約28日を周期として刻々と変化する女性の身体。
身体の症状だけではなく、ニキビができたり、妙にイライラしたり。
女性であれば一度はこのような症状を経験したことがあるのではないでしょうか。
実はこれらの症状、「女性ホルモン」と呼ばれる2種類のホルモンのバランスの乱れが原因でおきる症状なのです。
生涯でわずかティースプーン1杯分しか分泌されないごく微量の物質である「女性ホルモン」。
その特徴や働きを知りうまくコントロールすることで、快適な日々を過ごしてみませんか?
ここでは、女性ホルモンの働きと特徴、その乱れによって起こる病気・症状、さらには女性ホルモンを増やす方法やホルモンバランスを整えるために大切な食べ物や生活習慣を徹底的に解説します。
女性ホルモンの働きと特徴
まずは女性ホルモンが私たちの身体や心にどのように関わっているのか、整理してみましょう。
そもそもホルモンとは?
ホルモンとは、身体の機能が正常な働きをするために必要な情報伝達物質のことで、血液中を流れて全身に行き渡っています。
ホルモンは身体のさまざまな器官で合成・分泌されます。
食事で取る栄養と比べるとごく微量ですが、様々な生理作用を促進・抑制し、生命維持はもちろんのこと、精神状態などにも影響を与えます。
ホルモンには100以上の種類があり、それぞれが人体の健康を維持するため異なる役割を担っています。
その中でも「エストロゲン(卵胞ホルモン)」「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類が、女性の美容と健康に大きな影響を与える「女性ホルモン」と呼ばれるものです。
この2種類のホルモンは、一定の周期(約28日)で絶妙なバランスを保ちながら分泌されます。
月経周期をはじめ、妊娠や出産のために女性の身体のリズムをコントロールしています。
女性の身体にとって大事な役割を担っている「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」。
この2つの女性ホルモンの働きと特徴を見ていきましょう。
2つの女性ホルモンの働きと特徴
「エストロゲン(卵胞ホルモン)
エストロゲンは主に卵胞(卵巣内部にある、卵子が入っている袋)や黄体(排卵後の卵胞)から分泌されます。
そのため、別名「卵胞ホルモン」とも呼ばれ、排卵前(卵胞期後半)と黄体期の後半に多く分泌されます。
分泌量は年齢によって変化し、40代後半ころから急速に減少します。
このエストロゲンの分泌量の減少が、様々な更年期障害の原因といわれています。
エストロゲンの大きな働きは、妊娠の準備をすることです。
また、「美のホルモン」とも呼ばれ、潤いのある肌や、ツヤのある髪、女性らしいメリハリのある体型を維持する役割もあります。
男性の体内においては、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減少させ、血管拡張作用による動脈硬化や高血圧、心筋梗塞、高脂血症を予防する効果もあるといわれています。
一方で、体温を下げる効果や、増えすぎると乳がんや子宮がんのリスクを高めてしまう可能性もあります。
「プロゲステロン(黄体ホルモン)」
プロゲステロンは主に黄体から分泌されるため、別名を「黄体ホルモン」といいます。
黄体期に多く分泌され、卵胞期には微量しか分泌されません。
大きな働きは妊娠をサポートすることです。
基礎体温をあげ、子宮を「妊娠しやすい」状態にしてくれます。
その他に、乳腺の発達や血糖値の正常化、利尿作用などの効果もあります。
また、子宮体がんの発生を抑える効果もあります。
一方で、皮脂の分泌によるニキビやメラニン色素の発生、水分を溜め込んで身体をむくみやすくしたり、食欲増進といった、女性にとっては一見ありがたくない影響も与える、「ブスのホルモン」などと呼ばれてしまうこともあります。
女性ホルモンの分泌と月経周期の関係
ホルモンの分泌量は多くなると減るように、減ってくると増やすように、脳と卵巣の双方が連携をとりながらコントロールされています。
それらは約28日の周期でコントロールされ、排卵期に妊娠しなければ、内膜がはがれ月経がおきます。
この周期によって、身体にはどのような影響があるのでしょうか。
