月に100組の親子を集める イベントプロデューサーが大事にしている“ママ目線”
レポート

月に100組の親子を集める イベントプロデューサーが大事にしている“ママ目線”

『10-14時はママからプロに!月100組の親子を笑顔にするイベントプロデューサーという働き方』という記事にも登場いただいた、ベビママイベントを企画・運営する松島侑さん。

『10-14時』という数字にピンと来た方もいるかもしれません。

そう、幼稚園に通うお子さんがいるママなのです。

短い時間でどのようにして仕事をしているのでしょうか?

「子育ても仕事も、どちらも諦めたくなかった。」という松島さんは、10-14時の4時間しか仕事ができないからこそ、自分の役目をより簡潔にし、よりクリアな考え方を持つように心がけているそう。

限られた時間の中で、月100組の親子が集まるイベントプロデュースを行う松島さんが【大切にしている3つのこと】を伺いました。

※2019年12月12日大手町で開催した【PowerWomenFes!2020】Specialステージトークのレポートです。

『10-14時はママからプロに!月100組の親子を笑顔にするイベントプロデューサーという働き方』 https://tomoe.life/25981

【目次】

  • 育児の頼り先が無い中で始めたベビママイベント
  • その1:ママの満足度に徹底的にこだわること
  • その2:チームで動くこと
  • その3:自分の立ち位置・ボーダーラインを決めること
  • クリアにシンプルにすることで個性が生まれる

月に100組の親子を集める イベントプロデューサーが大事にしている“ママ目線”

nobi-nobiイベンプロデューサー 松島 侑さん




会社員時代はブライダル業界で花嫁さんの一生に一度の大切な日を演出してきました。自身がママになってからは、イベントを通じてベビーとママを笑顔にしたり、可愛い我が子を記念に残せるよう、ベビーとママの今しかない特別な時間を残す「ベビーとママの教室ノビノビ」を運営。一貫した地域密着型・ママ目線の教室運営がママ達に支持されている。

育児の頼り先が無い中で始めたベビママイベント

千葉の海浜幕張でベビーとママが楽しめるイベント教室nobi-nobiを主宰しています。

上の子は小学校1年生、下の子が幼稚園年少さんで、今日もこの後すぐ千葉に帰らないとお迎えに間に合いません…。

10-14時と時間を決めて働いています。

以前はブライダル業界で仕事をしていて、結婚を機に退職しました。

お客様の笑顔を見ることができる仕事が大好きでした。

出産後はわが子がかわいくて一緒に居たい気持ちと、働き続けたい気持ちに揺れ動きながらも、子どもを預けてまでは…と悩み、またその頃のわが家は転勤族で、実家も遠く、ちょっと子どもを預けたり、いざというときの頼り先がない環境でした。

ヨガの資格を持っていたので、自宅サロンのようなかたちで子連れでレッスンをした時期もありますが、私自身育児中のママとして、限られた時間の中で【ママが楽しむ時間+子供に楽しんでもらえる時間】をイベントととしてやろうと思い、講師の先生をお招きし、私は教える側ではなく企画・運営側に徹する今の形に変化させました。

子育ても仕事もどちらも諦めたくなかったので、限られた時間しかないのであれば、より簡潔によりクリアな考え方を持たないとできないと試行錯誤してきた中で、大切にしている3つのことを紹介させていただきます。

月に100組の親子を集める イベントプロデューサーが大事にしている“ママ目線”

その1:ママの満足度に徹底的にこだわること

『ベビーが笑顔だとママは嬉しい。ママが笑顔だとベビーはもっと嬉しい。』

nobi-nobiは6年前からこのコンセプトで変わらず続けています。

ベビー目線での育児サークルではなく、ママ目線でママを喜ばせる場をつくっています。

わが子がかわいいと嬉しいですよね。わが子を可愛く撮影できるカメラ講座やアイテムを作れるワークショップなど、ママが喜ぶことを取り入れながら企画運営をしています。

月に100組の親子を集める イベントプロデューサーが大事にしている“ママ目線”

イベント企画で決めることはたくさんありますが、ママの満足度を常に、一番に大切にしています。

私自身の仕事の喜びにも直結しますが、ブライダルの仕事時代から共通しているのは、女性の喜ぶ笑顔を見たいということ。

同時に、ママをターゲットにした教室やビジネスを継続させるためにも、当然のことではありますが『ママの満足度』が得られなければやっていけないという事実もあります。

例えば「今日イベントに参加して、こんなにかわいい写真を撮ってきたよ~」とパパに見せることで「次も行って来たら?」と背中を押してもらうことに繋がりますし、「次は自分も行っちゃおうかな」とパパが参加してくれることもあります。

