ママのおなやみ相談室
暮らし・生活

ママのお悩み相談室~子供を理由に仕事を休むのってどうなの?~

立場が変われば考え方も変わる。結婚し〈妻〉や〈嫁〉としての立場が加わり、出産すると〈母親〉としての役割も生まれる。

仕事が中心だった生活から、地域で子育ての人間関係が広がっていく…そんな中直面する問題に『これってどうすればいいの?』と、はっきりとした答えが出せず、悶々とした悩みを抱えている子育て期のママたちの悩みを受け止めるライフケアコンサルタント🄬。

今回、お悩み相談室に寄せられたご相談とは…?

会社を休みにくい…ママの権利じゃないの?

真奈美さん(仮名)35歳

地域密着型の広告代理店の正社員。今年の春に出産し、現在は育児休業中。私の住む地域は待機児童問題とは無縁なので、来年の4月には確実に復帰の予定。

20代半ばにチームリーダーを任され、産休に入るまで役職はつかずとも部のまとめ役としてそれなりの成果を出してきたつもり。復帰後は時短勤務になるけど、今まで以上に仕事を効率化して、限られた時間でも成果を出せるよう努力するつもり!

ただ…ちょっとしたことですぐ熱を出す息子のことが心配。4月生まれなので復職時は満1歳。

今よりはもう少し体も強くなっていてほしいなと思うけど、気温差が激しい日や遠出した翌日など、ちょっと疲れただけですぐ熱を出す息子。仕事を休まなきゃいけないこともあるのかなと思うと…不安。

以前は職場のママスタッフが子供の熱を理由に仕事を休んだときは「それって無責任じゃない?仕事するなら預け先を確保してよ」と心の中でひそかに思っていたけど、いざ自分がその立場になったら…。

双方の実家とも遠方なので、病児保育やシッターさんに頼むことになるのかな?具合が悪いのに誰かに見てもらうなんて、悪化したりしない?具合が悪い子供を置いて仕事に向かえるかな?そんなことを考えるだけでモヤモヤ…

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けど、子供は風邪をひきながら大きくなるというし、子供の熱で休むママは私だけじゃないし、休むのは当たり前でしょ?と思い直すことで不安をかき消すようにしている。

もちろん仕事に穴をあけるのは後ろめたい気持ちもあるけど、毎回謝ったりするのは何だかイヤ。

まだ復帰もしていないのに、こんなことを考えるだけで憂鬱なんです…。

ライフケアコンサルタント🄬からのアドバイスは…

ライフケアコンサルタント®
竹下小百合

プロフィール

宮城県仙台市生まれ。
大学卒業後、販売業、予備校事務、大学研究室秘書、結婚相談所カウンセラーとして働く。
東日本大震災後〈笑顔で働きたいママのフェスタ〉をきっかけに、取得していた資格を活かそうと一念発起し、専業主婦から〈夫婦・パートナーカウンセラー〉として起業する。
現在は人と人、企業をつなぐコラボレーターとして地域活性化に貢献すべく活動中。
秋田発「つながる・広がる女性の笑顔」VenusClub仙台支部発足や、ママ・女性の起業を応援する「日本ママ起業家大学」事務局長、NPOファザーリング・ジャパン東北代表理事、FMたいはく「幸せ生活向上委員会」パーソナリティを務めるなど幅広く活動中。
小学2年生の息子(通称王子)と二人暮らし。
社会と女性を結び、笑顔でいっぱいにすることが夢。
▼取得資格や関連事業について
http://melife-sendai.com/plo.html

竹下)ご相談ありがとうございます。
ご自身のお仕事に自信をもってバリバリ働いてきたこと、お話から伝わります!
復帰してまた会社に貢献したい、活躍したい、そんな前向きな気持ちも伝わってきて応援したい気持ちでいっぱいです。