月経期(月経初日から1週間)
エストロゲン、プロゲステロンともに通常量の分泌です。
身体が冷えやすく、疲れやすい時期で、吹き出物も増え、肌がくすみます。
貧血や月経痛を伴うことが多く、代謝も悪くなります。
抵抗力も低下して、やる気もダウンします。
卵胞期(排卵前の1週間)
排卵前の1週間で、エストロゲンが増加します。
身体は絶好調で代謝もアップし、体温が低い時期です。
肌にはツヤが出て、気分も前向きになります。
美容やダイエットの成果が出やすいのもこの時期です。
排卵期
肌が安定し、美しく、身体も妊娠の準備が整った状態です。
黄体期(排卵後の1週間、月経前の1週間)
排卵後の一週間です。プロゲステロンが増加します。
徐々に新陳代謝が悪くなり、体温が高くなります。
むくみや便秘、肌の調子が悪くなり、ダイエットの効果も出にくい時期です。
気分も不安定になります。
このような一連の周期を繰り返している状態が正常な状態ですが、ホルモンのバランスが崩れると、様々な影響が出てきます。
ホルモン分泌が多すぎたり、少なすぎたりとバランスが崩れた場合に、どのような影響があるのでしょうか。
ホルモンバランスの乱れからおきる症状
ホルモンバランスの乱れからおきる症状はさまざまです。
量が少ないと、無月経や過少月経、頻発月経といった症状が起きることがあります。
また量が多いと、月経が8日以上続く過多月経が起きる場合もあります。
年代別にどのような症状があるか、まとめてみました。
10代【思春期】
初経が来て数年は月経不順や無排卵など、月経が不安定な時期もあります。
月経が安定するのは18歳ぐらいです。
月経不順、月経痛
エストロゲンとプロゲステロンの分泌が少なくて起こる無月経、過少月経、頻発月経や、分泌が多すぎて起こる過多月経などがあります。
肌荒れ・にきび
女性ホルモンの分泌が減少し、皮脂の分泌を活発にする男性ホルモンが過剰に分泌された結果、肌荒れ・にきびを発症します。
他に10代でホルモンバランスの乱れも要因としておきる症状としては、以下のものがあります。
- 性感染症(STD)
- 摂食障害
20代【成熟期】
月経は安定し、体力も充実した時期です。
女性ホルモンもしっかり分泌される時期ですが、バランスが乱れると10代のころよりも深刻な症状になる場合があります。
月経前症候群(PMS)
ホルモンバランスが変化する排卵後に、頭痛、腰痛、肩こり、便秘などの身体的症状や、イライラ、不定愁訴、集中力ややる気の低下などの精神的な症状が起こります。
他に20代でホルモンバランスの乱れも要因としておきる症状としては、以下のものがあります。
- 月経困難症
- 子宮頸がん
30代【成熟期】
ホルモン分泌はピークを迎える時期です。
不妊症
プロゲステロンの分泌が減少することで、排卵後に子宮を妊娠に適した状態に維持できない「黄体機能不全」を引き起こすと、妊娠が難しい状態になります。
また、プロラクチンというホルモンが異常分泌されると、受精卵が着床しにくくなり、同様に妊娠が難しい状態になります。
自律神経失調症
脳内のホルモン分泌の指令を出す部位と自立神経をコントロールする部位が近いところにあるため、ホルモンバランスの乱れが自律神経に、逆に自律神経の不調がホルモンに影響し合い、様々な商用を引き起こします。
具体的には、倦怠感、不定愁訴、めまい、ふらつき、動悸、息切れ、手足の冷え、発汗、のぼせ、頭痛、不眠などが挙げられます。
乳がん
エストロゲンが過剰に分泌されると、乳がんのリスクが高まるといわれています。
その他、30代でホルモンバランスの乱れも要因としておきる症状としては、以下のものがあります。
- 月経前症候群(PMS)
- 子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫
- 子宮頸がん
- 膠原病、甲状腺の病気など
40代【成熟期~更年期】
成熟期から更年期にかけて、エストロゲンの分泌量が急激に減ってきます。
更年期障害(ほてり、発汗、イライラ、うつなど)
加齢によるエストロゲンの分泌減少により、のぼせ、めまい、動悸、発汗といった更年期障害を発症します。
うつ病など精神にも影響がある場合もあります。
