「お母さんになっても、何度も花開かせましょう。」そう力強いメッセージを送ってくれたのは、『花開くママ』を団体名に掲げた一般社団法人ブルーミング・マム 代表理事、前田カオリコさん。
育児・仕事・自分らしいライフスタイルを送りたい。
どれも諦めたくない…けれど夜泣きや赤ちゃんのお世話で自由に時間を使えない、やりたいことはあるけれど計画通りに進まない…。
このままでいいのかな…と悩みや不安を抱えるママたちに、子育て期を自分らしく過ごすためのヒントを話してくれました。
※2019年12月12日大手町で開催した【PowerWomenFes!2020】Specialステージトークのレポートです。
【目 次】
- まるで修行のよう。24時間終わりのない育児
- サークルから一般社団法人、アカデミーへの発展
- 比べるのは周りではなく、自分の過去と未来
- ママだからこそ花開く人生法則
- 共感してくれる仲間がいる。だから成長できる
一般社団法人ブルーミング・マム 代表理事 /
株式会社リコラボ 代表取締役 前田カオリコさん
まるで修行のよう。24時間終わりのない育児
はじめまして。中学2年生の娘、小学校5年生の息子の2人のママで新宿区に住んでいます。
長野県長野市で生まれ育ち、結婚するまで地元長野のテレビ局でフリーアナウンサーとして働いていました。
バンジージャンプをしたり、イルカと泳いだり、体を張ったレポートをはじめ、テレビ・ラジオにイベントなどとにかくいろんな経験をさせてもらい、充実した日々を送っていました。
縁あって結婚し都内へ引っ越すことになり、新天地での暮らしを楽しもう!と当時5本ほど持っていたレギュラー番組などすべての仕事を手放しました。
その後運よく子どもを授かることもできたのですが、出産後はそれまでいかに自分の時間を自由に使えていたのかと思い知らされることばかりでした。
ざっくり『育児』と言ってもすることは数え切れないほどあり、終わりもありません。
泣いたら抱っこ、離乳食を作らないといけないし家事もある。
子どもに24時間を捧げる毎日が本当に大変で、私にとってはまさに修行のような日々でした。
鬱々とした生活に刺激を求め、子連れでも何かできないかな、と考えるようになりました。
留学経験があり英語を話すことができた私は、親子で参加できる英語コミュニケーション講座を開くことにしました。
子連れでも知的好奇心を満たしたい、と賛同してくれるママもいて、新宿を拠点にママサークルを立ち上げました。
サークルから一般社団法人、アカデミーへの発展
はじめは私が講師をしていましたが、そのうちに外部講師をお呼びするようになりました。
区の図書館でママ支援のプログラムを行ったり、トークショーを企画したりと少しずつ活動を広げる中で、子連れでもおんぶしながらでも、ママがママのチカラで社会とつながり、自分らしく生きることを実感しました。
新宿区発のママコミュニティとして、一人で始めた活動も9年目を迎え、2018年には一般社団法人にしました。
いわゆる「ボランティア」のようなことをずっと続けてきて、それ自体は意義のあることだと理解もしていますが、活動を始めてもうすぐ10年を迎えるにあたりもっともっとパワーアップして、ママとつながりを持っていきたいと思ったからです。
その一つとして、子どもが大きくなるにつれ時間もでき、社会に出て活躍したい、希望する収入を得たい、稼ぎたい、というモヤモヤしたママのサポート事業も始めました。
家族を軸にしながら、「ママ」が「ママであること」に誇りを持ちながら働けるようにするための「ブルマムアカデミー」です。
比べるのは周りではなく、自分の過去と未来
結婚出産で新しい生活を送りながらも、すべての仕事を手放した私は、キー局で働くフリーアナウンサーの同期や仲間をテレビで見ては「羨ましい、私も子どもを産んでいなかったらこんな風に輝いていたかもしれない…」と思うこともありました。
家庭も大事にしたい。仕事もちゃんとしたい。
自分らしい何かを成し遂げたい。自分のポテンシャルはこんなレベルではない、こんなはずじゃない…と当日の私のようにモヤモヤした気持ちを抱えている女性がたくさんいることでしょう。
お母さんになっても何度も花開いてもいい。私はそう伝えています。
何かしたいと思っているママ、資格を取ってみたという声も多く聞きます。
でもそこで止まってしまう方が多いのも事実。
周りと比べて何かする前に諦めてしまったり、落ち込んだり、停滞したり…
でも本当に比べるべきなのは周りではありません。自分の過去と未来なのです。
自分がどうなりたいのか?わが子とどう関わっていきたいのか?
鬱々としていた産後を切り開くきっかけになったのは、保育園に子供を預け、自由に活動できる時間を得たことでした。
でも最初は、子どもを預けることにものすごく罪悪感を持っていました。そんなとき、自分にこう問いかけたのです。
24時間一緒に過ごしているのに笑顔で接することができない母親と、ちょっと離れてリフレッシュし、子どもを笑顔で抱きしめる母親と、私はどちらでありたいか?と。
私は後者でありたい、とわが子を保育園に預けることを決意しました。
ママだからこそ花開く人生の法則
「母親」になった今、手にしているものもたくさんあります。
それでも、あれも欲しい、これも叶えたい…!だけど今すぐ全部は手に入らない。
そんな欲張りなママはちょっと視点を変えてみませんか?
