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妊娠したらお金を考えよう:ver.4◆今こそ見直し!ライフプランのこと・保険のこと

出産前後のお金の話シリーズも今回で最終回となりました。4回目となる今回のテーマは、「家計と保険の見直し」についてです。これまでの「夫婦」という家族の形から、赤ちゃんを迎えることで父親・母親という役割が増え、家族の形は大きく変化します。家族が増えるということは、「守るべきものが増える」ということ。安心して暮らせるように、家計や保険を見直すためのポイントを知っておきましょう。

見直しの軸となるライフプラン

これからの暮らしについて、『お金がかかるのでは?』『今の収入で足りるの??』漠然と不安に思っていては、スッキリ前向きに暮らそう!とはいきませんよね。お金の不安は、全容が分からないことが原因で悩みを大きくしていることがあります。それを解消するには、自分の置かれている立場を俯瞰的に見る視点が必要となります。いちばんオススメなのは、ライフプランを立ててみるという方法です。

ライフプランは、これから起こりうる人生のイベントを年表のように書き並べ、それにともないかかるお金が、いくらぐらい必要になるのかを見積もるものです。「何年後に」「いくら」必要になるか具体的な金額を把握できることで、将来を見越した準備を早い段階から始めることができます。

ライフプランから読み取れること

ライフプランから読み取れることはいろいろあります。

・現在のままの収入と支出のバランスで、将来暮らしていけるか?
・住宅は、いつ頃、いくらぐらいの価格なら買えそうか?
・2人目、3人目の子どもを養っていけるのか?
・共働きでいるべきか?離職しても大丈夫なのか?

など多岐に渡ります。これらは皆さんが漠然と心配している事そのものではないでしょうか。

読み取れたこと1つ1つに具体的な対応策を

ライフプランから読み取れたことに対し、1つ1つ金額を計算します。

支出が収入より2万円多い。

→支出を毎月2万ずつ減らせばバランスがとれる

1割の頭金を入れるとして頭金300万円を貯められるのは5年後

→住宅は5年後に3000万円程度なら買えそう

2人目の教育費(高校)は今の貯蓄額で大丈夫。3人目は中学卒業までに100万程度の積立が別に必要

→3人目の貯蓄を今からスタート14年あるから6000円/月程度で大丈夫。

1人目、2人目、3人目の大学進学用の教育費が全く足りない・・・

→1人目は後12年、2人目は後15年、3人目は後17年で夫々300万円積み立てる必要がある。
1人目は20,000円/月 2人目は16,000円/月 3人目は14,700円/月積み立てる必要がある。
全て合わせると 56,700円/月貯蓄していかないと、、3人とも大学に進学させるなら、、足りなくなる。
みんなの家庭でもこんなに貯蓄しているの???

6年後から家計が赤字になる。

→離職しても6年後からはまたパート収入(5万円/月)が必要

というように、具体的な数字で目安が分かれば、漠然とした不安は前向きに節約や貯金を始めるための「目標」に変えることができますよね。それがライフプランを立てるメリットです。家計を見直したり、保険を見直す場合にも、ライフプランを先に考えておくことで「基準となる生活はこんな感じ」という軸をもとに見直しができるので、効率よく整理ができます。

ライフプランの整理と見直しは1人でできる?

ライフプランは、インターネットから無料でできるシミュレーションソフトを利用して自分で考えてみることもできます。ただ、現状の整理をするのも自分でやるのは一苦労。その上、課題が分かっても解決の方法を自分で考えなくてはいけません。

結局面倒になって放置する人が多いのではないでしょうか。

ファイナンシャルプランナーの有料相談を受ける


ファイナンシャルプランナーの有料相談を受ける方法もあります。ファイナンシャルプランナーのライフプラン相談は有料ですが、シミュレーション結果が思わしくなかった場合には家計を立て直すためのアドバイスまで受けられるところがメリットです。日本FP協会のHPにはライフプランの自己診断ツールが紹介されていますから、考えるきっかけに利用してみてください。

日本FP協会 ライフプラン自己診断ツール
https://www.jafp.or.jp/know/lifeplan/simulation/

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家計の見直しポイントは?

これまでの夫婦2人の生活から、子どもが増えたときに最も大きな変化は「教育資金の確保が必要になること」です。夫婦ともに仕事を持ち、比較的、金銭的な余裕があった2人暮らしで、つい支出額も大きくなっている場合には気持ちの引き締めも必要でしょう。これまでは「毎月赤字にならなければ、まあ生活は回っていた」かもしれませんが、これからは将来まで見越して大きな時間軸でお金を回すイメージが必要になります。

家計の収支トントンは危険

具体的には、“毎月トントン”ではなく、貯蓄を増やしていける家計にすることが大切です。生活をして余ったら貯金する、という意識を変えて、将来必要になる資金を先取りで貯蓄し、残りのお金で生活する、という順序にする必要があります。

必勝法は手堅くコツコツ貯蓄する仕組みをつくる事

そうは言っても、手元にあれば何かに使いたくなるのが人間というもの。自動積立や財形貯蓄などの仕組みを利用したり、教育資金用、住宅資金用……と口座を分けておいて、給料日にお金を移す、といった方法で、貯まる仕組み作りをしておくと今後の計画も進めやすいでしょう。夫婦でお互いの収入をよく知らないという場合には、これを機にお金の管理方法を話し合う時間を作りましょう。

夫婦の保険、見直しをするポイントは?