他に40代でホルモンバランスの乱れが要因としておきる症状としては、以下のものがあります。
- 乳がん、子宮体がん
- 生活習慣病(動脈硬化、高血圧、肥満、糖尿病など)
- 歯周病
- 膠原病、甲状腺の病気など
50代【更年期】
骨粗しょう症
更年期障害と同じく加齢によるエストロゲンの減少により、発症する場合があります。
他に50代でホルモンバランスの乱れも要因としておきる症状としては、以下のものがあります。
- 更年期障害(ほてり、発汗、イライラ、うつなど)
- 閉経
- 卵巣がん
- 萎縮性膣炎
このように、ホルモンバランスの乱れは、女性の身体にさまざまな症状を引き起こすのです。
ホルモンバランスの乱れの原因
ホルモンバランスの乱れが心身にさまざまな影響を与えることはわかりました。
では、そのホルモンバランスは、どのような原因で乱れるのでしょうか。
ホルモンバランスが乱れるということは、女性ホルモンが分泌されるときのサイクル(脳の視床下部→下垂体→卵巣)がうまくいかず、約28日の月経のリズムの周期の中で、エストロゲンとプロゲステロンの分泌のバランスが乱れるということです。
これには大きくわけて2つの原因があります。
年齢による身体の変化
一つ目の原因は、年齢による身体の変化です。
思春期は、身体がホルモンバランスを上手に調節できずに乱れが生じる場合があります。
また、特に影響があるのは更年期。
女性ホルモンの分泌が急激に減少するので、身体が混乱し、ホルモンバランスが乱れます。
特にエストロゲンは急激な減少によって、先に挙げたような更年期障害や骨粗しょう症など、さまざまな症状を誘発します。
生活習慣による影響
もう一つの原因は、生活習慣による影響です。
ストレスや食生活の乱れ、睡眠不足などは、脳の視床下部の働きに影響し、ホルモンバランスの乱れを誘発します。
よくない生活習慣はホルモンバランスの乱れにつながり、加齢によるホルモンバランスの乱れを加速してしまうかもしれません。
逆に、さまざまな日常生活の中で、よい生活習慣を継続することは、よいホルモンバランスを保つことに通じます。
生活習慣の改善は、ホルモンバランスを整えるためにとても大切なことです。
少しずつ取り組んで、ホルモンバランスを整えてみてはいかがでしょうか。
女性ホルモンを増やしホルモンバランスを整えるための生活習慣~基礎体温を測る~
では、ホルモンバランスを整えるための生活習慣を、いくつかご紹介します。
これらすべてをすぐに実行することは難しいかもしれません。
しかし、意識して生活に取り入れることで、ホルモンバランスは整っていくことでしょう。
生活習慣の改善には時間がかかります。
取り組みの目安はまずは1ヶ月から。
月経周期の1ヶ月で、取り組んでみてください。
また、月経が始まって間もない10代は、月経が不安定な時期です。
月経が安定するのは18歳ぐらいと言われています。
ホルモンバランスの調整は、この時期から意識を始めるとよいでしょう。
基礎体温を測る
生理があっても、ホルモンバランスは乱れる可能性があります。
女性の場合、基礎体温は排卵に左右されます。
そのため、女性ホルモンの乱れは基礎体温を測ることでチェックすることができます。
ホルモンバランスの乱れをチェックするために、朝起きたら基礎体温を測り、ホルモンバランスのチェックをしてみてください。
検温には婦人体温計(基礎体温計)を使います。
基礎体温表には、体温、月経の有無、むくみや胸の張りなど、体調を記入しておきます。
月経中には経血の状態や、痛みのあるなしも記入するとよいでしょう。
基礎体温は排卵の前後で低温期と高温期にわけられ、その差は0.3℃以上が目安となります。
一般的には36.7℃を境に低温期と高温期が訪れます。
低温期が続き体温が上がらない(無排卵月経の可能性)、低温期と高温期がはっきりしないなどの症状がある場合は、ホルモンバランスが乱れている可能性があります。
不規則な生活や、過度なストレスがないか、生活を見直してみましょう。
女性ホルモンを増やしホルモンバランスを整えるための生活習慣~食生活の見直し~
ホルモンバランスは、食生活に密接に関わりあって変化します。
特に女性はダイエットを意識するあまり、食事を抜いたり、食事をお菓子で済ませてしまったりすることがあります。
