子どもの個性を活かしてあげたい!
子育てしながらわが子の『個性』を大切にしたい…と思うものの、そもそも「個性」って何だろう、と考えたことはありませんか?
宿題をしない子どもへの声掛けで悩んでいるという『ともえ』が、読者を代表してお話を伺ってきました。
「勉強したの?」「早く片付けなさい!」一方的になりがちな子どもへの声掛けを改善したいと考えている方のヒントが見つかれば幸いです。
お話を聞かせてくれた先生はこちら
サロンHP https://bi-arika.com/
英語サークルブログ https://ameblo.jp/nishitokyo-kosodate/
<プロフィール>
・親子英語サークル「親子で楽しいENGLISH」主宰。
・東京都西東京市で、エニアグラムとリラクゼーションエステを融合したコンセプトのプライベイトサロンを開業。
ほかにも大人向け人間心理学のワークや、親子コミュ二ケーション、子どもの個性を活かす教育にも力を入れ活動中。10代の子ども向けエニアグラム心理学事業も立ち上げ予定。
※2021年2月19日にオンライン開催した【人間心理学でモチベーションをあげる!プライベイト英語教室のママ先生が実践する、個性を活かす家庭学習声掛けのコツ(幼稚園~小学生&タブレット教材編)】の内容を元にレポートします。
はじめまして!
「個性を活かす声掛けのコツ」というタイトルに惹かれました!
実は…娘が今年から通い始めた習い事の宿題を全然やらなくて、いろんな声掛けを試してみたのですが結局「宿題しなさ~い!」と怒鳴る日々なんです…。
はじめまして!お子さんの個性を活かしたい、と考えてくれていること、とても嬉しいです。
でも先生…、個性を大事したいと思っているけど、うちの子の「個性」って何でしょう?
娘はせっかちな私と違いおっとりした性格で、忘れ物点検なども怠らないしっかり者。
息子はやんちゃで元気いっぱい!人の話をあまり聞かないわが道を行くタイプかな…と。
二人とも私のお腹から出て来たとは思えないくらい性格が真逆なんです。
今、お子さんたちの「性格」について教えてくれたけど、実は「性格」と「個性」って別ものです。
「個性」とは持って生まれた資質、一生変わらないもの。
一方「性格」は後から作られていくもので、環境で変わっていくこともあります。
学生時代は引っ込み思案だったけど、仕事をするようになったらズバズバ意見を言うようになった。
付き合う前は物静かだったのに結婚したらあれこれうるさくなったり(笑)「性格変わったね~」という経験、ないですか?
それ私のことですか(笑)分かります!あります!
実は「性格」って外から見て分かりやすい特徴的な部分を何かしらに当てはめているものなのよ。
例えば「やんちゃ」な息子さんにも、元気が無い時や静かに過ごしていることもあるでしょう。
「おっとり」している娘さんも慌てたり、騒いだりすることもあるでしょう。
ともえさんの視点を通じてお子さんの性格を決めているんです。
「のんびり屋さんだね」と言われると、「そうか、私はのんびり屋さんなんだ」と自覚して、そのような性格に育っていくことも否定できないですよね。
な、なるほど…。
生まれ持ってしっかりしている人もいれば、周りの環境が原因で「しっかり」せざるを得なくて、しっかり者に成長することもありますよね。
生きていくために様々な行動をしていくなかで「性格」が形成されていくんです。
な、なるほど~。
確かに娘は持ち物チェックに余念が無くて、その様子から「しっかり者に育ってるな~」と思っていたけど、私がせっかちで忘れっぽいから、仕方なく身に着いた性格かもしれませんね(笑)
本来の娘はのんびり屋さんなのかも?だから宿題もギリギリまでやらないのかな…。
性格は後付けのものなので、自分の本質と違っていることも多々ありますね。
「うちの子しっかり者だから~」と言われて育ったら「私ってしっかりしているんだ」と期待に応えるような行動に繋がっていくこともありますよね。
その行動によって上手く生きられるようにはなるけれど、本質とは異なる性格を身に着けすぎて、自分でも「個性」が分からなくなることも…。
個性は環境では変わらないんですか?
