2016年3月24日(木)に二子玉川ライズで行われた「ママ起業家フェスタmirai」。
その中で、女性のキャリア・働き方の専門家、毛利優子さんを迎えたトークショーがありました。
聞き手は、株式会社コッコト代表の宮本直美。
「これで解決。働くママが必ず悩む36のこと」著者でもある毛利優子が、様々なママさんの悩みに応えたトークショー、その模様をレポートいたします。
宮本
まずは毛利さんのプロフィールをうかがいたいと思います。
毛利さん
私はもともと、ウェブサイト運営会社に勤めながら「はたらくママ+」というサイトを立ち上げました。
働くママさんたちに、時間や場所の制約を乗り越えて働いてほしいという願いを込めています。
その後、1年半前に、個人事業主(フレキシブル・キャリア)として独立しました。
宮本
毛利さんはいろんな雑誌やウェブ媒体でも執筆されていますよね。
プライベートの方はいかがでしょうか?
毛利さん
私は長男を大学4年生の春休みに出産したんです。
今は小4、小2、小1の三児がいます。
最初の就職活動の時から子供がいるっていう状態でした(笑)。
宮本
就活の時から!
それは大変でしたね(笑)。
働きたいママの「職場復帰に際して不安なこと」
宮本
今日のイベントの前に、「職場復帰に際して不安なことはなんですか?」ということをテーマに、ウェブ会員にアンケートを取りました。
まず、「何に対して不安か」という質問には「自分自身」と答えたのが56.3%。
毛利さん
仕事を家庭を両立する時にママの負担が大きいですよね。
国際的な家事分担比較を見ても、日本が一番高い。
料理、買い物、家族が病気の時の看病……、37カ国中日本がワースト1位です。
宮本
「ママが働く」=ママが家事、育児、仕事をすることになっていますよね。
では具体的に何が不安かというと「きちんとしたご飯をつくれるか」が69.0%。
毛利さん
食べることが家族の健康を支えることなので、気になりますよね。
ここは食材宅配サービスを利用することで少しラクになるのかなと思います。
宮本
今日のイベントでもOisix(オイシックス)さんがブース出展されています。
ぜひ利用してみてください。
毛利さん
献立を考えるのにも時間を取られますが、私はクックパッドを通勤時間に見るようにしています。
料理の方法としては、食材キットも利用できますよね。
すでに野菜が切ってあって、調味料も用意されていて、という。
宮本
皆さんすごく工夫されていますよね。
復帰に際しての一番の不安は「自分自身の体力」と答えた方が25.4%いらっしゃいました。
毛利さん
私も、3人の子育てをしていると、夜泣きで眠れませんでした。
誰にご飯をあげているのかもわからなくて(笑)。
何が一番ほしいかって体力でしたね。
宮本
ママさんが相談しているのは、旦那さんやママ友。
専門家や自治体には相談していないという結果でした。
毛利さん
子育てに忙しいと、どこかにわざわざ相談するのは難しいですけれども、本当に悩んだ時、キャリアで新しい一歩を踏み出したい時は、専門家やロールモデルに話をした方がいいかなと思います。
宮本
旦那さんにも相談したほうがいいけれど、その人の価値観によったものにはなりますよね。
今は専門家に相談してみるのがスタンダードかもしれません。
「二人目を授かりたいけれど、仕事のことを考えると…」
宮本
アンケート以外にも、ママさんたちからたくさんの悩みが寄せられました。
短い時間ですが、毛利さんにうかがってみたいと思います。
「二人目を授かりたいけれど、仕事のことを考えるとためらってしまいます……」
毛利さん
私もすごく相談を受けることですね。
私自身も、3人産んでどうしようかと思いました。
ただ、産んだら目の前に子供はもういて、子育てはするものなんです。
本当に子供がほしければ、年齢のこともありますし、その時に産んだ方がいいのではと私は伝えています。
宮本
仕事のことで、せっかくの機会を失うのも……ですよね。
次のお悩みです。
「もっと仕事で活躍したいと思っていて、家族が疎ましくさえ感じることがあります……」
毛利さん
お仕事が好きというのは、素晴らしいことだと思います。
疎ましく思っている自分をイヤに思うのも、子供が大事な証です。
例えば、旦那さんが早朝残業して子どものお迎えに行き、奥さんが出勤前に子どもたちの勉強をみて10:00~22:00で働いているというご家庭もありました。
家族それぞれの働き方、バランスがあるので、よく話し合うことが大事だと思います。
宮本
自分が(仕事を)やりたいという気持ちをまず家族に伝えることが大事ですね。
毛利さん
そうですね。
試行錯誤していく中で、少しずつ自分の家庭に合った形が見つかっていくと思います。
仕事のブランクは再就職の際にデメリットになるか?