保険の見直しをするコツは、「万が一のとき、ケガや病気になったとき、誰がどう困るのか?」を具体的に想像してみることです。

例えば、万が一のとき。子どもが生まれてから収入を支える立場の人が亡くなったら、生活費に大きなダメージを与えます。だから、生命保険が必要と判断できます。夫婦共働きなら、それぞれ家計を支えていますからどちらにも生命保険が必要ですし、専業主婦の方は夫ほど高い保険金をかける必要はないことも想像できます。子どもに生命保険は滅多に必要ないことも想像できますね。

適正な保険金の額

では、保険金はいくらぐらいかけておけばいいのでしょうか?それを考えるには、まず、「基本の生活費×残された年数」から生涯必要になる生活費を割り出します。そこに、必要になる子どもの教育資金も加えます。これから出産という方は、1人あたり+1000万程度と考えておくといいでしょう。合計したものが「万が一の場合に必要となるお金」となります。

ですが、その金額を全て民間の保険で賄う必要はありません。遺族年金や死亡退職金で賄える分は、「万が一の場合に必要となるお金」から引いて考えることができます。残された妻(夫)が働いて得られる収入分も、引くことができます。そう計算して、足りない分を生命保険で補えるようにします。

医療保険は必要?

病気やケガをした場合の医療保険は、どのように考えればよいでしょうか。こちらも、困り事を想像すると、必要な金額が見えてきます。夫婦どちらかが入院をすれば、生活リズムが狂い毎日が慌ただしくなる中で、例えば病院を往復する交通費、預かり保育の利用、外食や家事代行サービスの利用など、普段はかからないお金が必要になると想像できます。実家が近い場合は預かり保育は必要ないかもしれませんし、必要になる金額は人によって違います。このように“我が家の場合”を想像すれば、入院日額を決めるためのヒントになりますね。個室を希望する人は、差額ベッド代もプラスします。

このような見直しは、子どもが増えたり、反対に大きくなって独立したりと生活環境が変わるタイミングで定期的に行うといいでしょう。また、勤め先に団体扱いになっている保険があれば、団体割引が適用される分、個人で民間の保険に加入するよりも保険料が安く抑えられます。職場から配られるパンフレットなどには関心を持って目を通すようにしてくださいね!

子どもにかける保険のポイントは?

子どもに保険は必要でしょうか。リスクと補償と捻出できる保険料、全てのバランスをみて過不足なく保険に加入したいです。保険等の金融商品は日々状況が変わっていますので信頼できるファイナンシャルプランナーに相談する事をお勧めします。

子どもの医療保険は必要?

子どもの医療保険は、夫婦の保険の見直しと同じように、「付き添いが必要になる」などの困り事から必要金額を見積もるといいでしょう。医療費そのものは乳幼児医療費助成制度により負担は少ないので、医療費以外にかかるお金を中心に考えましょう。

家族型の医療保険は、それぞれが個別で医療保険に加入した場合よりも保険料が安くなります。保障される金額をそれぞれ自由に決められないデメリットがありますが、見積もった必要金額と保障される金額が納得のいくものであれば有効な手段です。

学資保険は必要?

学資保険は、進学に必要になるまとまったお金を子どもが小さいうちから積立するものです。加入が早い方が積立期間を長く確保できるので、毎月の保険料が安くなります。保険料払込免除特則を付加すれば、付加しない場合よりも保険料は少し高くなりますが、契約者が万が一のときには以後の保険料の支払いを免除してもらうことができます。ここが預貯金で積み立てる場合との違いになります。

学資保険に医療保険がプラスされたタイプの保険もあります。こちらのタイプは、保険料の中から医療保険分にいくらか掛け金が回されているため、学資単体の保険に比べ、掛け金に対しての戻り率が低くなります。学資保険と医療保険を個別に加入する場合とセットの場合で、我が家にはどちらがいいのかを比較してみる必要があります。

学資保険ではなく他の金融商品で効率よく教育資金を貯める方法もあります。金融のプロに相談しないと得られない情報もあります。

優秀なファイナンシャルプランナーと出会うチャンス

子育て情報サイト「ともえ」では、お金のことを楽しく学べるイベントを紹介しています。知らないまま不安に思っていたを「そうだったのか!」に変えてしまえば、これからの暮らしや家計管理に、自信を持って取り組むことができますよ!

優秀なファイナンシャルプランナーと出会うチャンスは「紹介」されない限りなかなか無いでしょう。全国を飛び回っている人気ファイナンシャルプランナーは、優秀な方が多く、お金のことを楽しく学べるイベントに参加する事は、大切なお金の相談をする相手を見極めるチャンスでもあります。

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まとめ

全4回に渡り、出産前後に関係するお金の話をお伝えしました。かなりボリュームのある内容でしたから、『もう、頭がいっぱい!』と思われたかもしれませんね。お金のことは大切な話なのに、私たちは学校で詳しく学ぶ機会がないまま大人になってしまうのが日本の現状でもあります。ですが、これから子どもを迎え育ててゆくのに、『知らないまま』という状態を放っておくわけにはいきません。
一生役に立つお金の知識を手に入れて、充実した毎日を過ごしたいですね!


横山 沙織
横山 沙織
ファイナンシャルプランナー(2級FP技能士・AFP)。おこづかいセミナー講師。子供金銭教育をテーマに活動する団体「FPmama Friends」に所属し、親子で学ぶおこづかい教室を開催しています。双子の娘+男の子の3児子育て中のママです。趣味は温泉巡りとベランダ菜園です。