結婚や出産などライフスタイルが大きく変わるなかで、社会的な立場や考え方の変化も相まって「これってどうすればいいの?」という悶々とした悩みを抱えている子育て期のママ。
そんなママたちの悩みを受け止めるライフケアコンサルタント🄬のお悩み相談室。第二回目となるご相談はこちら。
働きたいけど…食事の支度が出来なくなる?家事クオリティが維持できない
さとこさん(仮名)32歳
もうすぐ3歳になる娘と会社に勤める主人の3人家族。
もともと外に出るのは好きなタイプ。
出産を機に専業主婦になったけど、そろそろ働きたい…という気持ちが沸き上がってきました。近所に満三歳児保育を実施している幼稚園があるので、そのタイミングで働こうかなと思っています。
家の近くにあるショッピングモールやフードコートで幼稚園のお迎え時間に間に合うような短時間の仕事をしている先輩ママ友も多いし、出産するまで接客の仕事を続けてきたので人と接する仕事は大好き。
ただ、働きだしたら家事時間が減り、今の家事レベルが維持できないのでは?と思うと、二の足を踏んでしまいます…。
家の中はしっかり片づけておきたい性分。
食事も栄養バランスを考えてちゃんとしたものを食べさせてあげたいと、離乳食もすべて手作りし、おかずも3品以上用意できるよう頑張ってきました。
働きだしたら買い物もゆっくりできないだろうし、そもそも家事に充てられる時間が減ってしまうので、両立できるかどうかとても不安…
ライフケアコンサルタント🄬からのアドバイスは…
竹下小百合
プロフィール
宮城県仙台市生まれ。
大学卒業後、販売業、予備校事務、大学研究室秘書、結婚相談所カウンセラーとして働く。
東日本大震災後〈笑顔で働きたいママのフェスタ〉をきっかけに、取得していた資格を活かそうと一念発起し、専業主婦から〈夫婦・パートナーカウンセラー〉として起業する。
現在は人と人、企業をつなぐコラボレーターとして地域活性化に貢献すべく活動中。
秋田発「つながる・広がる女性の笑顔」VenusClub仙台支部発足や、ママ・女性の起業を応援する「日本ママ起業家大学」事務局長、NPOファザーリング・ジャパン東北代表理事、FMたいはく「幸せ生活向上委員会」パーソナリティを務めるなど幅広く活動中。
小学2年生の息子(通称王子)と二人暮らし。
社会と女性を結び、笑顔でいっぱいにすることが夢。
▼取得資格や関連事業について
http://melife-sendai.com/plo.html
竹下)ご相談ありがとうございます。
家事に子育てに精一杯頑張っている中で「働きたい!」という前向きな気持ち、同じ働くママとしてぜひ応援したいです!働くことと家事を切り離さず、リンクしてイメージできているのも素晴らしいですね。
突然私の話で恐縮ですが、ちょっとだけ耳を貸してください。
息子が5歳のころ、とてもとても行きたがっていたテーマパークがありました。
直ぐには行けなかったのですが、なんとか仕事のスケジュールを調整し念願かなってそのテーマパークに連れていくことができました。
夜は息子の大好きなお寿司を食べて、予算の都合で宿泊はビジネスホテルに…旅行からの帰り息子に「何が一番楽しかった?」と聞くと、意外な答えが…「ビジネスホテルのあさごはん!」というのです。
「おかずが色々あったし、みんなで食べて楽しかったね~」と。
息子の記憶に一番残ったのは、あれだけ行きたがっていたテーマパークではなく、ビジネスホテルの朝ご飯…。
スケジュールも予算も、結構頑張って息子の希望に応えた身としては肩透かしをくらったような気持ちでした(笑)
余談が長くなりましたが、私がこの経験で気づかされたこと、それは『親が与えたいと思っていた楽しさと、子供が感じるものは別』だということです。
さと子さんのご相談に話を戻すと、自分の気持ちよりもお子さんやご主人の気持ちをリサーチしてみませんか?という提案です。
ご自身の家事へのこだわりは一度おいておいて「働きだして忙しくなったら今と同じ家事ができないかもしれない」ということをご家族に伝えて、反応を聞いてみることをお試しください。
おかず3品の呪縛は誰が作っている?
実は以前、同じようなご相談を受けたことがあります。その方は「副菜を3品以上作らないといけないから、夕食の支度に1時間以上かかっていて、毎日へとへとなの!」とおしゃっていました。
様子を伺ったところ、支度に1時間以上かかるので、おなかを空かせた子供は待ちきれず、おかずができた順に一品ずつ出していくとのこと。
すべてのおかずが出来上がり、ママがやっと食卓に座る頃にはお子さんたちは食べ終わって遊びだしてしまうとのこと。
同じように「あなたにとって大事なこと・子供にとって大事なことは何か聞いてみたら」とお伝えしてみました。
例え、おかずが1品でもママと一緒に食卓を囲むことのほうが幸せ、と思うお子さん、きっといますよね。
ご家族が「3品食べたい」というなら意を決して作るしかないですが…1品は作り置き、翌日に1品くらいかぶるのだっていいじゃない?とママから伝えてみることで「それでもいいよ」となるかもしれません。
絶対におかず3品以上!とのリクエストがあり、それに応えるのが難しいなら、お惣菜や半調理のサービスを利用したり、料理代行を活用することを提案してみてはいかがでしょう?