ママが満足していなければ、パパに話してくれないでしょうし、もしかしたら不満を伝えて「もうその教室には行かないほうがいいんじゃない?」ということにもなりかねません。

ママの満足度を追及したことで、パパやじいじやばあばまで、家族ぐるみでnobi-nobiイベントのファンになっていただけるのはとても嬉しいことです。

月に100組の親子を集める イベントプロデューサーが大事にしている“ママ目線”

企画運営全てにおいて、気を配っているのは「ママの気持ちがどうか?」という点です。

ひとつは【価格】。主婦や育休中のママの負担になりすぎない金額でありつつ、クオリティも維持できる価格設定を心がけています。

例えば1回1万円の撮影会だと、3か月に1度行けるかどうかだけど、5000円なら月に2回は参加できる…など、継続的に楽しんでお子さんの成長を記録できるような価格設定を大事にしています。

【場所】も大事なポイントです。赤ちゃん連れママだから駅近が良いかと思えば意外とそうでもなく、参加の満足度も重要になります。

駅近だけど狭かったり古かったり、いつ変えたか分からないようなカーペットの敷いてあるようなスタジオと、多少駅から歩いても広々して日常を忘れられるようなワクワクしたスタジオ、同じ金額を払った場合、どちらの場所が満足度が高いか…みなさん、お分かりですよね?

またコンテンツも、子育て真っ最中のママ目線活かして企画します。

私自身がわが子にしてあげたいことだけをするようにしているので、同じ気持ちのママたちに受け入れていただけていると思っています。

月に100組の親子を集める イベントプロデューサーが大事にしている“ママ目線”

日程や開催の間隔も『ママ目線』で設定しています。

例えば連休明けは、お出かけして疲れているからゆっくりしたいというのがママの本音。

なので連休明け、週明けは避け、週の真ん中以降に開催することが多いです。

また【その日のうちに写真付きのレポートをブログにアップする】ことは、活動初期から必ずやっていることです。これは、ママ向けのお教室をされている方にはゼヒやっていただきたいことです。

ママって本当に忙しいので、帰宅して家事や寝かしつけをしているうちに、その日の楽しさ、可愛かった感覚が薄れてきてしまうものです。

寝かしつけをした後に、ホームページを覗いてもらって、わが子のかわいい写真が掲載されていると「やっぱり今日行って良かったな」「うちの子、最高に可愛いな~」とかわいい感覚を思い出してもらうことで、疲れも吹き飛び、「また行こう」と思ってもらうことにつながります。

なんだか戦略のようになってしまいましたが(笑)コンサルなどを受けたことはなく、完全に自分の経験を元にしたオリジナルです。

ママの満足度をあげていく意識の根底にあるのは、イベントに参加していただいたママに「うちの子一番カワイイ」と思ってもらえる機会をたくさん作っていきたい、私たちのそんな想いがあります。

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その2:チームで動くこと

息子が0歳児の頃、講師活動を始めましたが、子どもの体調不良で思うように動けないことも多々ありました。

またその頃は転勤族で、地域密着で教室運営を頑張ってもいつ転勤になるか分からない、という不安もありました。

子どもが増えたり、進学などのタイミングで同じ働き方を維持できないかもしれない、そう考えると教室を継続するのはとても大変なことだと感じました。

生徒さんに対しても楽しみに通ってくれる場が突然なくなることや、自分の都合で教室の運営が回らなくなるのは申し訳ないと考えた時、閃いたのが【チーム制】でした。

講座のコンテンツや撮影会のカメラマン、託児などはそれぞれのプロにお願いし、私は企画や集客、予約管理など周りを固める作業に切り替えました。

「せっかく資格を取ったのに裏方に徹してしまうのは勿体ないのでは?」と聞かれることもありますが、メリットもたくさんあります。

事前準備を私に託すことで、講師は講座の準備や目の前のお客様に集中できますし、私もすべきことが明確になり、イベント当日は安心してお任せすることができます。

役割分担をし、お互い集中すべきことが明確になり、短い時間でもより良い仕事ができるようになりました。

nobi-nobiを立ち上げた当時は、自宅教室など講師ひとりで運営するスタイルが主流だったので、その中で【チーム制】を思いついたのは良いひらめきだったな、と自分で自分をほめてあげたい気持ちです(笑)

ひとりで運営する自由や楽しさもあれば、すべてをひとりで抱えこなしていく大変さもあります。

もし自分一人での教室運営に行き詰まっていたり課題を抱えているのであれば、チームで役割分担をしてみるのはいかがでしょう?