諦めるのではなく、先延ばしするのです。
例えば「〇〇するのは5年後にしよう」と【目標設定】に変えるのです。
するとどうなるか。そう、気持ちがラクになります。
そして、目の前のことを大事にできるのです。
収入も欲しいけれど、子どもと過ごす時間も大事にしたい。そのジレンマがママを悩ませます。
家庭と仕事と自分と、どれも大切にしたいママに必要なのは、バランス感覚。
どれも大切に思うママだからこその花開く人生の法則を『ブルマムアカデミー』ではお伝えしています。
▲アカデミーの参加者は、育休中や起業準備中など様々。スクーリングやオンライン受講など、状況にあった方法で学んでいます。
私自身は子どもに「おかえり」を言いたいと思っていたので、自宅で起業することが合っていたけれど、起業だけではなく何でも良いと思っています。
育休復帰して会社に勤めたり、専業主婦も『自分でこれを選んでいる』という自信を持てたら尊いな、と。
子どもの成長とともにママの自由な時間も増えるし、先延ばしにしていた目標に手が届くかもしれない。
それまでの期間をどう楽しく、自分らしく過ごせるかを考えられる時間にしてほしい。
乳幼児のときにどのように子どもと関わり、悩み、育ててきたがわが子の性格に反映される…これは、反抗期を迎えた今、体感していますね。(笑)
でも、うんと悩んで苦しんで、愛情を注いできたから大丈夫!と信じられる部分もあるんです。
子育てを通じて、人を育てることはなんて楽しいことなんだろう、と感じています。
人が成長していく姿に、自分が一番喜びと楽しさを感じています。
アナウンサーとしてとにかく自分が目立つことを考えてきた私が(笑)誰かをサポートすることのすばらしさを実感しています。
共感してくれる仲間がいる。だから成長できる
子育ても私らしい働き方も、すごくすごく悩んで、そして周りの人に支えられてきました。
みなさんもぜひ、存分に悩んで苦しんでください(笑)。でも『一人では悩まない』、これ大事です。
悩みを言語化し、共感してもらうことで、私だけじゃない、みんな頑張っているんだ、と力になります。
今日のようなイベントでもいいし、地元のサークルや集まりでも。
ポイントは【自分で決める】こと。誰かが行くから、ではなく、自分でジャッジして関わっていきましょう。
ブルーミング・マムのサークルでも、参加は自分で決めてくださいね、とお伝えしています。
子どもが風邪気味だから外出を控えたい、天気が悪くて気分が乗らない、そんな日もありますよね。来てもいいし来なくてもいい。
ママが自分で考えて決める。でも基本的なこととして、欠席するならひとこと連絡は入れられるよねとも伝えています。
ママになったから何でも許される、ではなく子育ても仕事も相手を尊重していく姿勢を忘れてはいけないよ、と。
楽しく続けてきたサークルは10年目を迎えます。おかげさまで「もう10年になるんですね、すごいですね」と言っていただくこともあります。
もしみなさんも、何かやりたいと思っているならその火種を大切にしてみてください。やってみてダメなら違う形で、チャレンジを続けてみてくださいね。
細く長く緩くでも続けてくると、やってきたことが自信になるんだなと、今心から感じているところです。
・ブルマム・アカデミーはこちら
【編集後記】
PowerWomenFes!2020・Specialステージトークを華やかにスタートしてくれた前田さん。
さすがアナウンサー!という映える声と堂々とした姿からは、産後に悩み苦しんだことはお話を聞くまで想像もできませんでした。
厳しい冬を乗り越えるからこそ、春に咲く花は美しい。
ブルーミング・マムという名前には、葛藤や悩みを乗り越えたからこそ自分らしさを叶えられる、そんな『花開くママ』という想いも込められているのかと思うとともに、誰にだってチャンスはある、あなた次第!と、前向きな勇気を会場に充満させてくれました。
■東京都新宿・ママだからこそ、花開く人生を|ブルーミング・マム
https://tomoe.life/22784
■撮影協力
・acca phot/ 寺嶋 綾香
https://www.instagram.com/_acca_photo_/
・kumiti_camera
http://www.instagram.com/kumiti_camera
- 渡邉 加奈子
- 娘が2歳のときPowerWomenプロジェクト在宅スタッフ登録をし、アンケート入力や事務局代行などを行う。その後【笑顔で働きたいママのフェスタ】イベント本部のスタッフとして、パートタイム勤務を経て正社員に。第2子の産休育休を経て現在は短時間正社員となる。ふたりの子供たちに挟まれて寝るのが何よりの幸せ。育児がひと段落したら趣味の切り絵と三味線を再開するのが夢。
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