関東平野のど真ん中、埼玉県北部の利根地区が「子連れのお出かけにぴったり!」と、今にわかに注目されています。
東京都心から約60km。
「ここが首都圏!?」と思うような、のどかな田園風景と、充実した体験スポットに、子どももママも大満足!
行田市にある「古代蓮の里」は、ギネス認定された世界最大の田んぼアートと、1400〜3000年前の蓮が同時に楽しめます。
そして、自然を「見て、触れて、聞いて」学べる展示室に、広い芝生の広場、遊具と、子どもたちも大満足。
大人も子どもも楽しめる埼玉県北部の知られざる顔をご紹介します。
2000年の時を超えた奇跡の蓮の花が10万本!
「親子で遊べるところに行きたい!」という人に向けて、前回、収穫もできて1日遊べる「アグリパークゆめすぎと」をご紹介しました。
(前回記事にリンク)
「こんな場所があるなんて知らなかった」「何より埼玉にこんなところがあるなんて」と埼玉県北の底力にびっくり。
1か所だけでもこれだけ自然の中で遊べて、おいしいものがたくさんあるなら…とさらに期待に胸を膨らませ、埼玉県北部の9市町・利根地域を体験するモニターツアーに、引き続き参加!
次は、行田市にある「古代蓮の里」にやってきました。
蓮の花は、アジアンビューティーの象徴的なモチーフとして描かれるほど、多くの女性たちはその神秘的な美しさが大好き。
けれど、古代蓮…これは子どもには難易度が高いのでは?と、母としてはやや心配です。
この「古代蓮の里」の目玉は、10万株の古代蓮(行田蓮)の池と、ギネス認定された田んぼアート。
この日は、夏休みの土曜日ということもあって、大にぎわい。
そのため、週末に訪れる人は、到着したら真っ先に、田んぼアートを見る地上50mの展望台のチケットを求めることをおすすめします。
なぜなら、展望台に上るのに整理券が必要になる可能性があるから。
この日は50分程度の待ち時間でしたが、古代蓮の池や展示スペースがあるので、最初に整理券をもらってしまえば、待ち時間は苦になりません。
蓮の花が開くのは朝なので、花を愛でるなら少しでも早い方が◎。
駐車場は終日開放、蓮の花の開花時期(6月下旬〜8月上旬)は、タワーのある古代蓮会館も朝7時からオープンしています。
さて、整理券をもらったら、待っている間に古代蓮の池へ。
この古代蓮(行田蓮)は行田市の天然記念物で、原始的な形態を持つ1400〜3000年前の蓮だそう。
古代、この一帯に咲いていた蓮の花の実がそのまま地中深くに眠り、1971(昭和46)年に建設工事で掘り起こされたことにより再び目を覚まし、2年後には52本の古代の蓮が池にピンクを花を咲かせたという奇跡の古代蓮なのです。
大きな葉の上に咲く、ピンクの蓮の花はとにかく見事!
「これが1400年前と同じ景色」だと思うと、感慨深いものがあります。早朝からやってくる人がたくさんいるというのも納得。
古代蓮を含め全42種類、12万株(うち10万株は古代蓮)の蓮が咲き誇り、池の上にも遊歩道が整備されているため、ベビーカーでも蓮池の中をのんびり散歩することができます。
花の美しさは伝わっても、小さい子にはまだ難しいかな…?と思っていると、向こうに小高い芝生の丘と遊具が!?
子どもたちが花に飽きたら、遊具でたっぷり遊んでもらいましょう。
園内には、売店やベンチも配備されているので、外で軽食を食べるのがオススメ。
サンドイッチやかき氷など定番もありますが、イチオシなのが、行田が誇るご当地B級グルメ「行田ゼリーフライ」。
別にゼリーをフライにしたチャレンジングな食べ物ではなく、衣の付いていないコロッケのような食べ物。
そのルーツは日露戦争のときに中国から伝わった「野菜まんじゅう」で、たくさんのオカラも入っていてとってもヘルシー。小腹がすいたときにぴったりです。
いつもはソースの味があまり好きではない我が家の2歳児も、ゼリーフライはぱくぱく食べて、「おいしいねー」と大絶賛でした。
そのほか、蓮の花が有名なベトナムにちなんでか、ベトナムコーヒー(練乳入り)や、先ほど収穫した枝豆がふんだんに使われた枝豆アイスなどもあって、一風変わった食べ物もいただけます。
また、朝採れの行田産の新鮮野菜や名産品もあるので、売店の中ものぞいてみてください。
ギネス認定された田んぼアートは圧巻!