このような食生活では栄養不足になるのはもちろんのこと、冷え、便秘、貧血などの不調も助長され、女性ホルモンの分泌量も下がってしまいます。
バランスのよい食生活に加えて、月経周期に応じて必要な栄養素をプラスすると、よりホルモンバランスが整いやすい身体に近づけていくことができます。
一番大切なのは、1日3食、ある程度の量を同じ時間にしっかりと取ること。
1日に30品目の食品を取り入れるのが理想です。
中でも女性ホルモンの分泌を促したり、材料になったりする食材を1日に1回取り入れることで、ホルモンバランスを改善することができます。
また、夕食は就寝2時間前には済ませるのが良いとされています。
暴飲暴食は避け、飲酒も週に1~2回、コーヒーは1日3杯までにとどめましょう。
その代わり、水分はしっかり(1日1.5~2リットル目安)取りましょう。
尿をしっかり出すことで、代謝が上がります。
極度のダイエットでたんぱく質を減らしたり、化学調味料の多い食材をとったり、冷たいものを飲んだりすることも避けまあしょう。
間食は、ストレスに感じない程度に控えましょう。
以下で、ホルモンバランスを整えるために積極的に取り入れたい食材をご紹介します。
大豆、大豆製品
加齢とともに急激に分泌量が減るエストロゲンを補うのに有効なのが、大豆製品です。
大豆には大豆イソフラボンという成分が含まれていて、エストロゲンと似た働きをするからです。
大豆にはそのほかにも日本人に不足しがちなたんぱく質やカルシウム、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
更年期障害や骨粗しょう症の予防にも役立つので、毎日取り入れたいものです。
大豆イソフラボンの1日の摂取目安量は、70~75mgです。
納豆なら1パック、豆腐なら1/2丁が目安になります。
冷奴のトッピングを変えるなど、飽きずに食べられるように工夫するとよいですね。
大豆や豆乳、みそ、納豆、油揚げ、きなこなど、食品から取れない場合は、サプリメントも利用できます。
この場合、1日の食事にプラスする量としては30mgを上限にしましょう。
余談ですが、大豆イソフラボンは、生活習慣病のもとになる悪玉コレステロール値を下げる効果があるので、男性にもお勧めです。
食事の1品にぜひ取り入れてください。
青菜
青菜からは主に、カルシウムと鉄分を取り入れることができます。
月経時は貧血になりがちなので、鉄分とカルシウムは貧血の強い味方です。
どちらも豊富な青菜は、1日1品を目標に取り入れたい食材ですね。
小松菜、ほうれん草、チンゲンサイ、水菜、モロヘイヤなどは、これらが特に豊富に含まれています。
卵、肉
卵、肉には良質なコレステロールや鉄分、たんぱく質、脂質が含まれます。
良質なたんぱく質や脂質は、女性ホルモンのもとになります。
コレステロールに関しては取りすぎを気にして控える方もいらっしゃいますが、体内で生成する分がコントロールされますので、控えすぎる必要はありません。
牛肉の赤身やレバーには鉄分が多く含まれ、とりのささ身などは良質なたんぱく質を取り入れることができます。
また卵黄には、たんぱく質のほかにも生殖器系、ホルモンバランス、肌の健康の維持に不可欠な、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB9、鉄、カルシウム、カリウム、リン、コリンなどの成分が豊富に含まれています。
マグロ、カツオ
マグロ、カツオをはじめ、魚類に多く含まれるのがビタミンB6。
ビタミンB6は、エストロゲンの代謝を促し、ホルモンバランスを整えます。
また、月経中の不調の改善にも役立ちます。
ビタミンB6は他に、アボカドやうなぎにも多く含まれています。
ナッツ類
アーモンドなどのナッツ類にはビタミンEが多く含まれます。
ビタミンEは脳下垂体や卵巣に働きかけ、ホルモン分泌をコントロールします。
さらに高い抗酸化作用があるので、美肌にも効果を発揮します。
血行促進や、ストレスへの防御反応も高めてくれる効果もあり、月経中のストレスにも有効です。
ビタミンEはナッツ類のほかに、アボカド、レバー、うなぎ、かぼちゃなどに多く含まれます。