個性は生まれ持った特別なもので、一生変わらないんです。
有名な歌の歌詞に「もともと特別なオンリーワン」とあるけど、私たちは生まれながらにして唯一無二の存在であり、それだけで十分素晴らしいことなんです。
でも一人で生きていくことはできないから、周りから求められることや生きていくために必要な行動を経て、個性とは別の性格が出来上がっていく…。
ああ、なんだか分かります~。
私は本来一人でのんびり過ごすのが好きだけど、子どもがいるとそうもできず…せっかちで責任感が強くなったかも。
特に、幼少期の性格形成には親の声掛け、言い換えると親の態度や行動のクセ、よく言う言葉が子どもに影響を与えると言われています。
生まれ持った個性と行動によって育まれた性格にズレがあると、知らず知らずのうちにストレスを抱えてしまいそうですね。
こんなの私じゃない~って感じるのかしら。
そうですね。自分は何者か?性格の奥にある無意識の内面の仕組みを解明することで「個性」が明らかになりますよ。
なんだか難しいです…。
例えば『時間を守る人、守らない人』という目に見える行動ではなく、なぜ時間を守らなければならないのか?という無意識レベルがその人の本質であり『個性』なんです。
時間を守ることによって相手が困らないようにしたい、時間を効率的に使いたいと考える『動機』というと分かりやすいかな。
逆に『時間を守らない』理由にもつながりますね。
約束の時間に急いでいたけど、目の前で困っている人がいたら時間を守ることより人助けを優先したり、最初から約束を破っても問題ないと考えているから時間を守らない…とか。
「宿題をやらない」っていう目に見える行動ではなく、どんな理由があるのか?にも注目する…(そんな優しいお母さんになれるかしら…)。
個性を活かすってなんだか難しいですね。
実はそこにヒントがありますよ。
ともえさんは「出された宿題は必ずやる」ことを大切に思っているけど、極端な例を挙げれば「勉強なんてやらなくてもいい」と考える保護者もいるかもしれませんよね。
趣味やスポーツに打ち込んでほしい!勉強よりも家の手伝いや兄弟で触れ合う時間を優先してほしい、とか。
実は個性を活かした声掛けのためには『親が自分の個性を知る』ことが重要になります。
子どもに求める行動に、親自身がどんな考えを持っているのかをまず把握する。
親の命令で子どもを行動させるのではなく、親と子は別の人間であり、それぞれ生まれ持った異なる個性を持っていることを理解すると「勉強しなさい!」ではない、違ったアプローチをすることができます。
それが「個性を活かす」声掛けのヒントです。
娘に「宿題しなさい!」ばかり言ってたけど、自分自身がそう思う理由まで考えたことはなかったな~。
娘にも理由があるのだろうけど、許したら個性を活かすっていうより、ただのワガママになりませんか?
もちろん個性を活かすと、ワガママを許す、は別ものですよ。
大事なのは、相手と自分の違いを理解して受け入れること。
目は外側についているし、愛情があるからこそ、ついつい子どもを一生懸命観察しますよね。
今日も宿題をやらない、こう言ったらこんな反応があった、次はこうしてみよう…などなど。
でもその目をぐるっと180度自分側に向けて、親自身の内面を見ることがすごく大事なんです。
兄弟がいる方は理解しやすいかもしれませんが、扱いやすい子、扱いにくい子、同じ声掛けをしても響く子とそうでない子がいるでしょう。
コミュニケーションって一方的なものではなく、かけ合わせなんです。
親と子ども、それぞれが持つ個性があり、それは変えられないものなんです。
生まれ持ったギフトであり、素晴らしいものだからこそ親の個性、子どもの個性の両方が大事。
ふたつとも揃って初めて豊かな人間関係を築くことができるんです。
親の個性…!
子どもを支配下に置くのではなく、あなたは特別、持って生まれた素晴らしいものがある、それを知って認めてあげる。
同時に親も自分のことを知ったうえで、子どもの個性も見抜いてコミュニケーションしていく。
子どもの個性のことばかり考えていたけど、親子とは言え別の人間だということを改めて考え直した気がします。
イライラするのは、実は私が感じる理由があるんですもんね。
自分を知ると、子どもへの声掛けが変わりそうです。
個性を知るためのヒントとして、私のサロンでは『エニアグラム』を活用しています。
30年以上前にアメリカから上陸した心理学で、企業研修などにも多く取り入れられているんですよ。
初めて聞きます!
▲エニアグラムという言葉はギリシャ語で、エニアは「9」、グラムは「図」という意味。この図形自体をエニアグラムと呼び、『宇宙万物の本質を表す象徴』とされている。図の起源は古代ギリシャや古代エジプトまでさかのぼると言われています。
占いのように感じる方もいるかもしれないけど、ベースにあるのは神経科学なんです。
ものすごく簡単に言うと「どんな性格の人がどんな病に陥りやすいか」という研究のために、1970年代からアメリカで精神医学や心理学の研究者が注目して研究を重ね、理論を発展させ続けているもので、新しい人間学、心理学として世界各国に広がっています。
日本でも人間関係改善のために学ぶ人が増えていて、教育関係者や弁護士、医師、心理療法士のほか、大手企業でも研修に導入するところが出ているんですよ。
ドラマやアニメのキャラクター設定にも用いられていて、子どもたちに人気のあのアニメ…「9人」の個性あふれるキャラクター設定はエニアグラムが取り入れられているんですよ。
あのアニメの?突然興味が湧きました(笑)
私にも理解できますか?
簡単な設問に答えて自分のタイプをチェックできるので、まずはやってみたらどうかしら??
エニアグラム 簡易タイプ診断 – 日本エニアグラム学会
https://www.enneagram.ne.jp/about/diagnosis
誰にでも当てはまる『魔法の声掛け』はありません。
だって私たちはひとりひとり違う人間なのですから。
だからこそ、それぞれの個性を知ることがより良いコミュニケーションの第一歩になります。
子どものため、と言うことを聞かせることに固執していたけど、子どもたちが生まれ持った個性をつぶさないように…まずは私自身の個性を知ってみたいです。
エニアグラム診断やってみます!
具体的な事例を紹介。後編へ続く!
こんなときどうする?家庭学習声掛けのコツを事例を挙げてご紹介します。
髙橋さんが家庭学習に取り入れているタブレット教材<スマイルゼミ>の紹介も。
引き続きお楽しみに!
▼始めたきっかけは?停滞期はどう乗り越えた? 髙橋さん親子のスマイルゼミ日記はこちら
- ともえ編集部