介護保険サービスの自己負担額
介護保険サービスの自己負担額は、1割(一定の所得のある方は2割)となります。
では、その自己負担額ってどうやって決まるのでしょうか?
気になりますよね。
介護保険は、三年に一度見直しがされていて、「介護報酬」といって介護サービスによって国が一律で「単位」を決めています。
「へえ……、単位。。。って、なに?」
介護保険は、各サービスに報酬単価表というものを設定して、その単位に単価を掛けた数字が実際にかかる介護費用になります。
なんでそんな遠回りなことを…って、思いますよね?
実は、利用する地域やサービスによって、料金が変わるんです。
東京都のような大都市と、過疎化した地域と、物価など事情はいろいろあるようですが、基本、これは自治単位で単価設定を決められるということです。
1単位を10円で換算している例が多いですが、東京都を例にしてみますと訪問介護を利用する場合は、1単位11.4円です。
「なんだ…1.4円ぐらいの差か…」
いえいえ、侮ることなかれ。
この介護報酬の単位、在宅で要介護1とされた方が、一か月利用できる上限の介護サービスが16,692単位。
10円の地域は、166,920円の1割が自己負担なので、16,692円。
11.4円の地域は、190,288円の1割負担なので、19,028円。
同じ報酬単位でも地域によって、2,336円の差が生じることになります。
年間(12ヶ月)にしてみると、その差額は28,032円。
介護保険制度をしっかり理解しながら「どこで介護サービスを受けるか」ということにも注目して、自治体の取り組み(費用面なのか、サービス内容なのか等)を見て比べるのもいいかもですね。
また、「住み慣れた今の場所で老後を」と考えている方は、自分の住む場所がどの設定になっているかを確認してみてはいかがでしょうか。
介護サービスの限度額などは、「介護報酬単価表」や「介護報酬地域別換算率」などのキーワードで検索して、最新の情報をチェックすることが必要です。
そして、「どんな備えが必要か」をしっかり対策するといいでしょう。
ちなみに、介護報酬の見直しが2015年にありましたので、2015年版を探すことをお勧めします。
介護サービス、自己負担1割以外に何がかかるの?
先ほどから、介護サービスの限度額って、サラッとお伝えしましたが。
限度額を超えると、どうなるんだろうって思いませんか?
答えは簡単。
限度額を超えた介護サービス費用は、全額自己負担になります……(涙)。
しかし、高額介護サービス費という、医療の高額療養費制度に相当する制度で支給を受けられる場合がありますので、限度額を超えたサービスになってしまった場合は、各行政担当窓口で相談してみてください。
注意をしなければならないのが、食費や居住費、おむつ代などはその費用対象にはならないことです。
(食費、居住費は、軽減措置の場合があります)
介護保険制度は、1割負担といっても、生活が楽になるというわけではなく、加齢に伴って必要になったサービスの負担が大きくならないようにするための制度なんですね。
なので実際は、介護サービスが必要な状態にならないための健康を保つ…ということが必要になってきます。
- 大濵 育恵
- 株式会社健幸プラス 代表取締役。 看護大学卒業後大学病院で看護師として周産期医療に携わる。結婚、出産後は、地域の保健師、介護保険施設等で勤務を経験。地域と地域医療をつなぐ仕組みが必要と、2014年に地域と地域医療をつなぐ会社【株式会社健幸プラス】を設立。主に高齢者の方がメインの配食サービスの事業(健幸弁当DELI)で地域・医療・介護・福祉の連携を中心に、菜園の企画運営(健幸菜園)を行っている三児(10歳、4歳、0歳)の母。