言葉を覚えたり、登場人物になりきって想像の世界を冒険したり、喜怒哀楽を共感したり…絵本には子どもの成長にメリットがたくさんあります。
そんな絵本の中の世界が目の前に現れたら…?
『さわってつくってたべる絵本』、通称『たべほん』は絵本の登場人物になって親子で和菓子を作って食べることができる体験型絵本。
わが子と体験した様子をレポートします。
『たべほん』はこんな内容
『さわってつくってたべる絵本』は、食いしん坊のお姫様のために、ごぜんばん(御膳番=君主の食事のことを担当する役目)が奔走するストーリー。
ももいろで甘くて美しいものが食べたいというお姫様に、一体何を作ったらいいのだろう…
読み進めると『ねりきり』の作り方が登場します。
絵本とセットになっている材料を使って、登場人物になりきって、お姫様のために『ねりきり』づくりにチャレンジします。
さて、お姫様の反応は…?
『たべほん』はこんなパパ・ママにおススメ!
- 子どもと何か新しい体験をしてみたい!(だけどお出かけする時間が無い…)
- 読み聞かせが良いのは分かっているけど、ちょっと気が乗らない…(ママも眠い…)
- 親子でお菓子作りを楽しみたいけど、準備がおっくう…
- 東京オリンピックも迫っているし、日本文化のすばらしさをわが子に教えてあげたい
絵本のなかの和菓子作りにチャレンジ!
わが家では娘(9歳)息子(5歳)と、偶然遊びに来ていたばあば(60代)の3人でねりきり作りにチャレンジしました。
前日に絵本を読み「どんな味かな~早く作ってみたい!」とワクワクしっぱなしの子どもたち。
クール便で届いた箱の中には絵本と練りきりの材料(あんこ)がセットされています。
すぐに作らない場合は冷凍庫で保管もOK。
まずは見習いレベルの『葉っぱ』からスタート。
粘土遊びと同じと分かると突然張り切りだす5歳児。
豪快な弟とは違い、慎重派の娘。白いあんこをていねいに伸ばし、ピンクのあんこを優しく包んでいきます。
生地を潰しながら伸ばすと、ピンク色がふわっと透ける色味になりました。
ねりきりのやわらかい色合いは色の異なるあんこを重ねることで、内側から自然な色味が生まれていることに感動!
付属の爪楊枝で葉っぱの筋を描き…完成! ほかにも『さくら』『あやめ』『菊』『バラ』も作りました。
最高難易度の『バラ』はばあばの力も借りて…。
▲5種類のねりきりが完成!
(取材用に材料をいただいたので、絵本のレシピをすべて作ってみました。通常の絵本には2つ分のねりきりの材料がセットされています。近々追い練り切りのセットも販売予定です。)
あんこを触るのは初めての子どもたち。
包んだりのばしたりする際はやさしく扱わないと、ボロボロと割れてしまうところが注意が必要でした。
少しだけ難しいポイントはパパやママの出番。
一緒に楽しめる良さがありました。
一方で火や包丁などを使わないので、やんちゃな男子でも「危ない!」と心配して手を出す必要が無く、ゆっくり見守ることができました。
親子でついつい時間を忘れて没頭してしまいました。
創業300年の和菓子の味を後世に伝えたい
ねりきりがどんな形になっても味は保証付き!なぜなら江戸時代から300年続く三重県の和菓子屋大徳屋長久さんのあんこだから確実に美味しいんです。
なぜ老舗の和菓子屋さんがこのような絵本を作ったのでしょうか?
「和菓子は千年以上の歴史を持つ日本の伝統的なお菓子で、各地方でそれぞれ銘菓となって様々な和菓子が時代を超えて受け継がれてきました。
私も受け継いだバトンを後世に繋ぐべく日々和菓子作りに精を出しておりますが、人口減少やお客様の高齢化、様々な洋菓子や甘いものが普及し、和菓子は遠い存在になってしまいました。
このままでは、和菓子自体がどんどんと衰退していくのではと危機感を抱き、どうやったら和菓子を子どもたちに楽しんでもらえるか、日常生活の中で触れる機会をつくりたいと考え、インスタグラマーつむぱぱ(@tsumugitopan)さんにご協力頂き、『さわってつくってたべる絵本』を創りました。
『さわって つくって たべる絵本』が忙しく過ごすお父さんお母さんと子どもの新たなコミュニケーションのきっかけになればいいなと思っています。
絵本を読んで一緒に和菓子を作るという何気ない時間が、子どもにとってかけがえのない時間になることを願っています。」
(小原木本舗 大徳屋長久 16代店主・竹口久嗣さん)
▲三重県鈴鹿市に本店を構える創業享保元年・小原木本舗 大徳屋長久
日本文化を美味しく学ぶチャンス
今回『たべほん』をきっかけに「あんこって何からできてるの?」「あやめってどんな花?いつ頃咲くの?」「昔の人は何を食べていたの?」「300年前って何時代?」と子どもたちと会話が広がりました。
私自身もねりきりを作る工程を見ながら、手のひらサイズの和菓子に四季の美しさを詰め込む和菓子の世界観や、あんこを重ねることで隠れた色味を創り出したり、爪楊枝一本で様々な模様を作る丁寧な手作業に日本文化の奥深さを感じました。
「ほかのねりきりも食べてみたい」というリクエストもあったので、四季を現したねりきりを探してみたり、上白糖や白玉粉などの生地からもねりきり作りを楽しんでみたりしてみたいと思います。
(お姫様が住んでいたお城を見てみたい!ということで、夏休み中にお城見学にも行きました!)
「食」と「文化」が深くつながっていることを再確認。
ねりきりひとつから日本の文化について子どもたちと話すきっかけができました。答えられないことがたくさんあったので、私ももっと勉強せねば!
美しくおいしい和菓子をきっかけに、日本の文化や四季折々の植物や風物詩に向き合う時間を持つことも、なかなか良いものだと実感しました。
ねりきりが広げてくれる和の世界、まだまだ奥が深そうです。
注文は『たべほん』公式サイトから
コンパクトでカワイイ絵本はプレゼントにもピッタリ
https://tabehon.jp/
レシピ動画も公開中
問い合せ先:株式会社wacle
https://wacle.co.jp/corporate/
- 渡邉 加奈子
- 娘が2歳のときPowerWomenプロジェクト在宅スタッフ登録をし、アンケート入力や事務局代行などを行う。その後【笑顔で働きたいママのフェスタ】イベント本部のスタッフとして、パートタイム勤務を経て正社員に。第2子の産休育休を経て現在は短時間正社員となる。ふたりの子供たちに挟まれて寝るのが何よりの幸せ。育児がひと段落したら趣味の切り絵と三味線を再開するのが夢。
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