これだけ食べて、遊んでいると、展望台のエレベーターの順番はとっくに回ってきております。
エレベーターに乗ってしまえば、展望台まではわずか33秒。
地上50mから360度のパノラマが広がります。
天気が良ければ、東京スカイツリーを見ることもできます。
そして、いよいよお目当ての田んぼアート。
最近では各地で田んぼアートが作られておりますが、「古代蓮の里」の田んぼアートは2015年9月、「最大の田んぼアート」としてギネス認定された正真正銘、世界で一番大きい田んぼアートなのです。
これだけでも「この間の休み、どこに行ったの?」というときの話のネタになるのがうれしいですね。
今年の田んぼアートのテーマは「ドラゴンクエスト」。
今年は30周年のアニバーサリーということもあり、子どもよりもパパたちにグッとくるかも。
総面積2万8000平方メートルという大きさもですが、個人的にはその彩りに感動。
夫が「これ、本当に全部稲で作っているの?」と怪しむほど、とにかく色鮮やか。
説明によると、緑、薄白、白、オレンジ、ピンク、銀、黄緑、黄色、黒と全部で9色あり、すべて違う品種名が示されていました。すごい!
展望台には細かな設計図も惜しみなく公開されています。
過去の田んぼアートの写真も展示されているので、その進化を追うのも楽しいです。
子どもは田んぼアートよりも、展望台に登ったことに興奮して、窓際にぺったり。
双眼鏡をのぞき込んでは「見えなーい」と言ってました(100円を入れていないので、見えるはずはありません)。
自然を「見て、触れて、聞いて」
展望台がある「古代蓮会館」には展示室もあります。
文字や年表ばかりの展示は子どもも退屈だし、大人も興味がなかったらスルーしてしまいますが、ここは一味違いました。
それは「ホンモノの自然を知ることができる」立体的な展示になっていること。
展示室のコンセプトが「見て、触れて、聞いて」というだけのことはあります。
まず、蓮の葉の下がどうなっているか気になりませんか?
さすがに我が家の2歳児はまだ気にならないようですが(笑)、「こんなに長い根っこが池の中には繋がっているんだ!!」と親がびっくり。
その周りにはクイズもあり、もう少し大きい子どもなら遊びながら蓮の秘密を知ることができます。
また、行田の自然を再現展示してある部屋もあり、ここは2歳児も興味津々。
木をめくると中に虫がいたり、パネルを開くとアブラゼミやシジュウカラの鳴き声を聞くことができたり、土の下には洞穴があってのぞくことができたり。
夫に「ここを開けてみ?」と言われ開いてみたら、ナメクジがいたときには、そのリアルさを恨みましたが…。
兎にも角にも、「古代蓮の里」をぐるりと巡って、「早朝からたくさんの車がやってくるらしい」というウワサの理由がよーくわかりました!
恐るべし、利根地域。知らないと損をするとはこのことです。
なお、蓮の開花時期は6月25日〜8月7日、田んぼアートの見ごろは7月中旬〜10月中旬のため、都合がついたら即行動がオススメです。
「DISCOVER 利根!」家族みんなで楽しめる歴史と文化を体験できるツアー【2016年10月29日(土)開催】
- 吉田 理栄子
- 1975年生まれ、徳島県出身。大学卒業後OL生活を満喫するも、昔の夢をあきらめきれずマスコミ業界へ。旅行系出版社などを経て、雑誌『ロケーションジャパン』編集長就任。産後半年で復職したが、ライフワークバランスで悩み、1年半の試行錯誤の末、2015年秋フリーランスに転身。旅、人、女性の働き方などをテーマに執筆活動を行う。
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