに興味があったのね(発見!)」
とママ自身が感動する瞬間もやってきます。
見守り続けることで我が子の知らない一面に触れるのは、ママ業の楽しみでもありますね。

4.「お金がないから買えない」は×。子どもはママが思う以上に繊細!

小学生の後ろ姿

子どもの「買って買って攻撃」をかわすために、ママがつい言ってしまいがちな言葉があります。

それは、
「お金がないから買えない」
という言葉。

これは本当に要注意です!
言っている方はほんの軽い気持ちでも、子どもの記憶には深く残ります。ご両親のこのセリフを今でもよく覚えているというママ、いらっしゃるのではないでしょうか。

あるママの経験談を紹介します。
そのママは、小さい頃から親御さんに「お金がない」という言葉をかけられていました。やがて進学先を選ぶ年頃になったときに、教育費がかかることに罪悪感を感じて志望校を言い出せませんでした。
さらに残念なことには、後で、実は親御さんは教育費の多少ではなく、本人が行きたいと思う学校にこそ進ませたいと考えていたことがわかったのです。
子どもなりの気づかいと親心の間にすれ違いがあったのですね。

このように、子どもはママが思っている以上に家族のことを思い、繊細に気を使っています。
「お金がないから」「お財布が空っぽだから」と理由づけして、一時的にその場を収めることは可能かもしれません。ですがそれを繰り返してはいけません。

その代わりに「この金額までなら自由に使っていいよ」とおこづかいの範囲を明確にし、子どもに任せてみましょう。
かけた金額は結果として同じなのに、子どもたち自身が自らお金の大切さや計画性の大切さを身を持って学んでいくことができるのです。
子どもたちの「買って買って攻撃」を、親子で金銭教育をスタートさせるチャンスに変えてみましょう!


横山 沙織
横山 沙織
ファイナンシャルプランナー(2級FP技能士・AFP)。おこづかいセミナー講師。子供金銭教育をテーマに活動する団体「FPmama Friends」に所属し、親子で学ぶおこづかい教室を開催しています。双子の娘+男の子の3児子育て中のママです。趣味は温泉巡りとベランダ菜園です。