信念は変えずとも、スタイルや考え方を変えていくのも継続のために大事なことだと思っています。

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その3:自分の立ち位置・ボーダーラインを決めること

何か始めるとき、続けようか悩んでいるとき、自分よりすごいものと比較して不安になったり自信を失ってしまうこともあるかもしれません。

上手くいっている人でもマネされたり、SNS上で誰かのコメントを見て気分が落ち込んだり…。

でも、きっとそれぞれ良いところがあって必要としてくれているお客様や生徒さんがいてくれるのも事実です。

例えば、撮影会に関して言うと【 おうち < nobi-nobi < スタジオ 】という感覚を大事にしています。 初節句やひな祭りなど、おうちでやるよりさらにおしゃれでかわいくて いつもと違う場所。でも写真スタジオほど価格も高くなく、緊張しなくても済む場所。 『ミドルポジション』と名前を付けたのですが、中間地点でママに寄り添える場を提供したいと思っています。   6年活動を続けてきて、もっと拡大しようかと考えたり、継続する方向性を見直すことありましたが、自分でボーダーラインを引くことで、この立ち位置でこの仕事をやっていこう、と決めることでブレずにいられるし、周りと比べて悲観的にならずに済むのではないかと思っています。 月に100組の親子を集める イベントプロデューサーが大事にしている“ママ目線”

クリアにシンプルにすることで個性が生まれる

子育てしながらの教室運営って大変ですよね、と言われます。

『10-14時はプロになる』と言いましたが、実際は見えない仕事も多く、日中終わらない場合は子どもたちを寝かしつけてから夜な夜なHP更新したりブログを書いたりすることも事実で…個人事業主は孤独な働き方でもあります。

あれもこれもと出来ない部分ばかりにフォーカスするのではなく、自分の立ち位置と役割をしっかり決め、自分のやるべき範囲のなかでクリアにシンプルにしていくと、そこから個性が生まれたり、新しい発見や出会いがあったりするものです。

これから何かを始めようとしている方は、誰に対して何をこだわっていきたいか、どこに向いてどんな仕事をつくっていきたいのかということを、自分の時間の使い方含めボーダーラインを引いてみてその範囲内で頑張ってみると、迷いなくやっていけるのではないかなと思います。

そうすれば誰かと比べたり「仕事のために子育てを犠牲にしている」そんな考え方で自分を苦しめることも減るのかなと思います。

月に100組の親子を集める イベントプロデューサーが大事にしている“ママ目線”

編集後記

会場でも多くの女性が大きく頷いていた松島さんのお話。

イベントプロデューサーとして心がけている3つのことは、ママ向けの教室やサークルを主宰する多くの方に響くのではないでしょうか?

来年の目標は?と聞かれ「私もまだまだ子育て真っ最中。自分の立ち位置の中でできることを精一杯続け、今の状態を維持していくことが全て。」と答えた松島さん。

勿体ない、という声も聞こえてきそうですが、すべきことをクリアにしているからこそ、ブレずにこれからもたくさんのママの笑顔を生み出していくはずです。

現状維持と言いながらも、最後にこうもおっしゃっていました。

「自分の立ち位置で新しいことを生み出したいという気持ちはあるので、仕事と子育ての両立をうまくしながら、実現できたらいいな。」

これからも松島さん&nobi-nobiの活躍から目が離せません。

プロの講師イベントが毎月楽しめる

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撮影協力

• acca phot/ 寺嶋 綾香
https://www.instagram.com/_acca_photo_/
• kumiti_camera
http://www.instagram.com/kumiti_camera


渡邉 加奈子
渡邉 加奈子
娘が2歳のときPowerWomenプロジェクト在宅スタッフ登録をし、アンケート入力や事務局代行などを行う。その後【笑顔で働きたいママのフェスタ】イベント本部のスタッフとして、パートタイム勤務を経て正社員に。第2子の産休育休を経て現在は短時間正社員となる。ふたりの子供たちに挟まれて寝るのが何よりの幸せ。育児がひと段落したら趣味の切り絵と三味線を再開するのが夢。
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