『#なんとなく育休をなくしたい』。
Instagramでこのハッシュタグを見た時、自身の育休を振り返って心に刺さるものがありました。
育休は期間も定まっているし、保育園を見つけて職場復帰するというゴールも決まっているからこそ、なんとなく受け身で過ごしてしまい、なんとなく不安になり、なんとなく復帰して「こんなはずじゃなかった」と壁にぶち当たる。
そんな後悔を抱いたママは多いのではないでしょうか。
投稿の主は育休コミュニティ「MIRAIS(ミライズ)」を立ち上げた2児のママ栗林真由美さん。
育休は会社から離れる期間だからこそ、自分のために、その背中を見る子供のためにも「なんとなく」過ごしてほしくない。栗林さんが想いを込め、立ち上げた「MIRAIS」について紹介します。
団体概要
名称 | 育休コミュニティ「MIRAIS(ミライズ)」 |
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公式サイト | https://ikukyu-community.amebaownd.com/ |
ロゴと理念 |
有意義な育休を過ごし、人生を豊かに 本音で自分と向き合い それぞれのテーマにそった育休を 仲間とともに歩む |
育休は誰だってモヤモヤする
実は栗林さん自身も、初めは育休を前向きに受け止められなかったとのこと。
尊敬する方から『育休は留学期間』とアドバイスをもらったことで、前向きに過ごそうと気持ちを切り替えられたそう。
栗林さんは"子どもがいても思いきり働ける自分“をテーマに育休を過ごし、復帰後は社内で時短勤務として初めて昇格、新規のプロジェクトのマネージャーにも従事します。
その後第二子を出産。2度目の育休中に育休コミュニティ「MIRAIS」を発足します。
▲栗林さん(都内で開催されたイベント『自分も育てる育休期間の過ごし方』にて)
栗林さん:
「赤ちゃんと一緒にワイワイ楽しく過ごす育休も良い。けれど私の場合、最愛の子どもに対してどんな親でどんな背中を見せていきたいか、どんな自分でありたいかを考えた時、育休期間は『変化の機会』だと思いました。
1人目の育休中には『子どもがいても思いきり働ける自分』をテーマに、育休プチMBA勉強会の立ち上げ、ボランティアプログラム・ママボノへの参加など活動したことで、子育てという制約があっても自分らしく働けるという自信が持てたし、人生を支え合うことができる同志にも出会うことができました。
ただ、ひとりだけ有意義に過ごしても世の中変わらない。どうしたらひとりでも多くのママが育休を有意義に過ごせるのかと考え、行き着いた先が『MIRAIS』の立ち上げでした。」
オンラインで全国どこからでも参加できるコミュニティ。
特徴的なのは単に育休中のママが集い交流するのではなく、育休後の自分に向かってスタートラインに立つ、そんな場所であること。
栗林さん:
「会社という場所があって、役割、仲間が当たり前のようにあったのに、産休に入った途端、誰からも何も求められない。これは誰もがモヤモヤするなと痛感しました。
人が存分に活躍するには『機会』『役割』『仲間』この3つが必要。MIRAISはこの3つをふんだんに提供するプラットフォームです。
提供はするけれど、決してキャリアアップのためだけの場所ではありません。
根幹にあるのは『あなたが本当にやりたいことは何であるか』ということで、それがパワーになるし、そのために機会と役割と仲間があると思っています。」
どんな育休を過ごしたい?テーマを持って参加
MIRAIS(ミライズ)は2018年9月から活動をスタートさせた、オンラインを中心とした産・育休中のママが参加するコミュニティ。
「なんとなく育休」をなくそう、をミッションに、コミュニティ内外での活動を行っています。
✓メンバーは産・育休中のママ、育休中のパパ
✓会員限定のFacebookグループを使ったオンラインコミュニティ
✓6か月を1期間として運営。現在第2期(2019/4~9)が活動中
▲Zoomを使ったオンラインMtgは全国(海外も)どこからだって参加OK
活動のメインは、個々が自由に育休の「テーマ」を決め、行動し、振り返ること。
