前回の記事では、あなたのご家族が介護が必要な状況になった時、「自分を大事に、一人で抱え込まず、みんなで《未来の生活》を描くことが大事ですよ」とお伝えしました。
とはいうものの、
- どうしたらそれを実現できるのかわからない
- 不安が大きくて考えられない
ということもあると思います。
今回は、「困った」「どうしよう」と思ったときの相談先(病院編)をお伝えします。
骨折した母親が不自由なところもあるまま退院するケース
ハイキングが好きなお母さんは、自宅で転び、足の骨を骨折してしまいました。
手術・リハビリをしたことで、不自由な部分はまだありますが、だいぶ動けるようになってきました。
「もうちょっとリハビリできたら、安心だな」と思っていた矢先、先生から「そろそろ退院しましょうか」と言われました。
「え? まだ杖が必要な状況なのに……」
「このままでは料理も作れないのに……」
「どうしよう……」
そんな時には、病院内の「地域医療連携室」や「医療福祉相談室」で専門家に相談して下さい。
病院の相談室と相談員がしてくれること
相談室は、以下のことを受け付けてくれる、相談・サポートの要の部署です。
- 入院・外来の患者さん・ご家族の不安や悩みの相談
- 退院に当たっての今後の生活に対する相談
- 入院費用等経済的な相談
- 病院と地域のお医者さん、ケアマネさんとの連携など地域と病院をつなぐ
そこには、社会福祉士・精神保健福祉士・看護師等医療・福祉の専門職が在籍しています。
相談員さんは、
- あなたの不安な気持ちに寄り添って
- 豊富な知識や経験、人との繋がりをもって
- 不安を解消、想いを実現する方法を
- 強制するのではなく、
- あくまでも決めるのはあなた自身であることを忘れずに
提案をして下さいます。
主治医や担当看護師に不安を伝えよう
相談室で相談するためには、直接相談室のドアをノックするという方法もありますが、まず、お母さんの主治医や担当看護師さんに「このまま家に帰るのは不安があるので、相談室で相談したいのですが」と伝えてみてください。
それは、主治医や看護師さんに「今、私たちは不安に感じているんです」という気持ちを伝えることにもなります。
お母さんを含め、お母さんを支えるチームで「想いを共有する」ことは大切です。
多くは予約をとって、改めて相談に伺うことになります。
相談室では、担当の相談員さんがお母さんやあなたをはじめ、ご家族の想いを大事にしながら、状況を確認し、安心して生活が始められるような方法の提案や地域の専門職との連携を行い、退院までサポートをして下さいます。
相談室で相談することによって、きっと、「家に帰るのは不安」だった気持ちが、「安心して家に帰れる・生活できる」と変わることができるでしょう。
病院には「地域医療連携室」「医療福祉相談室」といった地域と病院をつなぐ介護・医療の相談のプロがいます。
プロに相談することは、「困った・不安な気持ち」を解消し、「大丈夫」「これならできる」と気持ちを前に向けることに繋がります。
自分の気持ち・状況を分かってくれる方がいることは、心強いですよね。
困った時には、一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみましょう。
- smileライフコーチ 林英奈(あやな)
- 日本福祉大学卒業後、医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター、ケアマネジャーを経験。一児の母。2015年岐阜から神奈川へ転居。 母として、妻として、ソーシャルワーカーとして、自分自身が「笑顔」でいることが、家族やまわりの幸せであると実感。「笑顔」をキーワードとして3つの「なりたい」を応援している。