ママにおんぶされて自転車に乗っていた赤ちゃんが事故に遭い亡くなった、など、悲惨なニュースは後を絶ちません。
実は、自転車事故は交通事故全体の「約40%」というかなりの高確率で事故に遭っています。
主な事故原因は以下の通り。
- 安全不確認
- 信号無視
- 一時停止無視
これらはいずれも利用者のマナーアップで防げる事故なのです。
子どもと一緒に自転車に乗る心構え、あなたはどのように思いますか?
大人が自転車のルールと法規を守れない理由とは?
子ども乗せ自転車の事故ゼロを目指して、親子が安全に楽しく快適に自転車を利用できる社会づくりを目指している「おやこじてんしゃプロジェクト」。
おやこじてんしゃプロジェクト |
私たち「おやこじてんしゃプロジェクト」にも年々、出張講座のご依頼が増えています。
会場もさまざま、幼稚園、小学校、児童館、など各所で交通安全教室が開催されており、保護者向け交通安全教室では、学校によっては婦警さん同席で交通ルールを再確認しています。
これだけ身近に交通ルールを学ぶ機会があるので、当然かもしれませんが、ほとんどの人が「交通安全教室に参加したことがある」「知っている」と答えます。
実は、ここが意外な落とし穴かもしれません。
私たち大人は、気軽に乗れる自転車を軽視して「自転車=乗れる」「普段から乗っている=大丈夫」と思い込んでいて、実際はあまり身についていない、というケースが多々あります。
簡単に乗れてしまうことから、ルールや法律に関しても「簡単なことだからわかっている」と思い込んでしまうのです。
中には、まさか違反だとは思わず違反になっているケースも……。
「子どもはヘルメットを着用!」の「子ども」って何歳のこと?
子どもにヘルメット着用義務があることについては、広く知られていると思います。
けれども……子どもって何歳から何歳まででしょう?
明確な年齢まで知っていますか?
肝心な年齢制限を知っていないと、知らず知らずのうちにルール違反になってしまいます。
道路交通法によると、「子どもは、1歳~13歳未満はヘルメット着用の義務がある」とされています。
13歳というと、小学校6年生の頃まで。
(2023年4月14日追記:道路交通法の一部改正により、2023年4月1日から、自転車に乗る際のヘルメット着用が年齢を問わず努力義務となりました。)
私が実際に「おやこ自転車勉強会」で保護者であるママにヒアリングした結果、
「(わからないけど…)6歳くらいまで?」
「(たぶん)10歳まで!」
という回答が非常に多いんです。
実は、多くの保護者がヘルメット着用義務のある明確な年齢を知らなかったのです。
皆さんの日常を思い返してみてください(もちろん、地域柄もあるかと思いますが)。
街の小学生、特に高学年の子どもたちを見てみると、やはり、ヘルメットの着用率はかなり低めです。
このように、「知らず知らずのうちの違反」となる原因の一つは、保護者である私たちの思い込みです。
「子どもはヘルメットを着用」というルールを表面上わかったつもりで「子どもが小さいうちは着用」とすり替えて理解してしまっています。
保護者である私たちが果たす責任とは?
例えば、ヘルメットの着用を例にあげても「義務」という表現があります。
これは、私たち保護者が「ヘルメットをかぶりなさい」と指導することはもちろん、万が一、ヘルメットを着用せずに事故が起こってしまった場合には保護者が責任を問われるものです。
実際の過去事例には、ヘルメットをかぶっていない小学生が起こしてしまった自転車事故で、保護者の監督不行き届きが問われ、被害者への賠償額が約9500万円というたいへん高額になった例があります。
小学校高学年にもなると、他のお友達がヘルメットをかぶっていない状況では、自分だけヘルメットをかぶるということが照れくさかったりして、保護者の目の届かないところではヘルメットを脱いでしまうこともあります。
大きくなっても小学生の間は、保護者同士が安全ルールを共有するなど陰ながらフォローを!
子どもたちが実際にルールとマナーを守れるように保護者として「どう取り組むか」が大事!!
子どもたち自身が「ヘルメットをかぶるのが当たり前~♪」と思えるような環境づくり、取り組みを、家族で、地域社会で、考えて実践していきましょう!
- 吉村 なお
- ◆26歳で母になり、年子兄弟の子育てをしながらママコーディネーターとして独立。 ◆ママのワークシェアや協働を実現すべく2013年“ママコミュニティ マムライト”を立ち上げる。 ◆2015年4月 “関西美活”のマネージャーに就任。1500名を超える女性コミュニティの広報・企画・運営を行う。 ◆2017年12月 法人化。 「Honne合同会社」を設立。
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