具体的には、メンバーそれぞれが「育休中のテーマ」を発表し、テーマの達成に向けて毎月進捗を確認・協力しあいます。
キャリアアップや学びの課題を掲げるママもいれば、子育てを楽しむ、趣味を満喫するなど、テーマは様々。
同じ趣味を持ったママ同士で、パン作り部や写真部、映画鑑賞部などの部活動を楽しんだり、読書会、ストレッチヨガ、両立についての座談会などオンライン・オフラインで多様な活動をしています。
一方で有志メンバーによる運営も特徴的。企業の『部署』のような組織を作り、コミュニティの運営を支えています。
仲間ができる。復職のリハビリにも。
一体どんなママが参加しているの?MIRAISが主催した都内のイベントでお会いした、広報担当の石川さんにお話を伺いました。
石川さん:
「本業はメーカーで発注を担当しているので、広報は全く初めてです。育休に入ったばかりの頃、日中は子どもとふたりっきりで、独り言のような二語文くらいの会話しかなかったけれど、MIRAISの運営に関わることで、大人と話す機会ができました(笑)。するべきことがあるので、24時間の使い方を考えたり、生活にメリハリが生まれました。」
小児科もスーパーも徒歩圏内だという石川さんですが、オンラインを通じて育休を共に前向きに過ごす仲間が全国にできたと言います。
実は栃木県宇都宮市にお住いの石川さん。お話を伺った都内のイベント会場には、お子さんと新幹線に乗って参加しました。
「朝、子供と家を出るには何時に起きてどんな支度が必要か、通勤の雰囲気などの予行演習にもなりました。MIRAISでの活動は、お互い小さな子供のいるママ同士。体調を崩したりすることもありますが『今日はここまでしかできない。』『ごめん、これやっておいてくれる?』など、自分のキャパを把握したり、相手に頼ったりすることも。子どもがいながら活動するという経験が、復職後に役立つのではないかと思っています。」
編集後記
すでに育休から復帰している栗林さんですが「在籍している会社の社長も、社会的意義があることはどんどんしなさい、と言ってくれている。」と、MIRAISの運営はライフワークとして続けていくそう。
もうすぐ卒業予定の石川さんも「MIRAISを離れるのは寂しい。でもオンラインでつながれる仲間が全国にできたことがとても心強い。」と言います。
職場でもなく、ママサークルでもない、『機会』『役割』『仲間』があるプラットフォーム。
ビジネスパーソンでもママでもない『本当の私』に向き合うことができる第三の場所は、心の拠り所として復職後の支えにもなりそうです。
インターネットの広がりで働き方にも変化が生まれていますが、育休中の過ごし方や仲間づくりにも可能性が広がっていることを知り「こんな育休の過ごし方があったんだ!」という驚きが正気な感想ですし、これから育休を過ごすママを羨ましい!とまで思ってしまいました。
なんとなく育休を過ごしてしまうなんてもったいない!
育休はまさに自分を見つめ直すチャンス。
そしてママになった私のスタートライン。
ぜひあなたらしい有意義な育休の過ごし方の参考にしてみてくださいね。
育休コミュニティ「MIRAIS」に参加したいママはこちら
https://ikukyu-community.amebaownd.com/pages/2477178/page_201812282148
メンバー以外も参加できるイベントを随時開催
https://ikukyu-community.amebaownd.com/pages/2549201/page_201901260133
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- 渡邉 加奈子
- 娘が2歳のときPowerWomenプロジェクト在宅スタッフ登録をし、アンケート入力や事務局代行などを行う。その後【笑顔で働きたいママのフェスタ】イベント本部のスタッフとして、パートタイム勤務を経て正社員に。第2子の産休育休を経て現在は短時間正社員となる。ふたりの子供たちに挟まれて寝るのが何よりの幸せ。育児がひと段落したら趣味の切り絵と三味線を再開するのが夢。
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