宮本
次のご相談です。
「少ない収入を得るために子どもとの時間を犠牲にしているのはどうなんだろうと感じます……」
毛利さん
もし十分な収入があればそうは思わないのかどうかがポイントだと思います。
どうしても子供と一緒にいたくて、旦那さんの収入だけでやっていけるなら、お仕事を辞めてもいいと思います。
ただ長期的に見ると、お仕事のブランクは大きいですね。
宮本
ブランクはやはり社会復帰の壁になりますか?
毛利さん
そうですね…資格があればいい、高学歴ならいい、というわけではなく、企業側は実務経験があって即戦力になることを重視しています。
将来的に仕事をしたいというのであれば、細々とでもいいので、働く感覚をずっと持っていることは大事ですね。
宮本
子供との時間を大事にしたいなら、自宅でもできるお仕事をすることもできますよね。
このフェスタにも出展しているECCジュニアのホームティーチャーのように、ママの新しい働き方もあります。
次のご相談。
「単身赴任なので夫の協力がゼロでつらいです」
毛利さん
旦那さんの協力は大きいですよね。
でも、ご相談を受ける中で、シングルマザーの方で仕事も子育ても頑張っている方もたくさんいらっしゃいます。
一人で抱え込まずに、とにかく周りを頼ってほしいです。
「ファミリーサポートセンター」「病児保育」「一時保育」など利用できるサービスはどんどん活用して、保育園の先生やママ友にも相談してみてください。
宮本
ロールモデルや自分が尊敬しているママの先輩がどうしているのかを探してみるのも大事かもしれませんね。
本人に「どうやってるの?」って直接聞いちゃうとか。
毛利さん
あと私は本を読んじゃいますね。
家事の本、キャリアの本……、それぞれの分野でロールモデルにしたい人の本を読みます。
宮本
「いま子育て中です。再就職ができるのか不安になります」
毛利さん
特別な資格がなくても、正社員じゃなくても、とにかく働いてみることをおすすめします。
私が以前勤めていた会社では、パートから入社された女性の方が、二人のお子さんを育てながら、正社員、そして管理職になられているケースもありました。
宮本
私は出産前にベンチャー企業で採用を担当していたんですが、ブランクがある人はそれだけで書類審査の時点ではじかれてしまうこともあるんですよね。
うちの正社員でも、パートから入って正社員になったケースもあります。
毛利さん
まずはとにかく働くこと、会社に入っちゃうことですね。
「子供を保育園に預けるのはかわいそう」と言われてしまう…
宮本
次のご相談。
「義理の両親から『子供を保育園に預けるのはかわいそう』と言われた」
毛利さん
私は保育園ってすごいいいところだなと思っているんですよね。
家で二人きりだと同い年の子供と遊ぶことも少ないですし、保育園には行事や季節のイベントもありますし。
私は自分がボケボケなので(笑)、私と二人きりで一日中過ごすよりも、保育園の先生やお友達などたくさんの人と触れ合って過ごすことが子供にとっても良いかなと思っています。
宮本
イライラしてるお母さんと一緒にいるよりも、子供が大好きな先生と一緒にいた方がいいですよね。
子供はたった一日でも、少し成長して帰ってくることがありますし。
親子にとって保育園は良い存在ですよね。
毛利さん
おじいちゃん、おばあちゃんは保育園に悪いイメージをもっているかもしれませんが、例えば保育園のイベントに連れて行ってみるのもおすすめです。
保育園で楽しそうに過ごしている子どもの姿を見せることで、「最近の保育園は昔の保育園と全然違うのね〜」なんて言われることも多いみたいです。
宮本
次のご相談です。
「職場で壁にぶつかった時、どうしていますか」
毛利さん
私は、勤務時間が限られていることで、限られた職務しか与えられなかったことが悩みでした。
その時は、自分が抱えている悩みと、それを解決するのにどういう方法論があるかを書き出していました。
その方法論のうち、どれからやっていくかを考えて、異動や転職を考えました。
宮本
「世の中に情報が多くて、自分がどういしたらいいか分からなくなります」
これについては、働くママが悩むことを整理してある本が二冊ありますね(笑)。
毛利さん
ありがとうございます(笑)。
時間の制約がある際にどういう転職サービスを使ったら良いのかということから、仕事術、保育園のことまで、ママの悩みを書いています。
宮本
よかったら手にとって読んでみてください。
今日はありがとうございました。
毛利さん
こちらこそありがとうございました。
毛利優子さんの著書はこちら
トークショーの中でも話に出てきた、毛利優子さんの二冊の著書はこちら。
これから働こうとしているママさん、いま働いているママさんには、参考になるアドバイスがたくさん載っています。
- 犬養 拓
- 「ともえ」編集長。 株式会社電通でクリエイティブ職や雑誌担当として12年間働いた後、独立。 2015年に生まれたばかりの男の子の父親。好きなものはスイーツとリラックマ。
-
Facebookプロフィールページ
ウェブサイト