料理・グルメ

災害時やいざというときに役立つ!「サバメシ」体験レポート

「サバメシ」は鯖ご飯ではありません!!

サバメシ

皆さん、「サバメシ」って知っていますか?
「鯖のご飯…?」と考えてしまうかもしれませんが、実はこれ、「サバイバル・メシタキ」の略なのです。

災害時など、いざというときに「身近な物を代用して炊飯できる技術」として、国際サバメシ研究会より紹介されました。

具体的にはアルミ缶を2つ使い、牛乳パック3本を燃料に一合の米を炊く方法です。
先日、地域のレクリエーションで子供達と一緒に、この「サバメシ」を体験する機会がありました。

今回はこの「サバメシ」のやり方を紹介すると共に、実際に体験をしてみた様子や感想をレポートします!

いざ!「サバメシ」に挑戦!

材料として用意するもの

  • アルミ缶(350ml)2個
  • 牛乳パック3本
  • 米1合
  • アルミ箔

使用する道具

  • はさみ(カッターもあれば便利)
  • 缶切り
  • 軍手(強い火が出るので必ず着用)
  • ライターなど火を点けるもの

1.燃料となる牛乳パックの準備

はじめに、燃料となる牛乳パックを切っていきます。
まずは牛乳パックを開き、底の部分を切り落とします。

側面の部分を線に沿って4つに切り離します。
そこからさらに、1cm幅の短冊に切っていきます。

幅が広すぎるとコンロの投入口に入らず、幅が狭すぎると燃料が早く燃えてしまうので大きさに気を付けましょう。
サバメシ_牛乳パック

2.アルミ缶で釜とコンロを作成!

次に、缶切りでアルミ缶の上部を切り落とします。
このうち1つは米を炊く釜にします。

もう1つでコンロを作ります。

サバメシ_コンロ

アルミ缶1つを使って、サバメシ用コンロを作ります。

アルミ缶の側面上部に、横3cm×縦1.5cmの小窓を空けます。
向かい合う位置に2か所空けるようにします。

このとき、1辺を切り落とさずに内側に折り曲げるようにすると、切れ端がゴミになりません。

サバメシ_アルミ缶

同じ要領で、アルミ缶の側面下部にも小窓を空けます。上部の窓に対して90度ずらした位置になるようにします。
サバメシ_アルミ缶

※初めてのときは、国際サバメシ研究会のHPから型紙をダウンロードして使用すると簡単です

サバメシ_型紙

4.炊飯の準備!

米1合を釜用のアルミ缶に入れ、洗います。
(いざというときは、水を節約して洗わずに炊くことになります。)

炊飯の水の量は、米の表面に中指を立て、第2関節まで水を入れると覚えましょう。
サバメシ_炊飯

アルミ箔で密着するようにしっかり蓋をし、準備完了です。
サバメシ_炊飯

ここから外に移動し、炊き上げます。強い火が出ますので周りの安全をよく確かめてくださいね。

5.コンロと釜を重ねて着火作業

風のない水平な場所にコンロを置き、コンロの上に釜用のアルミ缶を重ねます。

燃料となる牛乳パック片を数枚コンロに入れて着火します。
このとき、必ず軍手をしましょう。

そこから火を絶やさないように、牛乳パック片を小窓から1本ずつ追加します。
(まとめて入れると炊き上がる前に燃料が無くなったり、不完全燃焼で大量の煙が発生したりします。)

この作業が、結構忙しかったです。
数秒に1本のペースでどんどん追加していきます。
サバメシ_着火

※火が消えかけたときは、下の小窓を手で仰いで空気を送ります。

※燃料を投入する際、誤って缶を倒さないように気を付けましょう。
缶は米の入った上の段の方が重いので、バランスが悪く軽い力でも倒れやすいです。

約25分で炊飯完了!

サバメシ_炊き上がり

ちょうど牛乳パック3本分の燃料を使い切る頃が炊き上がりになります。
釜のアルミ缶はとても熱いので、コンロから降ろすとき、中のご飯を出すときにはやけどに注意してください。

このように、きれいにご飯が炊きあがりました。
おこげもあり、美味しい!

ご飯は少しだけ固めでしたが、気になるほどではありません。予想以上に、まともな白飯が炊き上がりました。

使用済のコンロの方は、真っ黒です。
サバメシ_使用済みコンロ

「サバメシ」体験を振り返って

指をさす女性

「サバメシ」を体験し、「アルミ缶があればとりあえずご飯が炊けること」を身をもって知ることができ、最終手段を得た気持ちになれました。

災害時でも、「とりあえず何とかなる」と思えることは、落ち着いた行動につながると思います。

国際サバメシ研究会のHPでは、サバメシの真の目的は「災害時、知恵と工夫で生き残れという精神」「家庭の防災を見直すきっかけとなること」「知識はツールにすぎず、学習の本質は体験にある」という3つの考えにあると述べられています。

体験を通して、工夫すれば何とかなると感じられたことはとても良い経験でした。

実際に炊いてみて感じたのは、火の調整の難しさです。
小窓から火が出るほどの強火だったので「少し様子を見よう」と思うと、数秒後には火が消えてしまっていたり。

火を何度も再点火しながら25分炊き上げました。
今回はライターを使ったので何度も火を点け直せましたが、緊急時を思えば最初に点けた火を絶やさず、最後まで炊き上げたいところでした。

また炊飯中は火のそばを離れられず、とても暑かったです。
汗が吹き出すぐらい過酷な暑さだということも、やってみなければ分からないことだったと思います。

一方、子供達はレクリエーションの一環として「サバメシ」体験をすごく楽しんだようでした!

蓋を開けて、つやつやのご飯を見た時にはみんな歓声を上げていましたし、炊飯器より美味しいと、勢いよく食べている子も見られました。
我が子も「楽しかった、またやってみたい」と言っています。

楽しく、いざというときに役に立つ「サバメシ」。
家族でキャンプやBBQにお出かけするときを利用して、皆さんも一度挑戦されてみてはいかがでしょうか。

お問い合わせ

国際サバメシ研究会
sabameshi@sabameshi.com

横山 沙織
横山 沙織
ファイナンシャルプランナー(2級FP技能士・AFP)。おこづかいセミナー講師。子供金銭教育をテーマに活動する団体「FPmama Friends」に所属し、親子で学ぶおこづかい教室を開催しています。双子の娘+男の子の3児子育て中のママです。趣味は温泉巡りとベランダ菜園です。