一方で、お子さんのことが心配な気持ちも良く分かります。まだ復帰まで数か月あるなかで、先回りして心配が膨らんでしまうのはママとして当然のことですよね。

立場が変わると考え方も変わる、子供を持つ前と持った後で価値観の変化があるのも当然のことですよね。
子供を持ってみないと分からないことってありますよね。

どれだけ体調管理に気を遣っても熱を出すときは出す、風邪をひくときは引いてしまうもの。ママになって職場に戻る真奈美さんにぜひ心に留めておいていただきたいことをお話させていただきますね。

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ママはなんでも“先回り”

子どもが熱を出す、風邪をひくのは当たり前のこと。
そうやって免疫をつけ、体を強くしていくのです。

だからと言って『休んで当たり前』という権利主張型のママには絶対にならないでほしいなと思います。

真奈美さんは違うと思いますが、権利主張型のママに限って、子供を理由に決められたことをやらない人って意外に多いものです。権利を主張するなら、やることをしっかりやってから、ということを忘れずに。

子どものこと、家庭のこと、たくさんの役割を引き受け、いつ何があるか分からないママこそ前倒しで仕事をしていくことを肝に銘じましょう。

今日できることは今日中に、明日できることも今日やってしまうくらいの心づもりで。1週間単位の仕事なら木曜には終わらせておく、1日余裕を作っておく、そんなスケジューリングができると不測の事態が起こってもリカバリーできますよね。

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信頼を失うと回復するまでに時間も労力もかかります。
会社があるからこそ仕事ができて、お金をいただけていること。

仕事を取ってくる営業チームがいて、給与計算してくれる担当者もいる。
自分一人で会社回っているわけではないことを考えると、権利ばかりを主張している場合ではないということを頭だけではなく心の底から理解できるのではないでしょうか。

たとえ子供の体調不良で休むことがあっても「ここまで終わらせてあります」と状況をしっかり共有したり「出社はできないけど、自宅でこれを対応しておきます」など自分のできることを提案したりできれば、大きな穴にはならないのではないでしょうか。

よく“ママ社員の時間管理能力は素晴らしい”メディアで取り上げられることがありますが、不測の事態に備え大きな穴を空けないための予防を普段からしておく、そんなママの日々の努力のたまものではないでしょうか。

子どもが生まれる前と後、きっと時間管理の方法って大きく変わりましたよね。

予測できない、思い通りにならない赤ちゃんとの生活のなかで、家事や予防接種など決められたタスクをいかにこなすか…育休中に自分がどれだけレベルアップしたか、意外とママ自身が気づいていないこともあります。

休むのは権利でもありますが、休んだ後のフォローや周りへの気遣いも忘れずに。

自分で決めちゃいけない

休むのは当たり前?心苦しい?

どちらにせよ、そう思っていることをぜひ上司や周りの人に共有してみてください。

黙って休むのではなく「申し訳ない」その気持ちをしっかり伝えてみてください。

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私の話になりますが、息子が1歳すぎにフルタイムで勤めていたときのことです。

3日休んでは保育園に登園し、やっと出社できたと思ったらまた体調を崩して休み、と笑ってしまうくらい出社することができませんでした。

近くに住む実家の母にお願いする日もありましたが、息子が「ママじゃないとダメ!」でまた欠勤、の繰り返し。

お子さんがいない方が多い職場で「誰も私の辛さを分かってくれない!」なんて思っていましたが、心苦しいということを上司に伝えてみました。

上司からは「今だけだよ。頑張って」と意外な回答が。中学生のお子さんがいる先輩ママ、そんな存在でもある上司からのひと言に救われたことを今でも覚えています。

息子も小学生になった今では多少具合が悪くても「僕寝ているから、ママはお仕事行ってきなよ~」なんて送り出してくれたりもして、ひえピタを貼って抱っこしてあげられたのは本当に一時だったなと改めて感じます。

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今では頼もしくなってきた息子に助けられることも…!

