「コンパニオンアニマル=伴侶動物」という呼び方が広まる犬と猫
「動物と暮らす」というキーワードから、まず思い浮かぶのは犬と猫。
彼らは「ペット」と呼ばれて久しいのですが、所有物のような印象を受けるということもあり、最近は、コンパニオンアニマル=伴侶動物という呼び方が広まりつつあります。
犬と猫は、長い歴史の中で、野生動物として生きるより、人と共に生きることに適合した特殊な動物です。もともとは狩猟のパートナー、ネズミ退治などのための使役動物でしたが、今ではコンパニオンアニマルとしての地位を不動のものとしています。
どちらも、それぞれよさが異なりますが、今回は、子供が犬と暮らすことのよさを紹介していきます。
犬と暮らすことで育まれる「コミュニケーションをとる力」
犬は何かと世話がやける動物ですが、その分、人との関わりも密接で、必然的に非言語コミュニケーション(言葉以外の手段によるコミュニケーション)をとる機会も他の動物に比べて多くなります。
つまり、人も犬も、行動や声、表情などから五感を使って得た情報で相手の心を汲み取り、対応していきます。
その結果、観察力も高まり、自分の気持ちを表に出せない人、話すことが得意でない人、障害・病気などで言葉の不自由な人などとコミュニケーションをとる力も、子供たちに自然と備わっていくのです。
我が家の娘と犬(祭ちゃん)の場合
わが家の6歳娘と犬娘の祭(まつり)ちゃんも、お互いの気持ちに気づいたり、許容し合ったり、牽制し合ったりという時間を重ねる中で、少しずつよい距離感で関われるようになっています。
娘が小さい時は、すでに成犬でおっとりした性格だった祭ちゃんが、圧倒的にたくさんのガマンやあしらいをしてくれていたと思います。
しっぽをつかまれたらそーっと立ち去り、
目をつつかれそうになれば目をつむり、
部屋を乗っ取られたり帽子を被せられたりしてもじっと耐え。
でも時には、耐えがたくなったり、虫の居所が悪かったり、突然の襲来に仰天して制裁を加えて、娘が大泣きという場面も。
それでも祭ちゃんは大事な家族。カミナリが怖くて、上った階段から降りられずにいるのを1歳の娘が迎えに行き、喃語(なんご)とジェスチャーで懸命に語りかけながら、下ろしてあげようと四苦八苦する姿も何度となくみられました。
家庭生活の中では、弱いものを思いやったり、競争したり、やっつけられたりする機会の少ない一人っ子の娘には、本当に有り難い存在です。
母親である私が心がけていたことと言えば、「祭ちゃんカミナリ怖いんだって」「寝てるとき、急に触るとびっくりしちゃうんだよ」「お尻のほうは好きじゃないみたい」と、幼い娘に少しだけ祭ちゃんの気持ちを通訳することと、祭ちゃんもうちの大事な子だというのを伝え続けること。
今では二人の争いや牽制は、私の奪い合いくらいになりました。
- 植村 理絵
- ライター兼アロマ講師。 子育て応援サークルや地域イベントの運営にも携わる。書籍や雑誌の編集・ライティングの傍ら、人や動物のホリスティックケアを学び、現在は、講座やさまざまなメディアを通して情報発信を行っている。ブログ「見えるアロマと効くアロマ」更新、メルマガ「秘密の香庭」配信をゆるりと継続。義父と同居しながら、小1娘&9歳犬娘の母を堪能中。