給食のある幼稚園や小学校なら栄養バランスの取れた昼食が出てきますよね。
平日はおかずの品数を減らしたり簡単料理と割り切って、週末や仕事がない日でバランスをとることもできるのでは?
毎日毎日完璧な栄養バランスを目指さなくても、1週間単位で栄養を考えたメリハリ献立を考えてみるのもぜひご検討ください。
働くことで得られるもの
働きだしたら自由に使える時間が減るのは当然のこと。
ただ失うものばかりではありません。
働くことが好き、接客が好きというさと子さんの新しい居場所、世界、可能性が広がクことを考えるとワクワクしませんか?
ママでもなく、妻でもない、自分の居場所ができ、世の中に必要とされることを想像するとワクワクしませんか?
家事と仕事をリンクさせて考えているように、これからの生活を想像できているさと子さん、ぜひ前向きなイメージジングもしてみましょう。
もちろん、栄養バランスの取れた食事を作るのも立派な仕事です。
ただ、さと子さん自身がチャレンジしたいこと、なぜ働きたいのか?を明確にすることで、ご家族へしっかり伝えるメッセージができるでしょうし、家事時間が減ることへの後ろめたさも無くなるはずです。
今の時代、働く選択肢はたくさんあります。
フルタイムで企業に就職する、という選択肢以外もママがチャレンジできる働き方が多くあります。
小さくても短期間でも、経験になり、キャリアになる。次への一歩が踏み出しやすくなる。パートタイムでも派遣でも、在宅ワーカーとしてできることを模索してもいいでしょう。社会とのつながりをつくりたいならボランティアなどもあります。
家庭以外の場所を作ることで、悩んだときに吐き出す場ができることも、働くことで得られるメリットのひとつです。(逆にストレスや新しい悩みを受け取ることもありますが…)
仕事を通じて様々な人と関わることで、ママ自身も刺激を受けたり、社会の風を家庭に送り込むことは、子育てにおいても決して悪いことではないと思いませんか?
そしてこれは断言してもいいですが…働きながら毎日3品の副菜を完璧に作っているママなんてそうそういません(笑)
給食に支えられているよ~我が家は野菜たっぷりのカレーやお鍋が定番!週末とお誕生日は腕を振う!疲れた金曜日は外食に決めてて、その分しっかり子供とおしゃべりを楽しんでいるの!そんな働くママたちの声が、きっと「おかず3品の呪縛」を解き放ってくれることでしょう。
働く選択肢が増えているように、家事をサポートしてくれるサービスも増えています。
料理代行や食材宅配など、様々なサービスを用いてみるのもあり!です。どっぷり頼るのではなく、自分が心地よくいられるよう「用いる」という気持ちであれば、後ろめたく思う必要なんてないのでは?と私は思いますよ。
ワーママにおススメ・見た目重視の満足ご飯
忙しくて料理する時間がない!今日もお惣菜に頼ってしまった。
そんなママにもぜひお願いしたいことがひとつだけあります。お惣菜のパックのままテーブルに並べないでください。子供にとって食事の「見た目」ってとても大切です。
お惣菜のハンバーグでもとろけるチーズを乗せて温めてみる。
ミニトマトやちぎったレタスを添えてみる。ご飯をお茶碗に入れて、ハンバーグの横に逆さにして…お子様ランチのようにワンプレートにするだけで、「目で食べる」子供はすごく喜ぶもの。
コロッケや唐揚げなど大皿に盛りつけるのもおススメですね。
大皿だと取り分けの手間がかかる、おかずが余ってしまう、というママもいるかもしれません。
銘々皿のメリットもあるけれど、「取る」練習になるので、時には大皿盛り付けも取り入れてみてはいかがでしょうか?
今日はバイキングだよ~ママのその一言で、子供はきっと喜ぶはずです。
~私が実践している簡単お料理テクニック~
出張が続く週や、仕事が立て込んでいるときなどゆっくり料理ができない日のほうが多いですが、私なりの工夫を二つご紹介します。
① 手作り調味料をつくりおき
甘酒、塩こうじ、三五八(福島県、山形県、秋田県の郷土料理で、麹で漬けた漬物)など。息子の好きな野菜と一緒にビニール袋に入れてモミモミするだけで立派なおかずが完成!息子の好きなお野菜と一緒に、ちょっと苦手なお野菜も出すようにしています。
作り置きのおかずと違って調味料なら保存できる期間も長いし、色々なお料理にアレンジができます。
② 子供が喜ぶ便利アイテムを活用
息子にリクエストされる『キャラ弁』正直忙しい朝は海苔をハサミで切っている時間なんてありません。
『だいすき』『がんばって』などメッセージがくりぬかれている<おしゃべりのり>というものを使っています。
6枚しか入っていなくて200円…完全にコスパは悪いですが、息子がとっても喜んでくれるので手放せないアイテムです。「目で食べる」子供にとって、お弁当を空けた瞬間目に入るメッセージは何よりの楽しみなのかもしれません。
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- ともえ編集部