真奈美さんの上司や同僚の方がどんな受け止め方をするかまでは分かりませんが、少なくとも真奈美さんが日々しっかりお仕事をされ、申し訳ない気持ちを伝えたうえでやむを得ず欠勤するときに、厳しい視線や言葉を向ける人は…いるでしょうか?

もちろん様々な職場の事情があったり、色々な価値観を持つ人がいるのも事実で、毎回毎回快く「休んでOK」ということばかりではないかもしれません。

ただ真奈美さんはチームリーダーも務めるほどの立場とのこと。

周りにママとして頑張るスタッフさんもいるのであれば、「子供の熱は仕方ないよね」と理解を示したり、いつでも話を聞くよ、できるときはフォローするよというスタンスを周囲に見せていくこともきっと大切なこと。

環境を変えていける立場にいるのではないでしょうか。

ママだから転職できない時代ではない

そうは言っても様々な考えの方がいる場合もありますし、仕事の内容も様々。

限られた人数の職場で、ひとり抜けるとしわ寄せが生じることもあるでしょう。

インフルエンザで1週間休んだあとにおたふくかぜでもう1週間、やっと出社したらママ自身がインフルエンザにかかってもう1週間…月の半分もまともに出社できないことがある、そんな笑ってしまうほどの経験をしたというエピソードは珍しいものではありません。

職場が気にしないで、大丈夫だよ、と言ってくれても、ママ側の気持ちが折れてしまうことだってあります。

カバーしあってこそチーム、な~んて美談で、実際はそうでない職場だってあります。

仕事を前倒しして行い、周りへの影響を最小限にすべく努力しても、それでも度々休むことで不均衡が生じたり、辛い事態になったりしたら…職場を変えるというのもひとつの選択肢ではないかと私は思います。

必ずしも正社員で、この企業にいることが自分にとって幸せか?
自分らしい働き方ってなんだろう?

多様なワークスタイルが存在し、選択できる時代になりました。ママだから転職できない、という時代でもありません。

選択肢がたくさんあるからこそ『相談する』ことで見えてくる答えもあるかもしれません。ぜひ私たちのような存在を活用してほしいなと思います。

会社を変えるだけではなく、小さな働き方、在宅勤務、起業などなど、多くの選択肢があります。

「今だけだよ~子供が大きくなったら思いっきり働けるよ」そんなアドバイスが気休めにもならないことだって実際ありますよね。

今だけと割り切る、これが一番難しいことでもあります。

子供が熱を出すという事実は変えられませんが、変えられることに目を向けるのも心の隅に覚えておいていただきたいです。

子供が熱を出すという事実は変えられない

ママはいくつもセーフティーネットを用意しておきますよう。

きには家事を忘れ仕事に集中するために掃除や料理をサポートしてくれる代行サービスを活用したり、自宅で子供を見てくれるシッターさんを派遣してもらったり、「困った」を解消してくれるサービスの情報収集も育休中にしておけるといいですね。

サービスにどっぷり頼るのではなく用いること、ママが笑顔で過ごせる方法を探してみてください。

~ライフケアコンサルタントからのメッセージ

私自身はフリーランスとして講師業や相談業務をメインに個人で仕事をしています。代わりがきかないので、仕事がうまくいくには家族と自分の健康が一番です。

そうは言っても体調を崩したり、風邪をひいたりはしてしまうもの。そんな時はとにかく早め早めに対処するようにしています。

  • これくらい大丈夫?と思わず、早めに受診する
  • 小児科が休診日だったり混んでいることも。かかりつけ医以外にも熱の時はここ、鼻かぜだったらここ、混んでいたらこっち、と何パターンか用意しています
  • 自宅だけでなく、子供を預かってもらうことの多い実家にも常備薬を置いておく
  • 私自身のテーマは『未病』 体を動かすことも仕事のうちと思い、好きな時間に行けるフィットネスクラブに通ったり、早め早めのメンテナンスを心がけています。
ママのおなやみ相談室

冷えピタ、マスク、抱っこ…も今では良い思い出に。


ともえ編集部
ともえ編集部