アボカド
ビタミンB6やビタミンEが含まれていることでご紹介したアボカドですが、そのほかにもマグネシウム、葉酸、食物繊維、カリウムなど、ホルモンを維持するのに大切な成分が非常に豊富に含まれています。
ココナッツオイル
ココナッツオイルには、ホルモンの生成に重要な働きをするラウリン酸が含まれます。
近年人気の食材ですが、積極的に取り入れたいものです。
バター
脂溶性ビタミンは、ホルモンの構築に必要な素材です。
脂肪、油ということで避ける方の多い食材ですが、脂溶性のビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK2など、他の食材ではとりにくい栄養素が含まれています。
ぜひ、意識して取り入れてみてください。
さらに効果を発揮する取り入れ方
更に効果を発揮するためには、これらの食材を月経周期にあわせて取り入れることをお勧めします。
月経~排卵前
この時期は、エストロゲンの分泌が増える時期です。
心身ともに体調がよく、ダイエットや運動の効果が出やすいです。
エストロゲンは内臓脂肪を減らす効果もありますので、ダイエットはこの時期に行うと効果が出やすいのです。
たんぱく質や身体を温める栄養素を意識してとってみてください。
月経中は月経痛や血行不良による冷えの症状がつらいときがあります。
たんぱく質のほかに、血行を良くする生姜、月経痛を緩和するEPAを含む青魚などで、冷えと痛みを緩和できます。
排卵~月経前
この時期は黄体ホルモンの影響でむくみや便秘になりがちです。
鉄分、食物繊維を意識して取り入れましょう。
ひじきやレバー、小松菜、煮干などに多く含まれる鉄、カルシウム、マグネシウムなどは、血液や子宮内膜に必要な成分ですが、月経時に体外に排出されるため、常に食事で補うことが必要です。
食物繊維や発酵食品を積極的に取り入れて、腸の動きを活発にして快適にすごしましょう。
ホルモン的にはこの時期はプロゲステロンの分泌が増えます。
身体が疲れやすく、気持ちも不安定になりがち。
さらに、妊娠や出産に備えて、食事で取り込まれたエネルギーを皮下脂肪として蓄えてしまう傾向があります。
ダイエットしている時期には、効果が出にくい時期ですので、「体重を減らす」ことより「増やさない」ことを目標に、食べ過ぎないように注意しましょう。
女性ホルモンを増やしホルモンバランスを整えるための生活習慣~セルフケア編~
食事のほかにも、日々の生活の中で意識してすごすことで、ホルモンバランスを整えることができます。
睡眠、運動、ストレス、スキンケアの4つの項目で、具体的にどんなことができるのか、ご紹介します。
睡眠
まずは睡眠です。
ホルモン分泌は1日の生活のリズムを整えることでケアできます。
質の良い睡眠を確保することで、健全なホルモン分泌を促しましょう。
まずは、寝る前に身体をゆったりと休めること。
好きな音楽をかけたり、血行をよくするための軽いストレッチなどをしたりするのも、よい睡眠をとるためには有効です。
照明は暗くして、毎日同じ時間に眠るようにします。
遅くても0時前に寝て、最低でも6時間は睡眠時間を確保できるとよいですね。
朝も、毎朝同じ時間に起きるようにします。
おきたら太陽の光を浴びて、大きく背伸びをするように深呼吸を5回してみてください。
質のよい睡眠の後に深い呼吸をして、自律神経を整え、ホルモンバランスをケアします。
運動
基礎代謝が低下し、身体が冷えると、ホルモンバランスも崩れてきます。
月経周期にもよりますが、日々の運動で身体を温め、基礎代謝を維持することで、ホルモンバランスも安定して整っていくことでしょう。
基礎代謝を維持するために、できれば毎日、ストレッチをします。
寝る前のリラックスタイムなどを利用するとよいかもしれません。
また、週に2回程度でよいので、息が上がるぐらいの運動を30分以上行ってみてください。
筋トレなども、代謝をあげるよい運動になります。
また、仕事をしている方は帰宅時に一駅前で降りてウォーキングするのもよいかもしれません。
身体を冷やさないために、入浴時はシャワーで済まさず、必ず湯船につかるようにします。
その間に目を閉じて何も考えずにすごす時間を作れば、ストレス解消にもなりますよ!
