ペットショップで目が合ったから。
子どもが欲しがるから。
共働きや一人っ子で寂しい思いをさせてしまうから。
そのような理由で犬を迎えることを検討する家庭は多いのではないでしょうか。
犬を家に迎えるときの責任
でも、ちょっと待ってください。
当然のことながら、命あるものと暮らすのには責任が伴います。
愛くるしい子犬の期間は1年足らずで、大型犬なら7歳、小型犬なら9歳頃からシニア期に突入します。
犬の寿命は大きいほど短い傾向があり、10~18年ほど。
その間ずっと、彼らの保護者であり続ける自信はありますか?
2大コンパニオンアニマルの猫と比較しても、犬と暮らすほうが間違いなく大変です。
私見ですが、犬のケアには、健康な時で小学生0.2人分くらい、看護や介護が必要な時で0.5人分くらいの時間的・肉体的負担を想像してみてください。
また、夫や子供はアテにならないことも多いのが現実。
仕事をもちながら、その負担を背負う覚悟は本当にありますか?
さらに食費や病院での治療費・予防費、ホテルの宿泊代、トリミング代などは、大型になるほどかさみ、経済的負担も大きくなります。
物ならば、意に沿わないとか事情が変わったら、捨てたりあげたりして断斜離!でよいのですが、生き物相手にそれはあってはなりません。
犬と一緒に暮らす際に必要なケアは?
参考までに犬と暮らす場合に必要なケアをあげてみましょう。
- 散歩
- 食事
- 手入れ(シャンプー、ブラッシング、爪切りなど)
- トレーニング(指示に従う、トイレなど
- コミュニケーション(遊ぶ、声をかけるなど)
- 定期健診や予防接種
- 看護・介護・治療(介助、衛生管理、通院など)
- 室温・体温調整(冷暖房、寝具、衣類など)
- 整備・清掃・洗濯(サークル、トイレ、室内など)
これらを子どもと一緒にしたり、親がする姿を見せたりしながら生活を送ることで、子供が多くの学びを得られるのは間違いありません。
犬という、人とは違う動物の生理や特性も、自然と知ることになります。
わが家は義父と同居しているため、9歳の犬娘の祭(まつり)ちゃんのケアは、現在大人3人+α(小1娘)で分担しています。
娘は、まだ役に立つほどではありませんが、小さい頃から親の真似をしてブラッシングを試みたり、
歯磨きしてあげようとしたり、
爺との散歩について行ったり、
ビニールで作った洋服を着せたり。
彼女なりに関わっています。
何気ない犬との暮らしの中で子供の情緒が育まれるのは事実ですが、迎えることを本気で考えるなら、1つの命を預かることの重み・大変さを、感覚だけでなく、実質的な面で知ることが先決なのです。
- 植村 理絵
- ライター兼アロマ講師。 子育て応援サークルや地域イベントの運営にも携わる。書籍や雑誌の編集・ライティングの傍ら、人や動物のホリスティックケアを学び、現在は、講座やさまざまなメディアを通して情報発信を行っている。ブログ「見えるアロマと効くアロマ」更新、メルマガ「秘密の香庭」配信をゆるりと継続。義父と同居しながら、小1娘&9歳犬娘の母を堪能中。