夏は油断しがちですが、冷房で身体が冷えることもあります。
腹巻を使ったり、生姜を入れた飲み物を飲んだり、しっかりと温めてください。
ストレス
心と身体のバランスは、ホルモンバランスと連携します。
心がダメージを負うと免疫力が低下して、身体にも不調が出てきますので、ストレスケアはとても大切です。
例えば寝る前の30分~1時間程度のリラックスタイム。
アロマやツボ押しを取り入れてもよいかもしれません。
心をしっかり休ませて1日のストレスをリセットしましょう。
入浴の時間も、ストレスをケアするのにはよいタイミングです。
湯船で身体を温めつつ、3分間でよいので目をつぶって何も考えない時間を作ってみてください。
脳も身体もリラックスすることができます。
忙しい日々の中にも、少しだけスケジュールに「ゆとり」の時間を持たせるのもコツです。
「休める」だけではなく、ストレス解消には「ときめき」の要素も重要です。
好きな人、友人、大切な人との会話や、読書や映画を楽しむ、趣味に没頭するなど、幸せを感じてワクワクときめくことのできる時間を、週に1度でいいので作ってみませんか?
心が充実して、ストレスが緩和されていきますよ。
スキンケア
月経周期によって、影響を受けやすい肌の状態。
女性ホルモンの影響だとわかれば、その周期によっていくつかの対策をすることができます。
肌荒れは、女性にとってストレスにもなります。
少し意識することで、ストレスを減らし、ホルモンバランスもあわせて整えましょう。
月経の時期には、体温が低く、血行も代謝も低下するので、肌はくすみがちに。
乾燥しやすかったり、バリア機能も低下したりします。
これらの症状は水分、脂分の補給はもちろんのこと、マッサージなどで血行をよくすることで改善します。
卵胞期は、エストロゲンが多く分泌されるので、肌の状態は潤い、ハリがあり、安定しています。通常のスキンケアや、新しい化粧品を試してみることもできます。
黄体期には、プロゲステロンが分泌されます。
妊娠のサポートをするために身体に水分を溜め込みますので、肌は潤う一方でほてり、むくみが発生します。
皮脂の分泌量も増えるので、ニキビも出やすくなりますし、紫外線から皮膚を守るためのメラニン色素が生成されるため、シミができやすい時期でもあります。
このような時期は洗顔や油取り紙で、皮脂の量を調整し、ピーリングやふき取り化粧水などで角質のケアをするのがお勧めです。
日焼け止めも忘れずに!
まとめ
いかがだったでしょうか。
女性が生き生きと輝くためにとても大切な働きをする女性ホルモン。
分泌を促し、バランスを整えることで、さらに素敵に輝くことができるかもしれません。
心と身体をよく観察して、上手につきあいたいホルモンバランス。
今日からできる生活習慣改善に、毎日少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
- ともえ編集部